えっ、今のウミヘビ
タコだったの?
――砂地で、2本の腕を見た人が
写真はイメージ 撮影 Karim saari/CC BY 4.0(ウィキメディア・コモンズ)
ウミヘビのふりをするミミックオクトパス、学名がついたのは発見の7年後
インドネシアの砂泥の海底に、いちばん太いところでも鉛筆くらいの腕を持つタコがいる。ミミックオクトパスだ。腕を放射状に広げて立てればミノカサゴ、6本を巣穴に入れて縞の2本を波打たせればウミヘビ。背景に溶け込むのではなく、別の生き物の形と動きに体を組み替える。
上の映像は、ゲッティンゲン大学のゴデハルト・コップがインドネシアで撮ったもの。砂の上を進むミミックオクトパスと、腕のあいだにいる小さな魚が写っている。この魚の話は最後に出てくる。
なぜ化けるのか。このタコは昼間、砂地で丸見えのまま小魚や甲殻類を探す。魚に狙われやすい。そこで毒のある動物の姿を借りているらしい、というのが2001年9月7日に出た論文の見立てだ。マーク・ノーマンら3人が、スラウェシ島とバリで9匹を観察して書いた。
証拠が固まっているまね先は3つ。シマウシノシタ属の平たい魚、毒のとげを持つミノカサゴ、エラブウミヘビ属のウミヘビだ。平たい魚になるときは、8本の腕を後ろにそろえて縞の楕円にし、水を噴いて底を滑る。ウミヘビのときは6本を巣穴に差し込み、残る2本をゆっくり振る。
名前がついたのは、見つかって7年後
見つかったのは1998年、スラウェシ島の濁った河口の底だ。水中写真家のロジャー・スティーンとルディ・カイターがノーマンに伝え、BBCとディスカバリーチャンネルが出資した潜水調査も組まれた。
2001年の論文に各国の報道が飛びついたが、この時点でタコに名前はなかった。論文は、科学的に新しいタコだと書いているだけだ。学名のThaumoctopus mimicusがついたのは2005年、ノーマンとF.G.ホッホバーグがMolluscan Researchで新属新種として記載したときだ。見つかってから7年、報道が沸いてから4年である。
記載論文によれば、目印は背の中ほどの白い涙形の輪と、後ろ寄りの白い「U」。水深0.5〜37メートルの柔らかい海底にいて、ニューカレドニアからインドネシア、マレーシア、フィリピンに分布する。写真の記録では、分布は紅海や西インド洋にも届く。細長い腕を自切することもできる。
まねるために目立つのか、目立つのが先か
2010年9月には、カリフォルニア科学アカデミーなどの研究者が、このタコと35種以上の近い親戚のDNAを比べ、Biological Journal of the Linnean Societyに別の見方を出した。分子系統をたどると、平たい魚のような泳ぎは、砂地に住む仲間のグループで、長い腕と一緒に進化したらしい。

つまり、まねるために泳ぎ方を覚えたのではなく、泳ぎ方が先にあって、目立つ模様が後から乗ったという順番になる。論文を書いたクリスティン・ハッファードは、近い親戚は地味な色でうまく隠れているのに、なぜこのタコは逆に自分を目立たせるのかと問いを立てている。
このタコは、変身の名人として紹介されることが多い。ロンドンの自然史博物館のジョン・アブレットも、これほど多くの種をまねられるのは知られているかぎり、このタコだけだと話している。それでも、どこまでが本当にまねなのかは、まだ議論の種なのだ。
まねる側から、まねられる側へ
冒頭の映像の小さな魚は、クロマーブル・ジョーフィッシュ。普段は砂の巣穴から出ない魚で、茶と白の模様がタコに似ている。腕のあいだに紛れて、砂地を一緒に移動していた。巣穴から離れて餌を探すための便乗だろう、というのが研究者たちの見方だ。カリフォルニア科学アカデミーのルイス・ロシャらが、Coral Reefsに発表した。
ほかの生き物をまねるタコが、今度は魚にまねられていた。
人口は減ったのに、
市税は13年ぶりの高さ
――室蘭市の2025年度決算
賞をくれなかったから、
もう来なくていい
――トランプ米大統領が、ノルウェーに
VIVANTの廃工場に、日本語の安全看板
TBS系『VIVANT』第21話/週刊女性PRIMEの報道
- The 'Mimic Octopus' (Thaumoctopus mimicus n. gen. et sp.), a new octopus from the tropical Indo-West Pacific
- Dynamic mimicry in an Indo–Malayan octopus (Norman, Finn & Tregenza 2001)
- It's a snake! No, a fish. An octopus?(Science News、2001年)
- Octopuses keep surprising us - here are eight examples how(ロンドン自然史博物館)
- Octopus mimics flatfish and flaunts it(ScienceDaily/カリフォルニア科学アカデミーの発表)
- Fish mimics octopus that mimics fish(EurekAlert/カリフォルニア科学アカデミーの発表)
- Tiny fish mimics octopus that mimics fish(NBC News)
- Mimic Octopus(OctoNation)
- Mimic octopus(英語版ウィキペディア)