予約しているのは
こちらの席なので大丈夫です
――通路側の女性が、真ん中の席の人に
写真はイメージ Photo by viktor rejent on Unsplash
新幹線の真ん中の席に置かれた荷物、夫婦は本当に「確信犯」だったのか
読売新聞の投稿サイト発言小町に10月、新幹線でのこんな相談が出た。急な出張で3列シートの真ん中の席を予約したまみこさんは、当日乗ってみると、自分の席には両隣の2人の荷物が置かれていた。両隣は知り合い同士だった。これ、どうすればいいんだろう。
この相談はYahoo!ニュースのアクセスランキングに入るまで広がった。記事の見出しに付いた一言は「あなたが座ったので嫌がらせですよ」。ただ、これを言ったのは、荷物を置いた2人ではない。
荷物は、声をかけたらすぐにどいた
まみこさんが声をかけると、2人は荷物をどけた。まみこさんは真ん中に座れた。ここまでは、もめていない。
座ってからが落ち着かなかった。窓側に男性、通路側に女性。2人は知り合いで、雰囲気は夫婦のようだったという。まみこさんを挟んだまま会話を続け、目の前でお菓子や弁当をやり取りした。気を使ったまみこさんが、通路側の女性に「席、替わりましょうか?」と声をかける。返ってきたのは、こうだった。
「予約しているのはこちらの席なので大丈夫です」
断られたあとも、2人はしゃべり続けたという。まみこさんは後から、こう想像している。2人は、まみこさんが真ん中を取るとは思わず、荷物置き場を確保するつもりで窓側と通路側を予約していたのではないか、と。
この2人から出た言葉は、記録に残っている限り、さっきの一言だけだ。なぜ荷物を置いたのか。なぜ替わらなかったのか。本人たちの説明は、どこにもない。
「嫌がらせ」と決めたのは、その場にいなかった人
発言小町に付いた回答は30件を超えた。では、だれが「嫌がらせ」と言ったのか。冒頭の「あなたが座ったので嫌がらせですよ」は、この投稿を読んだ回答者の一人が、まみこさんに向けて書いた言葉だ。
別の回答者は、こう書いている。「真ん中の席は埋まる確率が低いので、そのご夫婦は確信犯的に真ん中を空けて予約して、あわよくば2人で3席を占領しようとしたと思われます」。文末は「思われます」。投稿を読んで組み立てた推測である。
一方で、2人をかばう回答もあった。夫婦だからこそ、べったり隣に座るのが嫌なのではないか、という見方だ。ある回答者は、知り合いの夫婦に席を替わろうかと持ちかけたら「乗り物の中では少し離れたい。それが(夫婦)長続きの秘訣」と返された話を書いている。別の回答者は、通路側の女性はトイレが心配だったのではないかと推し量り、まみこさんには「替わってください」とはっきり言うべきだったと指摘した。
夫婦で離れた席を取ることはある、という回答には、こんな一言が添えられていた。「話したり物を渡したりしなければ、(夫婦だと)わかりませんよね」。逆に言えば、2人が黙っていれば、だれも疑わなかったのかもしれない。疑いを呼んだのは、荷物よりも挟んだままの会話だったのではないか。
ネットの評判
5ちゃんねるのニュース板では、確信犯説が多かった。「真ん中の席を荷物置き場に使いたいから、席を変わったら使えなくなるからだろ」「プレッシャーをかけて席替えを誘発させようとした」。替わってほしいなら金を出せ、という書き込みもあった。一方で「何度目だよこの記事、作文使い回すなよ」と、話そのものを疑う声も出ている。発言小町の回答欄は、もっと割れている。「座席ごとの境界プレート設置してほしいです!」と怒る人のすぐ下に、夫婦をかばう人がいる。
では、荷物はどこに置けばいいのか。JR東海の案内では、3辺の合計が160センチ以下の荷物は、足元か座席の上の荷物棚を使う。160センチを超える荷物は特大荷物スペースつき座席の予約が必要で、予約せずに持ち込むと1,000円(税込)の手数料がかかる。隣の席という置き場は、どこにも書かれていない。
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