『夜中の1時からです』
って、高市首相に言える?

――官邸と外務省で、言い出す役の押し付け合い

11/7 21:24 / 発信国:日本 / 記者:ミヤムー

高市首相のG7欠席はなぜ 誰も「25時から出席して」と言えなかったと政府筋

10月2日の21時30分から、およそ30分。議長国フランスが開いたG7首脳のオンライン会議に、高市早苗首相は出なかった。7か国のうち、首脳が欠席したのは、高市首相と英国のバーナム首相の2人だけ。日本からはシェルパと呼ばれる遠藤和也外務審議官が代理で出た。1か月以上たった11月6日の国会でも、まだ追及が続いている。

元外務審議官の田中均氏は、自分のYouTubeチャンネルの動画で「少なくとも外務大臣が出るべきだった」と解説している。

誰も「25時からお願いします」と言えなかった

プレジデントオンラインが11月7日に出した記事に、政府筋の話として経緯が載っている。フランスは最初、開始を「25時」、つまり3日の午前1時だと連絡してきた。マクロン仏大統領とトランプ米大統領が2人で決めたものだという。

それで官邸と外務省はどうなったか。記事によれば「『25時では首相に出席してくださいと言えない』という空気になった」。睡眠時間を削って仕事をしているとアピールしている首相が「何で25時なの?」と目をむくことは容易に想像された――そう書かれている。

では、誰が言うのか。その役を押し付け合ううちに時間が過ぎた。そこへ外務省が代理出席を提案し、首相周辺が乗った。首相には「出席する必要はない」と報告し、了承された。記事は、これが「内実」だとしている。

効いているのは、そのあとだ。2日の夕方、フランスから「開始を21時30分に早める」と連絡が来た。深夜1時ではなくなったのに、欠席の方針は変わらなかった。

政府の説明は、こう変わっていった

10月5日、木原稔官房長官は記者会見で、フランスが「当日直前に急きょ設定したものだ」と話した。だがFLASHによると、フランス大統領府の公式サイトには10月2日付で、大統領が数日前にG7首脳を招集すると発表したと書かれていた。外務省はこの点を聞かれ、「外交上のやり取りであるため、詳細は差し控えたい」と答えている。

画面の前に置かれた空席
写真はイメージ Photo by Vizito Visitor Management on Unsplash

10月16日の参院予算委員会で、高市首相は「議題が米欧間の問題なので、代理でよしという話を(外務省から)受けた」と述べた。大きなディスプレーの回線工事が間に合わなかったとも話した。茂木敏充外相は10月27日、会議が30分と短いので代理が適切だったと説明し、ディスプレーの話は「私は承知をしていない」とした。

会食の話もある。2日の18時30分から19時54分まで、高市首相は公邸で麻生太郎副総裁ら党幹部と食事をしていた。時事通信によると、出席者の一人は「首相もアルコールを口にしていた」と認めた。立憲民主党の辻元清美氏が会食こそ理由ではないかと追及すると、茂木外相は「全く事実に反している」と反論した。公明党の岡本三成代表は11月6日、「大変大きな失敗だったんではないか」と指摘。高市首相は「総合的に判断されたもの」と答えている。

ネットの評判

はてなブックマークでは、この記事に約180人がブックマークを付けた。目立つのは、欠席そのものより「言えない」ことへの驚きだ。「職務上必要な事さえ言えないのか」「部下を萎縮させるような人は管理職に向いていない」という声が並ぶ。「欠席したことが悪いんじゃなくて、欠席した理由をまともに説明できないのがだめなんだよね」と、説明のほうを問題にする人もいる。擁護は少なく、「批判している人物の大体は毎日暇なんだと思うわ」という声が交じる程度だった。

深夜1時という連絡が首相本人にどう伝わったのかは、11月7日の時点で、政府の公式な説明からは確かめられない。確かなのは、会議が実際には21時30分に始まり、日本の席に首相はいなかったことだ。

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