食べすぎて飛べなくなったタカ

米バージニア州の野生動物保護センター

写真はイメージ Photo by Jonathan Larson on Unsplash

11/7 23:12 / 発信国:アメリカ / 記者:ミヤムー

近所の鶏を食べて太ったタカ、飛べなくなり保護 体重910グラム

11月4日、アメリカ・バージニア州ロアノーク。民家の私道で、1羽のタカが飛べずにうずくまっていた。近くの野生動物保護センターに運ばれた。センターは、骨折、鉛中毒、目の病気、頭のけが、衝突の跡を順に調べた。どれもなかった。体重910グラム。診断は、太りすぎ。。。それだけだった。

タカはアカカタノスリのメスの成鳥だ。センターによると、メスの健康な体重は1.5ポンド(約680グラム)まで。つまり230グラムほど重い。「脂肪の層が厚くて、竜骨を触ることさえできなかった」とセンターは書いた。

なぜそんなことに。近所の家が、鶏を昼間だけ庭に放していた。センターの説明はこうだ。「この女王様は、目の前に並べられた簡単な獲物のビュッフェをつまみ、満腹になるまで食べ、また食べたくなるまで近くの木で居眠りしていた」。毎朝、鶏が外に出されるのを待つだけの暮らし。それが数週間続いた。

鶏は1羽3,200円から

では、いくら食べられたのか。何羽消えたかは公表されていない。分かっているのは値段のほうだ。アメリカの養鶏の手引きサイトによると、卵を産んでいる成鶏は1羽20〜50ドル。11月上旬の1ドル158円台で換算すると、約3,200〜7,900円になる。仮に3週間、毎朝1羽ずつだったとすれば21羽。約6万6千円から16万6千円。一人暮らしの1、2か月分の食費が、空に消えた計算になる。

庭に放し飼いにされた鶏
写真はイメージ Photo by Grace Anne Bobadilla on Unsplash

鶏の飼い主にとっては、笑い話ではない。鶏が「驚くほどの速さで」消えていた、と近所の人はセンターに話している。ただ、ネットの受け止めは別だ。米メディアのDexertoは、センターの投稿に笑いを込めた書き込みが並んだと伝えた。米国の各局やニュースサイトも相次いで取り上げた。太って飛べないタカは、被害の話より先に、可愛がられている。センター自身が「この女王様」と呼んでいる。

それでもセンターは、笑って終わらせていない。「野生動物が人の関与なしに肥満になることは、まれだ」。そして、これは人が作った問題で、もっと大きな捕食者に先に見つかっていたら、さらに悲しい結末になっていたかもしれない、と書いた。鶏の囲いには屋根を付けてほしい、とも呼びかけている。

いまタカは、食事を制限され、毎日の運動をさせられている。数週間で、元の場所に放す予定だ。11月7日の時点で、放鳥の日は発表されていない。ダイエットを終えたタカを野に返すために、今度は近所の鶏が、しばらく外出禁止になる。

この記事を書いた記者ミヤムー記者紹介と、ほかの記事を見る →
次の視点

のどかな場所なんだから、
もう勘弁してほしい

――ある住民が、週末の重低音に

ジャンルを変えて「社会・暮らし」から。いま読まれています GMO熊谷正寿代表に近隣住民が「もう勘弁してほしい」 ヘリの爆音と週末の重低音

まだ全然ない!
おい、高野豆腐!

――Xに投稿された、空になった棚の写真

ジャンルを変えて「買い物」から。いま読まれています 高野豆腐が品薄、なぜ? 公式発表と値段を調べて1枚いくらか計算してみた

港の32キロの砲弾を『ワインの瓶』と説明

在パプアニューギニア中国大使館の投稿

ジャンルを変えて「世界のニュース」から。いま読まれています 港の32キロの砲弾を中国大使館は「ワインの瓶」、X線は爆薬と信管を映した
出典

いま読まれている記事

  1. 1アクアの新型冷蔵庫が錆びて見えるのは、わざとだった
  2. 2くるり岸田繁の再婚、祝福一色のはずが?! 藤井セイラ氏の異論に反発
  3. 3Snow Man札幌公演に高校生マーチングバンド、ファン賛否?! Togetterに「ファンが喜ぶ演出かどうかが抜け落ちてる」
  4. 4銚子のサバ加工、約2割が倒産や廃業 国産に替える道はあるのか
  5. 5プーチン氏がJTのロシア4工場を「一時管理」に JTはいくら失うのか
← トップへ戻る