未経験の仕事、手を挙げる?
- 営業や事務をやってきた社員を、3か月の研修でAIのシステムを作るエンジニアに変える、という話です。2026年10月15日、みずほフィナンシャルグループが発表しました。グループの中で希望者を募り、転換する社員を10年以内に数千人まで増やすと伝えられています。
- 「席がなくなる前に、動く」
- 「腕があれば、席は向こうから来る」
どっちの味方?最初の印象で選んでください。
あなたが味方した 手を挙げる派 の言い分
社内の募集メールが届くと、中身を読む前に、まず締め切りの日を見ます。できるかどうかは、手を挙げてから考えます。新しい部署の説明会には、ほとんど毎回、顔を出しています。
こうなったのは、前の職場で一度見送ったことがあるからです。社内に新しい部署ができたとき、わたしは「今の仕事で手が離せない」と言って、応募しませんでした。手を挙げた同僚は、半年後には別の建物で、別の肩書きで働いていました。わたしの席は、そのまま残りました。席は残ったまま、仕事の中身だけが、少しずつ外へ出ていきました。わたしは、だれかが引いた線の内側に座って、その線が動くのを見ていただけでした。
持ち場を極めるのが立派だ、という話は分かります。ただ、極めた先にその仕事が残っているかを決めるのは、わたしではありません。手を挙げた人は、次にどこへ行くかを自分で選べる側に移ります。待っている人は、呼ばれた日に断れません。わたしは、断れない側にはもう戻りたくないんです。
あなたが味方した 持ち場を守る派 の言い分
朝、だれよりも早く席につくと、前の日に途中でやめた作業が、そのまま目の前にあります。わたしはこの仕事を長くやってきました。お客さんの名前と、込み入った事情と、電話が鳴りやすい時間まで覚えています。社内の募集メールは、読んで、そのまま閉じます。
実家が小さな町工場でした。父は同じ機械を何十年も触っていて、調子の悪い日は音だけで分かる人でした。流行りの機械に乗り換えた同業は、次の流行りが来たときに、また乗り換えていました。そのうち、何ができる工場なのか、だれにも説明できなくなっていました。父の工場には、最後まで、父に頼みたいという客が来ていました。
研修に行く人を、止めはしません。ただ、3か月で覚えられたことは、だれでも3か月で覚えられることです。わたしが辞めた日には、わたしの持ち場で、必ずだれかが困ります。替えがきかないというのは、肩書きの話ではありません。机の上に積み上がった、わたしの仕事の話です。
どちらにも数えられない立場 研修の途中で離れた人
手を挙げた人と、挙げなかった人の話ばかりです。わたしは挙げて、途中で離れました。戻る席があるのか、給料はどうなるのか、だれも教えてくれません。選ぶ前に聞きたかったのは、そこでした。
理由を聞いた今、もう一度選ぶ
言い分は、世間の声をもとに編集部が脚色したものです。実際の発言と出典は、元ネタの記事にあります。
元ネタを読む →みずほが営業と事務から数千人をAI開発者に変える。2月は、事務の行き先が「営業」だった