あなたはどっち 健康

希望を配るか、数字を守るか

場面と、二人の言い分
  1. 中国の病院チームが、がんの腫瘍に鉄を直接注射する試験の結果を公表しました。注射を受けたのは19人で、中国のSNSでいちばん広まった数字は「病勢制御率84.2%」でした。ただ、腫瘍が小さくなった人の割合は別に出ていて、腫瘍の様子をみていた期間は最短で1か月です。
  2. 「希望まで取り上げるのか」
  3. 「その希望、正確じゃない」

どっちの味方?最初の印象で選んでください。

期待したい派 の言い分

母の点滴の横で、夜中までスマホを握ってるのは、正しい数字を探すためじゃないんです。もう次の手はないと言われた人間に、何を読めって言うんですか。腫瘍が止まっただけの間、うちは普通に台所を使えた。その時間を、たまたまですよね、と言われたら黙るしかない。慎重に、と言う人は、だいたい明日の予定が普通にある人です。期待くらい、させてください。

相手へ:正確さは、今夜眠れない人の何を救うんですか

数字を読む派 の言い分

さびる、と言い換えた瞬間に、話が別のものになったでしょう。84.2%のうち、腫瘍が小さくなった人はごく一部で、あとは大きくならなかった人です。しかも見ていたのは、短い人でひと月。私の父は、見出しを信じて、効くと言われた話に貯金を回しました。あのとき誰かが、数字の中身を一回だけ読み上げてくれていたら。希望を消したいんじゃない、嘘の形をした希望を渡すなと言ってる。

相手へ:一本打てば治ると思ったまま、待てますか実際に出た声 「さらに第2相試験での検討を支持する」

どちらにも呼ばれない立場 打つ手が少ないと言われた側

期待する側にも、警戒する側にも入れてもらえない。すでにいくつも治療を受けて、ほかに手が少ないと言われた人間にとって、止まっただけでも意味はある。その話が、他人の議論の材料として飛んでいくのを、黙って見ています。

言い分は、世間の声をもとに編集部が脚色したものです。実際の発言と出典は、元ネタの記事にあります。

元ネタを読む →中国の「がん細胞をさびさせる」注射、84.2%は治った率ではない

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