そのメガネ、
撮ってないよね?

――ある同僚が、メガネをかけた人に

11/5 17:16 / 発信国:韓国 / 記者:工藤

サムスン スマートグラス、12月中旬発売らしい いくら?日本は?

サムスン初のスマートグラスが、12月中旬に韓国とアメリカで売り出されるらしい。韓国の経済メディア・朝鮮ビズが、家電業界の複数の関係者の話として報じた。価格はまだ決まっていない。報道で出ている見込みは349〜499ドル(約5万5100〜7万8800円)。日本は、最初の発売地域に入っていない。

製品の名前は「Intelligent Eyewear」。7月22日、ロンドンで開かれた発表会で姿を見せた。画面はなく、カメラとマイクとスピーカーだけを積む。見た目はただのメガネだ。重さは標準のレンズを付けて約41g。1回の充電で最大9時間、ケースに入れればさらに7回分充電できる。カメラは1200万画素。中身はGoogleのAndroid XRで、話しかけるとGeminiが返す。デザインはGentle MonsterとWarby Parkerの2社が担当し、形は4種類が出ている。

できることは、その場での翻訳、声での道案内、写真の撮影、このあたり。ライフハッカー・ジャパンは、ホワイトボードの内容を自動で認識して保存する機能や、Galaxy Watchとの連携を特長に挙げた。サムスンのCOO、チェ・ウォンジュン氏は発表会で「Intelligent eyewear creates a new point of interaction」と話した。人とAIの新しい接し方が生まれる、という意味だ。

Metaのメガネより軽くて、普通のメガネに見える。ガジェット好きが「大本命」と呼ぶのは分かる。

前にも同じ形があった。呼ばれた名前は「Glasshole」

ただ、この形のメガネは一度こけている。Google Glassだ。かけている人は「Glasshole」とまで呼ばれた。2015年には個人向けの販売が終わった。つまずいたのは性能ではなく、周りの人の目だった。

で、いまは変わったのか。OpenAIのサム・アルトマン氏は2026年9月、ポッドキャスト「Sources Podcast」で、カメラとライトを身に着けている人と話すと、とても落ち着かない気分になる、と話した。AIを売っている本人が、AIメガネを嫌がっている。

撮られる側の心配は、もう規制になっている

韓国の個人情報保護委員会は7月末にサムスンと会い、設計の段階から個人情報の侵害を減らすよう求めた。核心は一つ。撮ったり情報を集めたりするとき、相手がそれに気づけること。前面の光や音で、撮影中だとはっきり知らせる機能を入れてほしい、という要請だ。

電車の車内
写真はイメージ Photo by Chris Linnett on Unsplash

サムスンの答えはLEDだ。外向きと内向きの2つが点き、外向きのLEDを覆うと録画が止まる。メガネを外しても止まる。

それでも規制のほうが先に進んでいる。ドイツ・ハンブルクでは、市議会が公共の場での使用を禁じる決議を可決した。電車やバスでかけることまで対象になった。学校での使用を全面的に禁じた国もある。ノルウェーのデジタル化・公共ガバナンス大臣カリアンネ・トゥング氏は8月25日、スマートグラスを今より厳しく規制する方針を表明した。公共の場で他人の顔を認識する機能の禁止も考えられると踏み込んだ。

もう一つ、あまり語られない点がある。Geminiとのやりとりは、既定で18カ月保存される。3カ月や36カ月に変えられるが、保存をオフにしても72時間は残り、人がチェックしたチャットは最長3年だ。メガネが見たものは、その場で消えない。

ネットの評判

強い反応は、賛成でも反対でもなく、自衛として出ている。ポーランドの開発者が作ったiPhoneアプリ「ZuckOff」は、Bluetoothの電波から近くのカメラ付きメガネを探す。Ray-Ban Meta、Oakley Meta、Snap Spectaclesに対応し、だいたいの距離も出る。2026年8月にApp Storeに出て、約1カ月で5000人が入れた。きっかけは、知らない人をスマートグラスで撮った動画をネットで見たことだという。撮られた人は気づいていないように見え、顔にぼかしもなく、身元を特定しようとするコメントが付いていた。

実際の事件も起きている。ロンドンのショッピングセンターで声をかけられた女性が、Ray-Ban Metaで撮られた。動画はSNSで数万回再生された。女性が削除を求めたら、「削除は有料」と金を要求された。TikTokは嫌がらせとして動画を消し、アカウントを止めたが、別のSNSに再投稿された。LEDは隠されていたか、目立たなかった。女性は撮られたことに気づいていなかった。

日本はどうか。メガネトップが出した撮影できるメガネ「Linse」は、オンラインでは売っていない。全国130店舗の対面販売だけだ。日本特有ともいえる高いプライバシー意識や盗撮への警戒感を理由に、弁護士や専門家を交えて決まりを精査したという。店員が説明して、分かってもらってから渡す。同じ技術でも、売り方からして違う。

11月5日の時点で、サムスンは発売日も価格も正式には発表していない。日本での発売も、公表されていない。

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