ハローキティが、VIVANTから降りた

サンリオ×TBS「VIVANT」コラボ中止

10/29 17:47 / 発信国:日本 / 記者:工藤

ハローキティ、「VIVANT」コラボ中止 中国の批判から一日で日本でも

サンリオが10月29日、公式サイトで、TBS系の日曜劇場「VIVANT」とのコラボをやめると発表した。ハローキティやマイメロディに、ドラマのスパイの衣装を着せたぬいぐるみ。6月に発表し、7月から売っていた商品だ。

発表文はこうだ。「サンリオの企業理念にそぐわない表現が含まれていると判断し、すべての取り組みおよび今後の展開、プロモーション活動を中止することを決定した」(原文ママ)。前日28日の夜には、中国法人が微博(ウェイボー)で先に中止を知らせていた。中国の発表から、日本まで一日だった。

なぜそんなことに?

中国が問題にしたのは、拷問の場面

ドラマの続編に、中国系の組織「シンシー」が、自衛隊の非公認の部隊「別班」の隊員を拷問する場面がある。指を切り、刃物で刺す。中国国営の中央テレビが10月25日、旧日本軍が中国人に使った手口を、いまの中国人に置き換えたものだと批判した。

10月28日には環球時報が「ハローキティは日本の右翼と手を組むべきではない」という社説を出した。サンリオの中国事業は2026年上半期に7.81億元の収入、前年より4割以上の伸び。その数字を挙げ、中国市場を大事にするなら行動で示せと迫った。

TBSは、どう答えたのか。龍宝正峰社長は10月28日の記者会見で「特定の国家をおとしめたり、民族対立をあおったりする意図は全くない」と話した(原文ママ)。作品は「完全なフィクション」だとも説明した。放送は止めていない。

矛先が向いたのは、放送を続けるTBSではなく、中国で売り上げを伸ばしていた取引先だった。ジャーナリストの高口康太氏は、商売のいちばん弱いところを突く形で、矛先がほかのコラボ相手やスポンサーにも及びうると書いている。

ネットの評判

中国の微博では、中央テレビの投稿が話題の1位になり、「#サンリオ、中国を中傷する日本のドラマと再びコラボ#」(訳)がトレンドに入った。日本のXでは、中国出身という投稿者が、スパイ役の中国語について「発される中国語が非常に片言で、到底聞いていられないレベル」と書き、その投稿が広がった(原文ママ)。返信には「日本人から見てもリアリティに欠ける」と同調する声と、「嫌なら見なければいい」と突き放す声が並んだ。

「屈した」の外にあった心配

中国メディアが動く前から、国内でも暴力の描き方に心配が出ていた。BPOの青少年委員会は9月、この続編を取り上げた。午後9時からの放送であることや、子どもへの影響を心配する視聴者の意見が届き、委員からも「銃撃されて血が飛び散ったり、暴力を受けた側の顔面の特殊メークが誇張されたりしていて、より残酷に見えたと思う」という声が出た(原文ママ)。

中国の反発にも一理あると見る日本の視聴者は、ここに近い。国の言い分としてではなく、描写が行き過ぎだったのでは、という見方だ。数は多くない。

すでに売られたぬいぐるみをどうするのかは、10月29日の時点で分かっていない。サンリオは、今後のコラボでは確認の体制を強めるとしている。7月にぬいぐるみを買った人の家には、スパイの衣装を着たハローキティが、まだ残っている。

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