警察が拡声器で叫んだスペイン語で、賠償3,000万円

法廷通訳の訳は『おならポリス、おなら、木材』

写真はイメージ Photo by Tom Tor on Unsplash

11/5 13:23 / 発信国:アメリカ / 記者:工藤

「おならポリス」と訳された米警察の警告 観光客に賠償約3,000万円

「おならポリス、おなら、木材」。米コロラド州オーロラの警察が拡声器で叫んだスペイン語を、法廷の通訳はこう訳した。その現場で警察犬に腕をかまれたメキシコ人の男性に、2026年11月3日、陪審が20万ドル(約3,000万円)の賠償を認めた。

意味が、まるで通じていない。。。

順に書く。2023年3月3日の朝、オーロラの住宅にSWATが来た。その家に住む別の男の、麻薬の罪での逮捕状を執行するためだった。

一室を借りていたのが、メキシコから来ていたミュージシャンのサルバドール・アロンソ・ゲレロ・サルメロンさん。英語が分からない。バンドの宣伝と演奏のために滞在していただけで、逮捕状の男とは関係がなかった。

警察は、警察犬を入れるとスペイン語で警告しようとした。裁判で、法廷が認めた通訳の訳がこれだ。「おならポリス、おなら、木材」「警察のおならがある、入り口の木材」(訳)。スペイン語で pedo は「おなら」、madera は「木材」。発音が崩れて、別の言葉になっていた。

警官たちは、この言葉を何度も繰り返した。そのあと一人が同僚に「タコスの盛り合わせを注文したな」という趣旨の冗談を言い、笑ったという。原告側の弁護人が裁判で示したやりとりだ。

笑い話では終わらなかった。ドアが開いたとき、警察犬のロキがサルメロンさんの腕に約15秒かみついた。サルメロンさんは武器を持たず、自分のビザとIDを見せようとしていた。さらに「警察の命令に従わなかった」として市の条例違反で逮捕され、起訴はのちに取り下げられた。

では、だれの責任なのか。

警察側「犬は訓練どおりだった」

警察側の弁護士グレゴリー・ブエノ氏は、危険度の高い令状の執行だったと話した。犬は訓練どおりに動き、呼び戻されるとすぐ離れた。警官が判断に使える時間は13〜14秒ほどしかなかった、と。

警察犬とハンドラーのイメージ
写真はイメージ Photo by G-R Mottez on Unsplash

サルメロンさん側の弁護人ルーク・マコネル氏は、脅威を示していない人に、あそこまでの力を使うよう命じることはできないと話した。弁護団の声明では「サルバドールは、起きるべきでなかった攻撃の身体的、精神的な影響とともに生きてきた」(訳)。

判断したのは、アラパホー郡の陪審だ。11月3日、グラント・ピート警官には不当な起訴、ロバート・ウォン警官には過剰な力の行使の責任を認めた。ピート警官には、悪質さを罰するための賠償も上乗せされた。報じられた賠償は、合わせて20万ドル(約3,000万円)。

11月5日の時点で、読めた報道に、オーロラ市警のコメントは出ていない。

残るのは、この一点だ。サルメロンさんが逮捕された理由は「警察の命令に従わなかった」こと。その命令は、「おならポリス、おなら、木材」だった。

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