なんでこんな伝わり方に
なるんだろう?

――フランスに50年住むジャーナリストが、日本の報道に

写真はイメージ Photo by Utsav Srestha on Unsplash

11/6 12:05 / 発信国:フランス / 記者:工藤

フランスのデモ、なぜ日本の報道は違う? 現地50年のジャーナリスト「暴徒化ではない」

フランスで11月5日、物価高に抗議する全国一斉のストライキとデモがあった。参加した人の数は、内務省の集計で57万5,000人。一方、労働組合のCGTは「160万人近い」と発表した。同じ日の、同じデモで、3倍近い差がある。

どの数字を見出しに置くかで、記事の見え方は変わる。ただ、現地に住む日本人ジャーナリストが引っかかったのは、言葉のほうだ。

「デモが暴徒化した」は違う
デイリー新潮の10月31日の記事で、フランスに50年以上住むジャーナリストの広岡裕児氏が「どうして日本ではこんな報道になってしまうんだろう……」と書いた。10月17日に全土で約55万人が集まったデモの話だ。日本を含むフランス国外のメディアは「デモが暴徒化した」と伝えたが、それは違うという。「デモと暴動は全く別の現象」だからだ。

広岡氏によると、店を襲ったのはパリ郊外の団地に住む若い世代で、組織だった動きではなく、面白そうだと集まってきただけだという。暴徒と移民を結びつける報道も間違いだと指摘した。ただ、この内訳は広岡氏の見方で、公的な集計は見つからなかった。

日本の報道と、デモを始めた側
産経新聞は10月31日のデモを「デモ隊の一部が暴徒化し、560人以上が身柄を拘束された」と書いた。5日も448人が拘束され、警官53人がけがをした。

一方、抗議する側の訴えは地味だ。始めたのは高校生で、9月のことだった。校舎が傷んでいる、先生が足りず休むと授業がなくなる、という話だった。5日は賃金や予算の話も加わった。エッフェル塔も閉まった。

ニュースを映すテレビの画面
写真はイメージ Photo by Brad Weaver on Unsplash

ネットの評判
感想を付けてニュースをためるはてなブックマークでは、広岡氏の記事に128件が付き、受け取り方は割れた。デモと破壊は分けて考えるべきだと納得する声がある一方、日本では珍しい出来事だから壊れた場面が報じられるのは当然だ、という声もある。記事そのものが、壊れた場面が流れる理由を示している、という指摘もあった。

11月6日の時点で、NHKは5日のデモで高校の火災など混乱もあったと伝えている。ルコルニュ首相は、賃金をめぐる労使の会議を月曜に開くと決めた。そこで何が出るかが、次の焦点だ。

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