政府の建物に中指を立てた職員、処分が取り消しに

カナダの労使委員会「建物は意見を持たない」

写真はイメージ Photo by Waldemar Brandt on Unsplash

10/30 18:26 / 発信国:カナダ / 記者:工藤

「建物は意見を持たない」 建物に中指を立てた職員の減給、7年かけて取り消し

政府の建物に、中指を立てた。カナダの刑務所で働く男性が、それで1日分の給料を引かれた。7年たって、その処分が取り消された。理由が、なかなかすごい。

2019年7月、カナダ矯正庁で犬の担当をしているグレン・コリソンさんは、カナダ国境サービス庁(CBSA)の訓練施設にいた。新しい犬と組むための、5週間の再認定の講習。本人は、この講習が好きではなかったらしい。

修了の直前、駐車場での雑談だった。同僚から「帰れるのがうれしいか」と聞かれた。さらに「帰らせてもらえなかったら、どうする」と、しつこく重ねられた。コリソンさんは、話している相手から顔をそらし、CBSAの犬舎の建物に中指を立てた。それから、もう1棟にも立てた。

これを見ていた人が、上司に報告した。話はCBSAの本部まで上がり、矯正庁へ戻ってきた。矯正庁は「敬意を欠く」とし、1日分の給料285カナダドル(約3万2千円)を罰として引いた。コリソンさんは、不服を申し立てた。

「建物は意見を持たない」

ここで、多くの人はこう思う。公務員が、よその官庁の建物に中指。まあ、怒られても仕方ないだろう、と。矯正庁の側も、CBSAとの関係を守りたかったと説明している。

ところが2026年10月29日、連邦公共部門労使関係・雇用委員会が出した裁定は、逆だった。裁定を担当したクリストファー・ルーサムは、こう書いた。「建物は意見を持たない。建物に中指を立てることは、人に中指を立てることとは違う」

コリソンさんの行動は「子どもっぽい」が、「処分に値しない」。CBSAの誰かに向けていたなら処分は妥当だった、とも書いている。向けた先が、建物だったのだ。

線を引いたのは「下品かどうか」ではなく、「向けられた相手がいるかどうか」だった。

7年と、利子

裁定はもう一つ、矯正庁の側を強く叱っている。「他の省庁をなだめることは、職員を処分する正当な理由にならない」。調査のやり方も問題にされた。コリソンさんは6週間、自分が何を疑われているのかを知らされていなかった。

委員会は、引かれた1日分の給料を、利子を付けて返すよう命じた。285カナダドルが戻ってくるまでに、7年3か月かかった。

中指を立てられた2棟の建物は、いまのところ、何も言っていない。

次の視点

うちのソース付けて食うわ
日本人は何も言えんやろ

――フランスから投稿した人が、日本人に

ジャンルを変えて「グルメ」から。いま読まれています 「寿司にアルジェリアソース」で煽られた日本側、自作の材料費を計算してみた

残ったのは、高い席ではなかった

Number_i札幌ドームの空席報道

ジャンルを変えて「アイドル・推し活」から。いま読まれています Number_i札幌ドームの空席報道 一律1万1000円のSnow Manと比べていい?!

何もない田舎の風景
それでも300人が見ている

――岩手・遠野、田んぼの神社の24時間配信

ジャンルを変えて「ネット文化」から。いま読まれています 岩手・遠野の田んぼの神社を24時間映す配信に人が集まる理由は、音だった
出典

いま読まれている記事

  1. 1アクアの新型冷蔵庫が錆びて見えるのは、わざとだった
  2. 2シャオ・ジャンの南京公演で、ホテルのほうがチケットより高くなった
  3. 3「AV出てる人だよ!」ディズニーの待ち列で 北岡果林の訴えに割れる賛否
  4. 4同志社など12法人の私学助成が保留 高校の事故で、大学の補助金まで止まるのか
  5. 5「イオンモールおじさん」叩きの裏で、409人が選んだ1位は「好きな服」
← トップへ戻る