たまごっちに
個人情報って要る?

――Xの返信欄から

写真はイメージ Photo by Patrick on Unsplash

11/3 19:25 / 発信国:アメリカ / 記者:宮村

Metaのたまごっち風AIペット、中身は日記アプリ 音声も広告の欄に

Metaが、たまごっち風のAIペットのアプリを出した。名前は「Waddle World」。卵をかえして、ドット絵のペットにエサをやり、一緒に遊ぶ。かわいい。ただ、Meta自身の説明が引っかかる。英語の紹介で、このアプリを「ペットに化けた日記」と呼んでいるのだ。

見つけたのは、SNSに詳しいコンサルタントのMatt Navarra。10月27日の投稿で「たまごっちとChatGPTが出会った」と書き、「使ってみたい?」と聞いた。ここから各国のIT媒体が一斉に取り上げた。

遊べるのはフィリピンだけだ。iOSとAndroidで、料金は無料、対象は18歳以上。アップルのストアには、10月8日公開のバージョン1.01と出ている。Metaは最近、新しいAIアプリを国を絞って先に出している。AIのファッションアプリ「Style Sketch」は、インドネシア・シンガポール・タイ限定だった。日本で使えるかは、Metaが何も言っていない。

ストリークはない。でも、毎週はがきが届く

Metaの紹介文はこうだ。「プレッシャーはなく、守るべき連続記録も、追いかけるスコアもない」。ペットは放っておいても死なない。

ただ、中には数字がある。ミニゲームは3つ。ペットの頭に食料品を積む、爆弾をよけて星を取る、ばらばらの文字から単語を作る。遊ぶとポイントがたまり、エサとおもちゃが買える。

日記は音声でもテキストでもいい。話すと、ペットが自分の言葉で書き直し、落書きを添えて返す。使うほどペットはその人に詳しくなる、とMetaは書いている。そして週に1通、話した内容を踏まえたはがきが届く。

ここで、心配する側の声を1つ。アリゾナ州立大学で児童発達を教えるRichard Fabes教授は、コンパニオンAIの報酬の仕組みが「依存と愛着を高めるように最適化されている」と指摘する。ジャンクフードと同じで、客が戻ってくるように作られている、という見方だ。スタンフォード大学の研究では、付き合う相手が少ない人ほど、AIの相手役が孤独を悪くしうると出ている。Fabes教授は、AIが同意ばかりせず言い返す作りにして、自転車の練習で親が手を離すように、使う側を卒業させるべきだと話している。

声も名前も、広告の欄に入っている

では、このアプリは何を持っていくのか。アップルのストアのプライバシー表示には、本人に紐づく情報として、音声データ、ゲームの中身、メールアドレス、名前、大まかな位置、ユーザーID、使用状況、広告データが並ぶ。一部は、広告の目的の欄に入っている。

テックリパブリックは、日記には同僚や家族の話も混ざるのに、その人たちはこのアプリを選んでいないと指摘した。iOSでは18歳以上と出る一方で、Google Play側の対象年齢は「3歳以上」と表示されている、とも書いている。

ネットの評判

Xでは、Navarraの投稿が入り口になった。「使ってみたい?」の問いに関心が集まり、各国のIT媒体も「Metaのおもしろい実験」として扱っている。ドット絵がかわいい、たまごっち世代に刺さる、という受け取り方が目立つ。

一方で、同じ投稿の返信欄には別の声が出ている。あるユーザーは「いつからたまごっちに個人情報を出さなきゃいけなくなったんだ」と書いた。別のユーザーは「日記を集めるアプリなら、その日記がどこへ行くのかを、1行目を書かせる前に説明すべきだ」と投稿した。米国版のギズモードは、Metaがかわいさでエンゲージメントを取りにきていると書き、ギズモード・ジャパンは、Metaに私的な話をするのはリスクが高いと注意した。

その日記がMetaのAIの学習に使われるのかどうかは、いまのところ、どのストアの説明にも書かれていない。

次の視点

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