画面、触っちゃだめって
習わなかった?

――Mac初のタッチ対応

10/29 15:39 / 発信国:アメリカ / 記者:工藤

タッチ対応MacBook Proは49万9800円 7万円増で速さは変わらない

MacBook Proの画面に、指で触れるようになった。Appleが10月28日に発表した新しい14インチと16インチで、Macとしては初めてのタッチ対応だ。日本では10月29日に予約が始まり、発売は11月6日。14インチが49万9800円から、16インチが59万9800円から。え、50万円?

画面はタンデムOLEDを使った「PROLED XDR」。最大2,000ニトで、コントラスト比は10,000,000対1、リフレッシュレートは最大120Hz。バッテリーは最大24時間。画面上部のノッチはDynamic Islandに変わり、光るAppleロゴも戻ってきた。Appleの最高ハードウェア責任者、ジョニー・スルージ氏は「PROLED XDRディスプレイ搭載の新しいMacBook Proは、Macにとって記念すべき大きな躍進といえます」と話した。

7万円で増えるもの、増えないもの

ここで財布の話をしたい。同じM5 Proを積んだ14インチは、これまでどおりのミニLEDモデルなら42万9800円だ。新型は49万9800円。差は7万円。

ノートパソコンのキーボードとトラックパッド
写真はイメージ Photo by Vandan Patel on Unsplash

では、7万円で何が増えるのか。有機ELの画面、タッチ、Dynamic Island、それに軽さ。14インチは1.60kgから1.38kgへ220g、16インチは2.14kgから1.82kgへ320g軽くなった。14〜15%ほどの減量だ。

増えないものもある。チップだ。新型も従来モデルもM5 ProとM5 Max。7万円を足しても、書き出しが速くなるわけではない。7万円は、月に1万円ずつ貯めて7か月分。それを明るさと軽さとタッチに払うかどうか、という話になる。

「変える理由がない」と言っていたのはApple自身

タッチ対応をいちばん長く断ってきたのは、ほかでもないAppleだ。2021年10月、上級副社長のジョン・ターナス氏はこう話している。「iPadは世界最高のタッチコンピューターで、完全にそれに最適化している。Macは完全にインダイレクト(間接的な)入力に最適化していて、それを変える理由を感じていない」

さかのぼると2010年、スティーブ・ジョブズ氏は、縦に立てたタッチ画面のパソコンを人間工学的に使いにくいと批判していた。腕を上げ続けると疲れる、という話だ。

iPhone Maniaによると、社内でも意見は割れていたらしい。経営陣は客がMacにもタッチを求めていると見たが、デザインチームは「macOSの使われ方と本体の物理的な設計に影響しかねない」と反対した。落としどころが、タッチの役割をあえて小さくすることだったという。実際、主な入力はキーボードとトラックパッドのままだ。macOSは画面へのタッチをクリックに読み替えるので、いまのアプリはそのまま動く。できるのは、指でのスクロール、ピンチでの拡大縮小、回転、ドラッグ&ドロップ、ダブルタップといった操作だ。

ネットの評判

評判は、きれいに割れている。

Apple関連のブログ「となりずむ」がまとめた声には、「MacBookにタッチは不要。スティーブ・ジョブズが正しかった」という指摘がある。一方で、Logic Proで鍵盤を直接たたく、画面を指でスクロールする、といった使い方を歓迎する声も出ている。

Macの情報サイト「ゴリミー」のコメント欄には、もっと暮らしに近い不満が並ぶ。「キーボードやトラックパッドからわざわざ手を放して肘伸ばして画面タッチするの、すごく面倒」。「タッチ操作向けにツヨツヨなディスプレイになれば触るようになるかも。今のは繊細過ぎて、爪が当たっただけで傷が付きそう。」。そのうえで「ペンを使えるならちょっと欲しいです。」という声もあった。

ギズモード・ジャパンの記事は「最強のMacBook」と評価し、有機ELとタッチと薄さは「このMacBook Proでしか得られない」と書いている。

タッチが要らない人への答えは、すでにAppleが用意している。同じM5 Proで、タッチに対応しないミニLEDのMacBook Proは、42万9800円で売り続けられている。

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