15秒の動画が166円って
ほんと?

――360pなら15秒で約55円

写真はイメージ Photo by Jakob Owens on Unsplash

11/7 16:09 / 発信国:アメリカ / 記者:ミヤムー

Gemini Omni 1.2 Flash、15秒動画の料金は約166円

Googleが11月5日(現地時間)、動画を作るAI「Gemini Omni 1.2 Flash」の一般提供を始めた。1回で作れる動画の長さが、これまでの10秒から15秒に伸びた。Gemini APIで使うときの料金は3割下がり、720pなら1秒0.07ドル(約11円)になった。15秒いっぱい作っても1.05ドル(約166円)だ。

11月7日朝の時点で、Googleから追加の料金改定の発表は出ていない。日本語のプロンプトにどこまで対応しているかも、今回の発表では説明されていない。

3割安い。でも1本の値段は下がっていない

ここが、ちょっとおかしい。前のモデル「Gemini Omni 1.1 Flash」は、720pで1秒0.10ドル(約16円)だった。作れる長さは10秒まで。上限いっぱいで1.00ドル(約158円)だ。新しい1.2で15秒いっぱい作ると1.05ドル(約166円)。1秒あたりは3割安いのに、1本の支払いは8円ほど増える。安くなったのは秒の値段で、1本の値段ではない。

解像度ごとの単価も出ている。360pは1秒0.023ドル(約3.6円)、1080pは0.104ドル(約16円)、4Kは0.209ドル(約33円)。Googleは、まず360pか720pで下書きを作り、気に入ったものだけ1080pや4Kにアップスケールする使い方を勧めている。360pで15秒なら約55円。缶コーヒーより安い。

できることも増えた。作り直さずに、会話を重ねて製品や背景を差し替えたり、照明や天候、画面の縦横比を変えたりできる。動画には目に見えないSynthIDが入る。Google Vidsでは追加料金なしで15秒の生成が使え、GeminiアプリはGoogle AI Ultraの契約者から順に使えるようになる。開発者向けには、もう1つ日付がある。12月3日から、古い1.1を指したAPIの呼び出しが、自動で1.2に回される。

「安くなった」を喜べない人たち

では、この値下げで困るのはだれか。動画を請け負って作る側だ。

撮影スタジオに置かれたビデオカメラ
写真はイメージ Photo by Sam McGhee on Unsplash

制作会社のbgmnowは、2026年1月時点の実績値として相場をまとめている。SNS向けの短い動画の外注費は、かつての20〜50万円から10〜25万円に落ちている。同じ会社は、AIを使う工程を入れると30〜80%のコスト削減が出ているとも書いている。ざっくり半額だ。

Googleの公式ブログには、動画素材のArtlist、動画広告のQuickFrame AI、写真加工のPhotoroomなど、7社ほどの導入企業のコメントが並ぶ。どれも新しい機能を褒める内容だが、これはGoogle自身が選んで載せた声だ。値下げを歓迎する側の言葉と、仕事が減ることを心配する側の言葉は、同じ場所には出てこない。

ネットの評判

Hacker Newsの書き込みを拾った開発者向けのまとめによると、話題の中心は値下げではなく、どのプランなら使えるのかという分かりにくさだった。有料プランに払っているのに最新のモデルが自分には使えない、課金しないと試せない、という不満が多い。Google AI Studioの使い勝手がひどいと書く開発者もいた。少数だが、10秒から15秒に伸びても使い道があるのかと疑う声もあった。値下げを素直に喜ぶ投稿は、このまとめが拾った範囲では多数派ではなかった。

1秒11円、15秒で166円。この数字が、外注費がすでに半額まで落ちた現場に、そのまま持ち込まれていく。値下げの発表で動く価格表は、Googleのものだけではないように見える。

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