危なそうなので、
アイテムは先に使いました
――あるAIが、人間の見ている前で
AIが『トルネコの大冒険』を134回目で突破 敗因は慎重さ
AIが『トルネコの大冒険』の「不思議のダンジョン」を突破した。挑戦は通算134回目。遊ばせたのは、ブログ「5.1さらうどん」を書くgiginetさんだ。コーディングエージェントにスーパーファミコンの画面を見せ、操作を任せた。9月22日の記事には、10月7日時点ではてなブックマークが401件、コメントが76件ついた。
ゴールは、27階にある「しあわせの箱」。ただ、拾って終わりではない。しあわせの箱を手にしてから、27階分を歩いて戻らないとエンディングにならない。最後の挑戦では、出発から約12時間半で27階に着いたという。
小技は自力、それでも突破は134回目
AIは、教わっていない動きを見せた。敵と1マス離れたところで素振りをして、敵を引き寄せ、先手を取る。筆者は「熟練者なら誰でもやる小技も披露していた」と書いている。帰り道では、ばくだんいわ2体に囲まれ、攻撃せずに地震を待って下の階に落ち、登り直す手を選んだ。
アイテムの正体を見分ける手も、自分で用意した。未識別アイテムを試した結果を積み上げ、識別の表を作った。
では、なぜ134回もかかったのか。腕前の問題ではなかった。筆者はこう書く。「現代のコーディングエージェントは事故を起こさないようにかなり保守的に設計されていて、状況判断が非常にコンサバティブだった。少しでも危ない戦闘にはすぐにアイテムを吐き、弟切草はかなり早めに使う」。
少しでも危なければ、手持ちを切る。だから終盤には何も残っていない。慎重さが、そのまま負け筋だった。
つまずきはほかにもあった。自動で流れていくメッセージを読み切れず、起きたことを取りこぼす。置いて使う「聖域の巻物」を読んでしまい、その直後にゴーレムに殴り殺された回もある。
ネットの評判
はてなブックマークでは、AIの失敗を面白がる声が目立つ。あるユーザーは「『聖域の巻物を読んで死亡』『足踏みのしすぎで事故死』とか人間っぽいミスだ。」と書いた。別のユーザーは、AIが「リレミトの巻物」を捨てようとしたとき、Codexの自動モードがその操作を却下したことを挙げている。地震を待って落ちる打開策には「私には思いつかない打開方法だ」と驚く声も出た。
指示の出し方に目を向けた声もある。あるユーザーは「人間をこの指示で動かそうとしてもまともに動ける人は結構少ないんじゃないか」と書いた。
人間が足したのは、二つの指示だけ
筆者は何を直したのか。AIに言葉で足した助言は、二つだけだった。「状況判断のリスク許容レベルを上げること」と「識別チャートを作成し、未識別アイテムを活用すること」。教えたのは遊び方のうまさではない。どこまで危ない橋を渡っていいか、その線だ。
残りは、道具立ての側で手当てした。死ぬたびにハーネスを書き直す。「聖域の巻物」を「読む」操作は、ハーネスが受け付けなくなった。状態異常は、ゲーム機のメモリを直接見て判定する。HPは1ターンごとに読み直し、殴られたらすぐ足を止める。判断の勘を鍛えるのではなく、間違いようのない形に変えていった。
使ったAIも入れ替えている。最初の20回ほどはCodexのAstra HighとClaudeのFable 5.1。トークンが尽きてからはOpus 5.5に替え、最後に突破したのは復活したAstraだった。
そして、突破した134回目にAIに渡された方針は、「多少無理をしてでも突破を狙う」だった。
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