名前がかぶってるだけで
そんなに怒られる?

――ペテルズバーグの元小学校教師、ダニエル・J・サリバン・ジュニア

写真はイメージ 撮影 William Murphy/CC BY-SA 2.0(ウィキメディア・コモンズ)

11/3 19:10 / 発信国:アメリカ / 記者:宮村

アラスカ上院選の同姓同名候補、本人は「メアリーと話したことはない」

アラスカ州の投票用紙に「ダン・サリバン」が2人並んでいる。11月3日が投票日のアメリカ連邦上院選だ。1人は現職の共和党、ダン・S・サリバン上院議員。もう1人は南東部ペテルズバーグの元小学校教師、ダニエル・J・サリバン・ジュニア。血のつながりはない。

10月28日、ニューヨーク・タイムズが報じた。民主党のメアリー・ペルトラ前下院議員の陣営とDSCCが、現職と同じ名前の人を探していた、という元選対責任者の証言だ。ペルトラ氏は「有権者をだますことに興味はない」と否定した。

本人は「メアリーと話したことはない」

では、本人は何と言っているのか。地元紙ペテルズバーグ・パイロットには、出馬の理由を「もう我慢できない、という瞬間」が重なったからだと話していた。現職の12年で町が良くなった実感がない、と。ペルトラ陣営との関係については「メアリーと話したことはない。だれに話せばいいのかも分からない」と語った。有権者が混乱しないかと聞かれると、元教師らしく、候補者情報のパンフレットは読めるはずだと答えた。ただ、2022年と2024年にペルトラ氏へ合わせて130ドル(約2万円)を寄付した記録は残っている。

アラスカの漁村の港に並ぶ漁船
写真はイメージ 撮影 James Brooks/CC BY 2.0(ウィキメディア・コモンズ)

不正なのか、まだ分かっていない

同じ名前の候補で票を散らすやり方そのものは、アメリカではおおむね合法だと、ファクトチェック団体のFactCheck.orgは整理している。アラスカは順位付け投票だから、1位を間違えても2位に現職を書けば票は届く。10月28日の夜、ダンリービー知事が州の調査を指示した。司法省は大陪審の召喚状を出した。起訴された人はまだいない。元教師本人は、報道後の取材に応じていない。10月28日にアンカレジ行きの便に乗ったのを元生徒が見たあと、所在が分かっていない。

ネットの評判

トランプ大統領はSNSで「これは選挙詐欺だ」と書き、ペルトラ氏の出馬を認めるべきでないと主張した。共和党のリサ・マーコウスキー上院議員もXで、アラスカの人たちは正直な真実を聞くに値すると訴えた。一方、アラスカ・パブリック・メディアが有権者に聞いた声は割れている。アンカレジの無党派の男性は、2人を取り違えるなんて「ばかばかしい」。ペテルズバーグの住民は「彼が全国規模の陰謀に関わっているとは思えない」と話した。

司法省は10月22日、現職が負けたら選挙結果の承認を止めるよう求める訴えも起こしている。ペルトラ氏が勝った場合、この訴えがどう扱われるか。そこが次の焦点だ。

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