40年仕入れてるけど、
こんな値は初めて
――エドノフーズの江戸野誠一郎社長
写真はイメージ Photo by Ben Wicks on Unsplash
銚子のサバ加工、約2割が倒産や廃業 国産に替える道はあるのか
千葉県銚子市で、サバを扱う水産加工業者の約2割が、倒産か、事実上、仕事を止めた状態になっている。NHKが8月7日に伝えた。原因は、原料の大半を占めるノルウェー産などの輸入サバの値上がりだ。
ノルウェーの枠が、半分になった
なぜ、そこまで上がったのか。銚子のサバ加工大手エドノフーズが、自社サイトで理由を書いている。2025年12月16日、ノルウェー・イギリス・フェロー諸島・アイスランドの4か国が、2026年の北東大西洋のサバの漁獲枠を9万9,010トンと決めた。前の年から52%減。日本向けの輸出は7万8,989トンで、前年の半分ほどと見込まれている。
値段は、そのまま上がった。日本経済新聞によると、輸入サバの単価は1年で7割上がった。エドノフーズの江戸野誠一郎社長は「40年買い付けしているがこんなに高いのは初めてだ」と話している。同じサイトには、400〜600gの冷凍サバ原料について、業者間の取引価格が1キロ950円から1,000円まで上がったと書いてある。
国産に替えれば、では済まない
輸入が高いなら、国産に替えればいい。報道でもよく出る見立てだ。日経は、サバ以外の新商品や販路の広がりに活路を探る動きを伝えている。
ところが、替える先も減っている。社会構想デザイン機構が農林水産省などの統計をまとめたところ、国産のサバ類の生産量は2014年の48万2,000トンから2024年の25万6,000トンへ、46.9%減った。産地価格は1キロ80円から147円へ、84.3%上がっている。量が減って、値が上がる。輸入とまったく同じ形だ。
足元の魚に替えた業者はいる
それでも、地元の魚で回している業者はある。銚子漁港の2024年の水揚げは14万6,548トンで全国2位。そのうち82.4%はマイワシで、サバは5.2%(約7,600トン)しかない。
銚子の宮澤食品は、銚子漁港で揚がったイワシやサバを、仕入れから加工まで自社でやっている。専務取締役の宮澤優太さんが自分で入札に出て、脂がのって鮮度のいいものだけを選ぶ。商品は、いわしのつみれや、三枚におろしたフィーレだ。市内では「入梅いわし祭」も十数年続いている。旭市で地魚料理店を営む渡辺義美さんが作った「熟成塩たれ」がきっかけで、2009年に特許も取った。
では、みんなイワシに替えればいいのか。そうもいかない。同じまとめによると、銚子に揚がるマイワシのうち、人が食べる分に回るのは36%。残りの64%は、養殖や漁業のえさになる。えさ用の魚を食品にするには、設備も売り先も新しく用意することになる。
国産に強かった店が、先に消えた
切り替えが間に合わなかった例もある。1977年にできた銚子の丸富斉藤は、不漁のサバからサンマへの切り替えが間に合わず、2026年2月18日付で破産開始決定を受けた。負債は約11億5,800万円。4月24日付では、サバやイワシ、サンマを扱っていたシバショウも破産開始決定を受けている。負債は約14億7,200万円だ。
銚子の阿尾商店は、国産サバの仕入れに強いと水産の専門紙で紹介されていた業者だ。北海道や岩手、九州で揚がったサバから、1匹500g以上の大きいものだけを選んで使っていた。6月5日には中小企業庁の事業継続力強化計画の認定も受けた。8月27日には、銚子市のふるさと納税で国産の塩さばが紹介されている。
国産サバに強いと紹介されていたその阿尾商店の破産手続きの開始が決まったのは、1か月後の9月28日だった。
中止が4公演。倉敷は、無事に終わった
徳永英明、喉の不調からツアー復帰
43万円の新型冷蔵庫、錆びて見える
Xで話題のアクア「AQR-DUX51B」
高校が遠くなると、
お金がかかる
――兵庫県で、1万3000筆の署名に出た声
- 千葉 銚子 輸入サバ高騰で加工業者の約2割が倒産や廃業状態に(NHK)
- 輸入サバ高騰 加工業者の約2割が倒産や廃業状態 千葉 銚子(NHK)
- サバ高騰、銚子の加工業直撃 輸入単価1年で7割上昇(日本経済新聞)
- サバ高騰が千葉県銚子市を直撃 加工業者の倒産急増、味噌煮遠のく?(日本経済新聞)
- 【水産業界ニュース】ノルウェー産サバの2026年漁獲枠が約半減(エドノフーズ)
- 銚子で水産加工業者の約2割が倒産か事実上の廃業(一般社団法人 社会構想デザイン機構)
- 【千葉】銚子の阿尾商店が破産 国産サバに強み(JC-NET)
- (株)阿尾商店|千葉県銚子市(東京経済ニュース)
- 不漁のサバからサンマへ切り替え間に合わず、銚子の水産物加工「丸富斉藤」に破産開始決定(東京新聞)
- 銚子漁港の水産物加工「シバショウ」に破産開始決定(東京新聞)
- 「入梅イワシ」が千葉・銚子の名物に きっかけは保存用の「熟成塩たれ」(時事ドットコム)
- 銚子の新鮮なイワシの味わいを食卓へ「宮澤食品」(魚のお持ち帰り)
- 【輸入サバ高騰】ノルウェーで漁獲枠が約半分“争奪戦”に 異例の豊漁でお得な魚も(YouTube)
あなたへのおすすめ よく読むカテゴリーから
こちらの記事も
下水道の補助金は出た。でも、
工事をする人がいない
――担当職員は24年で約2万人減った
八潮の陥没、遺族が1億2500万円を請求 下水道を直す人は足りているのか
選挙のお金は
自分たちで返せよ
――橋下徹氏が、交付金5.8億円に
議員1人の党に5.8億円 返せと言われたお金を待つのは、選挙の業者
国の仕事してたなんて、
知らなかった
――武部農相の事務所が、公示日に届いた30万円に
武部農相に公示日の30万円 同じ構図は萩生田氏や高市氏の支部にも
献金した会社が国の仕事を請けていたとは、
知らなかった
――武部農相の事務所が、30万円の献金を聞かれて