売るのは、もうやめます。
買った人はどうなるの?

――返金の窓口は、まだ出ていない

写真はイメージ Photo by Erys Shape on Unsplash

10/30 16:22 / 発信国:中国 / 記者:工藤

サンリオが「VIVANT」コラボを中止 中国の批判のあと、買った人の返金は?

ハローキティが、真っ黒に日焼けして砂漠に立っている。日曜劇場『VIVANT』とサンリオキャラクターズのコラボ商品「乃木ティ」だ。7月3日の昼12時からTBSショッピングで売り出され、東京駅のキャラクターストリートには7月16日まで期間限定のショップも出た。そのぬいぐるみが、10月28日の夜に消えた。

まず、何が起きたか。サンリオの中国法人「三麗鴎(上海)国際貿易有限公司」が28日の夜、中国のSNS・微博(ウェイボー)でコラボの中止を発表した。翌29日、日本の株式会社サンリオも公式サイトに同じ内容を出した。「本コラボレーションに関連するコンテンツにつきまして、サンリオの企業理念にそぐわない表現が含まれていると判断し、すべての取り組みおよび今後の展開、プロモーション活動を中止することを決定いたしました」。商品だけでなく、企画も宣伝も全部やめる、という話だ。

消えたのは、ドラマではなくぬいぐるみ

なぜそんなことに。きっかけは、ぬいぐるみではなくドラマ本編だった。10月4日に放送された第2シーズンの回で、中国系の秘密情報組織「シンシー」が、別班の人物の右手の指を全部切り落とし、刃物で腹や胸を傷つける場面が流れた。

商品がなくなった店の棚
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中国の国営放送CCTVは、この描写を「侵略してきた日本軍が用いた拷問方法と酷似している」と非難した。10月26日には環球時報が「ハローキティは日本の右翼と手を組むべきではない」とする社説を載せた。社説は、サンリオの「みんななかよく」という理念が第二次世界大戦の経験からできたものだと書いたうえで、このコラボはその理念に反すると批判した。

ここは、確かに刺さる話だ。「みんななかよく」は、創業者の辻信太郎氏が1945年の甲府空襲で戦争の悲劇を目にしたところから来た言葉だと説明されてきた。中国側は、その由来をそのまま突き返した形になる。環球時報は、サンリオの中国事業の収入が前年同期比で4割以上伸びていることにも触れ、「反中コンテンツに協力すれば、売り上げに加え長年築いた信頼も損なわれる」と書いた。中国での売り上げは2026年上半期で7億8100万元、日本円で185億円ほどだという。

買った人の返金窓口は、まだない

では、7月に買った人はどうなるのか。サンリオの発表は「現在、必要な対応を速やかに進めております」と書いているだけで、返金の窓口は出ていない。

スマホで買い物をする手元と荷物
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中国の買い物情報サイト「什么值得买」は、返せるかどうかは買った経路で変わる、と整理している。中国国内の通販で届いて7日以内、未開封なら返品できる可能性がある。日本のTBSショッピングで買ったものは、商品ページがすでに消えていて、不良品でなければ返品は難しい。代理購入や中古アプリ闲鱼で買ったぶんは、売り手の判断次第。「コラボが中止になった」こと自体は、法律上の返品の理由にはならない、とも書いている。その闲鱼には、いまもこのコラボ商品の出品が並んでいる。

第2弾も消えた。オルタナによると、10月25日に発表される予定だったという。

ネットの評判

中国の微博では、批判の声が主流だ。「中国を侮辱している」「中国脅威論を誇張している」という指摘が広がり、関連する話題は1,422万5,000回読まれたと報じられている。ファンの側からは、ハローキティやマイメロディは温かく仲のいいイメージで親しまれてきたのに、争いのある作品と組むのは期待に反する、という声が出ていた。一方で、謝罪が最初は中国向けにしか出ず、日本の本社のサイトに出たのは翌日だったことを、対応の使い分けだと見る指摘もあった。

日本のXでは、戸惑いの声が目立つ。「サンリオのキャラも好きだし、VIVANTの視聴勢でもあるので、今回の騒動は複雑」「そもそも非暴力平和第一主義のサンリオとVIVANTってコンテンツ同士の相性微妙すぎる」といった書き込みが紹介されている。

ドラマは、いまも日曜の夜9時に放送が続いている。中止になったのは、キティのぬいぐるみのほうだ。

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出典

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