もし妊婦じゃなかったら
失礼だし…
――優先席で、声をかけられずにいた人が
写真はイメージ Photo by Jong Hyuk Lee on Unsplash
妊婦のTikTokに8200件「なぜ私の問題に?」譲らない側の言い分
「妊婦に対する礼儀正しさはもう存在しないんだろうね」。満員電車で立つ自分を撮影し、この一文を載せてTikTokに投稿したのは、妊娠32週のフランキ・バルトリさんだ。キャプションは「一人も申し出てくれなかったなんてまだ信じられない」。
動画は220万回以上再生され、いいねは約22万。コメントは約8,200件(2026年4月28日時点、Harper’s BAZAAR日本版)。でも、集まったのは同情だけではなかった。「なぜあなたの妊娠が他の人の問題になるのか」。
譲らなかった人は、そんなに冷たいのか。日本には、それを数字で見られる調査がある。
譲らない理由の1位は「失礼かもしれない」
内閣府が2020年10月にやった「公共交通機関利用時の配慮に関する世論調査」では、優先席でその席が必要な人に気づいたら「譲ろうと思う」と答えた人が72.0%だった。
では、譲ろうと思わない人は何を理由に挙げたか。1位は「譲ることが相手に失礼になる可能性がある」で46.4%。2位は「声をかけるのが恥ずかしい」で26.9%。自分が立ちたくないから、ではない。間違えたら相手を傷つける、が一番多かった。バルトリさんの動画にも、妊娠していないかもしれないから声をかけにくいという声があった。
じゃあ、その気持ちのとおりに譲られているのか。JR東日本が2014年に公表した調査では、乗客の約4割が「ほとんど席を譲る」と答えた一方、優先席の対象になる人で「ほとんど譲られる」と答えたのは1割に届かなかった。
東京都内の30代の妊婦Aさんは、妊娠7か月でマタニティマークを付けて満員電車に乗っているが、譲られた経験は「片手で数えられるほど」だと弁護士JPニュースに話した。「世の中ってこんなに冷たかったっけ?」
ネットの評判
TikTokの約8,200件のコメントは、きれいに割れた。批判の側で目立ったのは「あなたが子どもを産むと決めたからって権利はない」「私も疲れている」という言い方だ。見た目では分からない障害がある人もいる、という指摘もあった。擁護の側は「高齢者や妊婦への配慮は基本的なマナーだ」「最近の人は思いやりがない」。
同じ動画は、イタリアの妊娠情報サイト「gravidanzaonline」も2025年7月に取り上げた。紹介されたコメントは、もっと直球だった。「妊娠したのはあなたの選択で、彼らの選択ではない」。このサイトは、元の報道をオーストラリアの新聞デイリー・テレグラフの記事だとしている。
札幌は50年前に、優先席をやめた
金沢工業大学の土橋喜人教授は、札幌市や関東圏など6地区で、優先席に誰が座っているかを観測した。同じくらいの混み具合で比べると、座っている人のうち対象者が占める割合は関東が19.9%。ほかの4地区は4〜5割台だった。札幌だけが93.4%だ。近くに対象者がいるのに座れていない割合も、関東46.6%に対し札幌は13.2%。

なぜ札幌だけなのか。札幌市交通局によると、札幌市営地下鉄は1974年4月に優先席を試しに置いた。ところが若くて健康な人が席を占領し、対象者が座れないという苦情が多く寄せられた。それで翌1975年4月に「専用席」へ変えた。優先ではなく、専用。対象は高齢者、体の不自由な人、乳幼児を連れた人、妊娠している人などだ。
譲ってもらえるかどうかを、乗客の気分に任せない。札幌がそう決めたのは1975年4月だ。
人口は減ったのに、
市税は13年ぶりの高さ
――室蘭市の2025年度決算
賞をくれなかったから、
もう来なくていい
――トランプ米大統領が、ノルウェーに
VIVANTの廃工場に、日本語の安全看板
TBS系『VIVANT』第21話/週刊女性PRIMEの報道
- 妊婦の女性「電車で席を譲ってもらえなかった」発言に"批判が殺到"。8200件ものコメント「あなたの妊娠がなぜ私の問題に?」(Harper's BAZAAR)
- Dai posti sui mezzi alle code: l'educazione nei confronti delle donne incinte è finita?(gravidanzaonline.it、2025年7月14日)
- 優先席「譲る」7割回答も…実際に座れたのは"片手で数える"ほど 「世の中こんなに冷たかった?」妊婦が感じた戸惑い(弁護士JPニュース、2026年7月28日)
- 市営交通のよくあるご質問と回答/札幌市交通局
- 電車内の優先席に座る?座らない?マタニティマークの認知度は・・・?(わかもと製薬、PR TIMES)