あなたはどっち ITスキル

使わないかもしれない備え、買う?

場面と、二人の言い分
  1. ネットにつながっていないパソコンの中に、ウィキペディアや地図、教科書、それにAIまで丸ごと入れてしまう無料のソフトが配られています。名前はProject NOMADで、値段は0円です。同じことをする市販の箱が3万1000円から11万円する一方、海外の技術者からは、停電しているときに貴重な電池を使ってAIを動かすのかという懐疑の声も出ています。
  2. 「非常時の備えって、使わずに済んだらそれがラッキーじゃん」
  3. 「使わなかった物はただのゴミ。無駄としか思えないし」

どっちの味方?最初の印象で選んでください。

先に備える派 の言い分

台所の下の扉を開けると、水のケースと乾電池の箱、カセットコンロが積んであります。月に一度、期限の近いものを手前に出して、古いほうから普段の料理やテレビのリモコンに回していきます。紙の地図も一枚、玄関の棚に入れてあります。家族には、また並べ替えてるのかと笑われますが、こればかりは譲りません。
子どものころ、台風で一晩、家の電気が消えたことがありました。懐中電灯を出したら電池が切れていて、母が手探りでろうそくを探しに行きました。あの真っ暗な台所の匂いを、いまでも覚えています。買いに行けばいい、という言葉は、買いに行ける日にだけ通じる言葉です。
本音を言えば、何も置いていない人は、いざという時にうちへ来るのだろうと思っています。実際、停電した夜に、隣の人が電池を分けてほしいと言って来ました。断りませんでしたし、これからも断りません。ただ、誰かが先に手を動かしているから、何も置かない暮らしが成り立っているのだとは、知っておいてほしいのです。

相手へ:その時に走った店の棚に、何か残っていますか。実際に出た声 「ネットを切られる国での使い道」

その時に買う派 の言い分

うちの押し入れには、布団と扇風機しか入っていません。非常用の箱も、手回しのラジオもありません。その代わり、米と水とトイレットペーパーは、いつも少し多めに買ってあります。切れそうになったら買う、それだけです。棚をひとつ、使うかどうか分からない物のために空けておく気は、もうありません。
一度は買ったのです。防災の一式を箱で頼んで、玄関に置きました。段ボールを開けたのは最初の日だけで、気づいたら何年も触らないまま、中の水は期限が過ぎ、ラジオに入れたままの電池は液漏れしていました。捨てる日に思ったのは、自分は安心を買ったのではなく、ゴミを先払いで買ったのだということです。引っ越しのたびに運ぶ荷物も、部屋の家賃も、タダではありません。
本音を言えば、備えている人の半分は、趣味でやっているのだと思っています。並べて、入れ替えて、写真を撮って。悪いことだとは言いません。ただ、何も起きない毎日のほうが圧倒的に長いのに、その毎日の暮らしの場所を、使うか分からない物に明け渡すのは、私には向いていないのです。

相手へ:使わないまま捨てた物は、これまで何個ありましたか。実際に出た声 「larping as a prepper」

どちらにも呼ばれない立場 置き場所がない人

ワンルームに住んでいて、押し入れもベランダもありません。箱を買うお金がないのではなく、置く場所がないのです。多めに買うにも、冷蔵庫と流しの下が限界です。備えるか備えないかの前に、置ける人と置けない人がいます。

言い分は、世間の声をもとに編集部が脚色したものです。実際の発言と出典は、元ネタの記事にあります。

元ネタを読む →Project NOMADは日本語で使える? 無料のオフラインAIサーバー

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