7人の席が、2人になった
これ、誰が動かすの?

――中国の、軍を動かす会議で

写真はイメージ Photo by Jakub Żerdzicki on Unsplash

11/4 10:48 / 発信国:台湾 / 記者:宮村

中国の軍トップ7人が2人に 台湾の学者「2027年の有事はむしろ遠のいた」

中国共産党の5中全会が10月29日、北京で閉幕した。決まったのは、中央委員と候補委員あわせて33人の党籍剥奪。うち16人が軍人で、元中央軍事委員会副主席の張又俠も入った。33人という数は、習近平体制で最も多い。ところが台湾の学者の読みは「2027年の台湾有事は、むしろ遠のいた」。日本で聞く話と逆じゃないか?

軍のトップは7人から2人になった

台湾の政治大学国際関係研究センターが10月30日に開いた座談会で、数字が並んだ。台湾大学の陳世民准教授によると、党籍を剥奪された33人のうち16人が高級将官、7人が軍需産業の幹部。上将のポストは40近くあるのに、残るのは6人。張又俠の席は、調べを受けてから9か月、空いたままだという。国防安全研究院の揭仲・委任副研究員は、今期の中央委員のうち規律の問題で減ったのは96人、26%だと数えた。

北京の人民大会堂の外観
写真はイメージ Photo by Dominic Kurniawan Suryaputra on Unsplash

中央軍事委員会は、もともと7人いた。そこから5人が消え、今回も補充されなかった。残るのは習近平と、軍の規律を見てきた張升民だけだ。経済学者の呉嘉隆はSNSで、軍の「調動、作戦、演習、指揮通信系統」などが「誰も管理していないのと同じだ」と書いた。座談会でも「2027年の建軍100年の目標は大幅に遅れる」という声が出た。今後3〜4年は内部の立て直しが中心で、短期で台湾に手を出す確率は下がる、という読みだ。

圧力が消えた、とは誰も言っていない

米軍側は2027年への警戒を解いていない。台湾の大陸委員会の沈有忠・副主任委員も11月2日、中国が内側の矛盾を外に向け、台湾への圧力を強めうると話した。軍用機や軍艦、海警船による日常的な威圧と、年末の選挙への介入を挙げている。座談会の学者も、軍の中で政治学習が優先され、将官が強硬なほうを選びやすくなるぶん、偶発的な衝突の危険は上がると見る。下がるのは「大きな戦争」の確率だけだ。

海上を進む巡視船
写真はイメージ Photo by Jack Irving on Unsplash

ネットの評判

中国語のニュースサイトでは、空席の多さに驚く声が目立つ。「大清洗程度堪比史達林」(大粛清の程度はスターリンに並ぶ)という書き込みが紹介された。呉嘉隆の投稿も広まり、台湾のメディアは「習近平は台湾を打つのを放棄したのか?」という見出しで取り上げている。断定ではなく、疑問形だ。

軍事委員会にいつ人が入るのかは、今回の発表では分からない。第21回党大会は2027年に開かれる。その前に空席が埋まるかどうかが、次の見どころだ。

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