国産のサバに替えれば
いいんじゃないの?
――国産に替えられない理由は2つ
写真はイメージ Photo by Sam Farallon on Unsplash
銚子のサバ加工業者、2割が倒産か廃業 国産サバは約半分がエサ用
千葉県銚子市で、サバの水産加工業者の約2割が、倒産か事実上の廃業の状態になっている。NHKが2026年8月7日に伝えた。原料の大半を占めるノルウェー産などの輸入サバが値上がりし、採算が合わなくなったためだ。
銚子は、サバの加工で知られる町だ。塩サバ、しめサバ、サバの缶詰。スーパーの魚売り場に並ぶあのサバの多くが、この町の工場を通ってくる。その工場が、5軒に1軒の勘定で止まった。
値上がりは、4か国の会議から始まった
なぜそんなに上がったのか。きっかけは、ノルウェー側の決定だ。
2025年12月16日、ノルウェー、イギリス、フェロー諸島、アイスランドの4か国が、2026年のサバの漁獲枠を前年から約半分に削ると決めた。銚子の加工会社エドノフーズが、自社サイトでそう伝えている。もとをたどると、ICESが、サバの資源量が安全とされる水準を下回ったと警告していた。
値段はすぐ動いた。日本経済新聞は2026年5月29日、輸入サバの単価が1年で7割上がったと伝えた。その記事で、エドノフーズの江戸野誠一郎社長はこう話している。「40年買い付けしているがこんなに高いのは初めてだ」。水産学者の勝川俊雄さんによると、2026年1〜8月に日本へ入ったノルウェー産の冷凍サバは前年より約6割少なく、単価は1キロ約790円まで上がった。400〜600グラムの冷凍原料が1キロ950〜1,000円という値も、エドノフーズのサイトに出ている。
「国産に替えればいい」が通らない
ここで、たいていの人が同じことを思う。国産に替えればいいのでは。
ところが、現場はそれができない。理由は2つある。
1つは量だ。国内のサバ類の水揚げは、2014年の約48万トンから2024年の約26万トンへ、10年でほぼ半分になった(農林水産省の統計)。銚子漁港のサバも、2021年ごろの約10万トンから、直近は7,500トンほどに落ちている。国産も不漁で高い、と日経は書いた。市場の仕入れ値が1本400〜500円から1,000円超になった、という数字も出ている。
もう1つは中身だ。Fisk Japan代表の片野歩さんは、日本で年に数十万トン獲れるサバのうち約半分は食用として流通しないと書いている。小さくて脂の乗りが悪く、売り物になりにくいからだ。残りの多くは養殖魚のエサに回る。日本人が食べるサバの半分以上がノルウェー産なのは、好みの問題ではない。塩サバやしめサバにできる大きさと脂のある魚が、国内ではそろわないのだ。
では、なぜ国産は小さくなったのか。勝川さんは、日本のサバにも漁獲枠はあったが、実際に獲れる量を大きく上回る水準に決められ、資源管理として働いてこなかったと書いている。2021〜2024年度の漁獲は、枠の2〜5割にとどまった。枠はあったが、ブレーキにはならなかった。卵を産む親の魚が少ないので、仮に増え始めても戻るのに長い時間がかかる、とも指摘している。
ちなみに店頭のサバは、100グラムあたり154円(2025年3月)から169円(2026年3月)へ、約1割の上げ幅だった(片野さんの記事)。輸入単価が7割上がった話とは別の数字だが、並べると、上がった分の多くが店頭まで届いていないことになる。そのあいだを、誰が埋めているのか。
ネットの評判
サバの高騰を伝えた勝川さんの記事には、はてなブックマークが237件付いている。目立つのは、ノルウェーの判断を評価し、日本の資源管理を責める声だ。「鯖好きだけど資源維持の観点からはこれをやるしかない」「漁獲枠がガバガバで驚いた」「水産庁ってちゃんと仕事してるのか?」といった書き込みが並ぶ。
一方で、別の魚に移るしかないという声もある。「獲れない魚を思い続けるより獲れる魚に適応していくしかない」「もう身欠きニシンにシフトしているから大丈夫」。暮らしの実感を書く人も多く、「生協のノルウェー塩サバ切り身の価格が1.5倍になっててビビった」「鯖缶がどんどん値上がりしているのはこれが理由か〜」という投稿もあった。加工業者そのものに触れたコメントは、ほとんど見当たらない。
勝川さんは、産地の加工業者が2割も倒れたことについて、「人も設備も簡単には戻らない」と書いている。サバが海に戻ってきたとき、それを塩サバにして店に並べる工場が、銚子にもう残っていないかもしれない。
うちのソース付けて食うわ
日本人は何も言えんやろ
――フランスから投稿した人が、日本人に
残ったのは、高い席ではなかった
Number_i札幌ドームの空席報道
何もない田舎の風景
それでも300人が見ている
――岩手・遠野、田んぼの神社の24時間配信
- 輸入サバ高騰 加工業者の約2割が倒産や廃業状態 千葉 銚子(NHK、2026年8月7日。見出しとリード文のみ閲覧可)
- サバ高騰が千葉県銚子市を直撃 加工業者の倒産急増、味噌煮遠のく?(日本経済新聞、2026年5月29日。無料公開部分)
- 【水産業界ニュース】ノルウェー産サバの2026年漁獲枠が約半減(エドノフーズ=銚子市の水産加工会社)
- これから食べられなくなるサバ――国産も輸入も減っている(勝川俊雄、Yahoo!ニュース エキスパート)
- なぜ日本のサバは「小さくてイマイチ」になったのか…半数以上が「養殖魚のエサ」にしかならない(片野歩、PRESIDENT Online)
- サバの価格高騰が止まらない…ノルウェーが獲らない「小さすぎる魚」まで獲りまくる日本のヤバさ(片野歩、東洋経済オンライン。冒頭部分)
- 食卓からサバが消える日…ノルウェー漁獲枠5割減と国内不漁の危機(PR TIMES)
- 銚子で水産加工業者の約2割が倒産か事実上の廃業(社会構想デザイン機構。農林水産省統計・銚子市水産課資料を引用)
- はてなブックマーク(勝川俊雄氏の記事、237users。コメント本文を確認)
- 【サバ高騰】もはや高級魚…逆転現象も 塩焼き・缶詰・名物も値上げ 代わりなるか?「ニシン」に脚光(YouTube。本文に埋め込み)
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