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下ごしらえ、買う?自分でやる?

場面と、二人の言い分
  1. 鶏肉のトマト煮を1人前作ったら、1食600円かかったという計算が、はてな匿名ダイアリーに出ました。材料は、レトルトの炒め玉ねぎ、トマト缶、市販の専用調味粉、鶏肉、水煮豆の5つでした。コメント欄には「調理済み食材には作業料が乗ってるので、安くしたければ調理を自分でするのだ」という指摘が並びました。
  2. 「下ごしらえの手間賃でしょ、安いもんです」
  3. 「”自炊”でしょ?玉ねぎくらい切って炒めましょうよ」

どっちの味方?最初の印象で選んでください。

買って時短派 の言い分

仕事から帰って台所に立つのは、だいたい夜の遅い時間です。わたしが最初にあけるのは冷蔵庫ではなく、棚の袋です。炒めてある玉ねぎ、煮てある豆、その料理のための調味粉。鍋に入れて火にかけたら、わたしはもう座ってしまいます。包丁は、何日も洗っていません。
こうなったのは、一人暮らしを始めた年に、丸ごとの玉ねぎを買ったからです。ひと玉を使い切れず、残りを冷蔵庫でだめにしました。キャベツも、豆も、だめにしました。安いはずの材料をごみ袋に入れる夜が続いて、わたしは計算をやめました。使い切れなかった分は、どの家計簿にも載りません。でも、わたしがたしかに払ったお金です。
人には言いませんが、玉ねぎを刻んでまとめて作る人を見ると、よくやるなと思っています。あの人たちが安くしているのは材料費で、代わりに差し出しているのは、自分の夜の時間と、同じものを食べ続ける何日かです。1食600円のうち、わたしが払っているのは手間賃だと分かっています。分かったうえで、今夜も袋をあけます。

相手へ:切って煮て洗って、その時間はいくらで売っているんですか?実際に出た声 「最近高騰してる外食より多少安いが関の山。毎食同じ飯を食える奴の意見は参考にならない」

一から作る派 の言い分

休みの日の夕方、わたしは台所で玉ねぎを刻みます。鍋いっぱいに作ります。味つけの粉は、家にあるもので足ります。平日の夜は、よそって温めるだけです。流しに出るのは、まな板と包丁と鍋だけ。それで一週間がまわります。
もともとは、お金がなかったからです。学生のころ、家賃を払うと食費がほとんど残らない月があって、袋入りの食材を買うのをやめました。やめてみたら、同じ皿がずっと安い値段で出てきました。炒めてある玉ねぎの袋をひっくり返して、中身を皿に出したときのことは、まだ覚えています。わたしがここに払っているのは玉ねぎの代金ではなく、だれかが炒めた分の人件費なのだと思いました。
本音を言えば、自炊は高いと言っている人たちは、まだ自炊をしていないと思っています。袋をあけて温めるのは、できた料理を買って食べるのと変わりません。切るのが面倒なのは、わたしにも分かります。それでも、面倒を避けるために毎晩払っているお金が、ひと月でいくらになるのかは、一度数えたほうがいいです。わたしの包丁は、何年も同じものです。

相手へ:玉ねぎを刻むほんの少しの時間が、本当にないんですか?実際に出た声 「安く早く自炊するのは技術だぜ」

どちらにも数えられない立場 作る気力が残っていない人

わたしは、どちらの計算にも入っていません。帰って靴を脱いだところで座り込んで、台所の前を通らずに寝てしまう日があります。安く作る技術も、袋をあける元気も、その日はありません。値段の話は、台所に立てる人の話だと思います。

言い分は、世間の声をもとに編集部が脚色したものです。実際の発言と出典は、元ネタの記事にあります。

元ネタを読む →自炊したのに1食600円 一人暮らしの計算に、はてなからツッコミ

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