無料のアプリに、
またお金かかるの?

――無料のKeynoteに、会員だけのAI

写真はイメージ Photo by Nejc Soklič on Unsplash

10/29 15:47 / 発信国:アメリカ / 記者:工藤

アップル、無料のKeynoteに付くAIは月1,780円の会員だけ

アップルが10月27日、定額サービス「Apple Creator Studio」の大きな更新を発表した。11月にApp Storeで配られる。目玉のひとつが、Keynote・Pages・Numbersに入る「インテリジェントアシスタント」だ。スライドの構成やデザイン、文章の書き直し、表の整理をAIに任せられる。アプリ自体は無料なのに、使えるのは月1,780円の会員だけ。え、そこは有料なんだ。

Creator Studioは2026年1月に始まった定額サービスだ。Final Cut Pro、Logic Pro、Pixelmator Proなどがまとめて使える。日本では月1,780円、年でまとめて払うと1万7,800円。学生と教職員は月480円。すでに入っている人は、11月の新機能を追加料金なしで使える。

無料アプリのいいところが、会員の側に移った

Keynote、Pages、Numbers、フリーボードは、これまでどおり無料のままだ。アップルの公式ページにも、4つは無料と書いてある。ただ、そこに付いてくるプレミアムのテンプレート、使っていい写真やイラストの倉庫、そして今回のAIアシスタントは、会員だけのものになる。外のAIに資料づくりを任せられるMCPへの対応も、同じ側に入った。

1月の発表のときも、同じ線が引かれていた。ITブログのgori.meによると、Final Cut Pro、Pixelmator Pro、Keynote、Numbers、Pages、フリーボードの6つで、一部の新機能が定額会員だけに回された。Logic ProとMainStageは例外で、買い切りでも全部の機能が使えるという。なぜこの2つだけ違うのか、アップルは説明していない。

5万円で買った人には、何が来るのか

スクリーンに映したプレゼン資料
写真はイメージ Photo by Teemu Paananen on Unsplash
机の上に置かれた財布と小銭
写真はイメージ Photo by Emil Kalibradov on Unsplash

Final Cut Proは、いまも買い切りで売っている。日本では5万円。Logic Proが3万円、Pixelmator Proが8,000円だ。

今回の更新でFinal Cut Proの主役になるのは、MotionVFXの素材がまるごとアプリに入ることだ。テンプレート、タイトル、トランジション。切り抜きや追尾、色の調整の道具も付く。アップルの発表文は、これを「加入者に」届けると書いている。では、5万円を払った人には何が来るのか。アップルは、そこをはっきり書いていない。ITブログのとなりずむも、買い切り版に届くものと届かないものが分からないままだと指摘している。

ネットの評判

値段そのものは、おおむね歓迎されている。ギズモード・ジャパンは見出しに「神コスパ」と付け、Adobe Creative Cloudの月額9,080円と並べて、6分の1ほどで済むと書いた。学生向けの月480円は、コーヒー1杯より安いという言い方もされている。

一方で、買い切り派の反応は冷たい。gori.meは「大悲報」と書き、海外のフォーラムから、アップルのこのやり方には乗り気になれないという声を紹介している。となりずむが引いた海外の書き込みには、来年何が手に入らないのか分からないまま買わされるのは誤解を招く、という声がある。買ったアプリを見捨てるのではないか、という心配も並ぶ。説明が長いこと自体が怪しい、という指摘もあった。

そして、払えばすぐ使えるわけでもない。Keynote・Pages・NumbersのAIアシスタントは、まだベータで、米国英語にしか対応していない。動かすにはiOS 27、iPadOS 27、macOS 27以降と、Apple Intelligenceに対応した機種が必要だ。つまり、日本で11月に月1,780円を払っても、Keynoteのアシスタントは日本語を話してくれない。

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