それ、思想強すぎ
じゃない?
――SNSで、反戦を言った人に
写真はイメージ Photo by Mona Miller on Unsplash
8秒の反戦アニメが1000万回 「サヨク」と言われた中野彰子さんの返事
8秒のアニメの表示回数が、1000万回を超えた。描いたのはアニメーターの中野彰子さん(68)。2026年9月2日、X(旧ツイッター)に「反戦アニメ作ってみました。アニメーターなりの反戦運動」と書いて投稿した。
Xでこの投稿を見る
絵の中身はこうだ。少女が空を見上げる。その目に爆撃機が映り、爆弾が少女めがけて落ちてくる。添えられた言葉は「NO WAR」。中野さんは大学で応用物理を学び、大学院をやめてアニメの世界に入った人だ。絵を描いて半世紀近い。
集まったのは、賛同ではなく批判だった。
叩かれたのは「反戦」より、絵の中身だった
返信欄に並んだのは、こんな言葉だ。「今の時代はドローンでしょ」「現代戦の解像度が低い」。描かれた爆撃機がプロペラ機で、爆弾が自由落下だったことを突く声だ。
もっと多かったのが、作品の意味をひっくり返す読み方だった。「(少女を守るため)防空体制をしっかり整えようという戦意高揚アニメ」。「子供を守るために必要なのは9条ではなく防衛力・武力だと教えてくれる良いアニメ」。反戦の絵が、軍備を増やす理由として引かれた。
「ならそれ以外の方法で敵国の攻撃を防ぐ代案を出せ」という返しもあった。8秒の絵に、代案である。
中野さんは東京新聞に、こう話した。「戦争で殺されたくない、殺したくない、それだけを考えて作った動画なんですけど、こんなに反応があるとは思わなかった」
10月には、この騒ぎを受けたトークイベントが東京都杉並区で開かれた。登壇したのは、女性のつくり手5人。歌手の玉井夕海さんは「特にこの1〜2年、『戦争反対って言うのちょっと思想強すぎ』という感じが出てきた」と話した。漫画家のフクチマミさんも、SNSに「そういうことを言っちゃいけない空気」があると言った。
ネットの評判
Xでは賛否が真っ二つに割れた。批判に対し、漫画家の宮尾岳さんは「これにぐちゃぐちゃ言ってる人に【貴方も8秒の反戦テーマのコンテ切ってみたら?】です」と書いた。これには「『ならお前が作ってみろ』という典型的論点ずらし」と返す人もいた。
東京新聞の記事は、はてなブックマークの人気総合で6位に入った。まとめサイトのコメント欄で目立ったのは、「反戦そのものがバカにされているのではない。現実を見ない考え方が笑われているだけだ」という意見だ。
「サヨク、ってなんですか?」
ここが、いちばんややこしい。
批判の中には、中野さんを「サヨク」と決めつけるものもあった。中野さんがXで返したのが、この一言だ。「サヨク、ってなんですか?私は一水会の理念に協賛する保守ですけど。」
一水会の名前を出して、自分は保守だと書いたわけだ。本人は、左派のつもりで描いたのではない。それでも「反戦」と書いた時点で、左派の記号になった。中野さんはトークイベントで、こう言っている。「『反戦』というと『こいつたたいていいんだ』というアイコンになっている」
この返事もまた、言い争いを呼んだ。一水会の理念に賛成する人が、本当に戦争に反対していると言えるのか、という声が出た。どちらの陣営にも入れない人は、どこにも置き場がない。
で、結局どうなったのか。投稿は消されていない。イベントの司会を務めたのは、3月28日に国会前で「オタクによる反戦デモ」を開いた高橋裕行さん。あの日は約2000人が集まった。中野さんが初めてデモに立ったのも、その3月だった。半世紀近くアニメを描いてきて、初めてのデモだ。
人口は減ったのに、
市税は13年ぶりの高さ
――室蘭市の2025年度決算
賞をくれなかったから、
もう来なくていい
――トランプ米大統領が、ノルウェーに
VIVANTの廃工場に、日本語の安全看板
TBS系『VIVANT』第21話/週刊女性PRIMEの報道
- 「戦争反対」がバカにされ、叩かれる時代 1000万再生のショートアニメ投稿者は、それでも「言わなきゃ」(東京新聞デジタル、2026年10月26日05時00分、森本智之記者。無料公開部分のみ閲覧)
- 中野彰子さんの反戦アニメを観て思う。(note、みじんコ、2026年9月3日)
- 反戦ってだけでネトウヨアイコンがキレるアニメーション(posfie。元投稿と批判・擁護の投稿をまとめたページ)
- 某漫画家「貴方も8秒の反戦テーマのコンテ切ってみたら?」(posfie。宮尾岳さんらの投稿をまとめたページ)
- 「オタクによる反戦デモ」クリエイターらも参加、思い語る 「平和でなければ活動できません」(J-CASTニュース、2026年3月31日)
- 【悲報】マスコミ「戦争反対がバカにされ、叩かれる時代になっている」(アルファルファモザイク。東京新聞記事への反応)
- 一水会(ウィキペディア日本語版。思想団体としての一水会が1972年創設の民族派団体であることの確認)