冷水シャワーは体にいいって言うけど
一度も続いたことがない
――続けたいと答えた人は91%、続いたのは64%
写真はイメージ Photo by Caleb Wright on Unsplash
冷水シャワーの効果は本当?「病欠31%減」を過去の研究と比べてみた
スイス・バーゼル大学の心理学者レナ・グレイザー氏の研究で、12週間にわたって冷水シャワーを浴びた人は、対照群より病欠が31%少なかったという結果が出ました。参加者は18〜65歳の719人。自己申告による体調不良の日数も26%減っています。GIGAZINEが11月5日に伝え、はてなブックマークの「学び」で人気エントリーに入りました。
ただ、この31%という数字には、読むときに気をつけたい点がいくつもあります。筆者は元の研究と、10年前に行われたよく似た研究を並べて確かめてみました。
719人・12週間、「病欠31%減」の中身
研究は、グレイザー氏の博士論文「Breaking the habit: psychological strategies to promote health and sustainability」の一部です。バーゼル大学の公開リポジトリで読めます。参加の条件は、健康で、普段は冷水シャワーを浴びていない人。12週間、自宅の設備で出せる一番冷たい水を浴びてもらいました。
心の面(心理的ウェルビーイング)は、わずかな改善が報告されています。一方、体の面(身体的ウェルビーイング)は、改善の兆しはあったものの、統計的に有意な差は出ませんでした統計的に有意。
もう一点、大事なところがあります。ScienceAlertとGIGAZINEによれば、参加者は無作為に振り分けられたのではなく、実際に冷水シャワーを浴びた頻度で分けて分析されています。論文の要旨には「大規模な無作為化比較試験(N=719)」と書かれていますが、報じられている分析は、続けられた人と続かなかった人を比べた形です。査読も、まだ受けていません。
10年前の3,018人の研究と比べてみた
比べる相手として、2016年にオランダで行われた研究があります。PLOS ONEに載った査読済みの無作為化比較試験で、参加者は3,018人。30秒・60秒・90秒の3グループと対照群に、くじで振り分けられました。
結果は、病欠が29%減(発生率比0.71、p=0.003)。今回のスイスの31%と、ほとんど同じ数字です。
ただ、この研究で目を引くのはもう一つの結果です。病欠は減ったのに、体調不良の日数(illness days)には、グループ間で意味のある差が出ませんでした。論文は、病欠は減ったが体調不良の日数は減らなかった、と書いています。つまり「病気になりにくくなった」のか「体調が悪くても出勤するようになった」のかは、この数字だけでは分かりません。
今回のスイスの研究は、体調不良の日数も26%減ったとしています。ここは10年前と違う点で、だからこそ査読が済んでいないことが気になります。
続けられなかった人は、どれくらいいたのか
冷水シャワーが苦手な人の数も、両方の研究に残っています。
スイスの研究では、最初の2週間で脱落者が多く出ました。その後は落ち着き、続けた人は各週で77.3〜90%の頻度で実行したと報告されています。グレイザー氏は、人は少しずつ慣れていくと述べ、毎日同じ温度でなくてよい、自分の体の声を聞くことが大事だとしています。
オランダの研究では、30日間の必須プロトコルを終えたのは79%。続けたいと答えた人は91%いたのに、実際に続けたのは64%でした。体や手足の冷えが残るという軽い反応も、最大13%の参加者に出ています。ただし、重い有害事象で冷水シャワーが原因とされたものはありませんでした。
お湯をやめると、1回いくら浮くのか
お金と二酸化炭素の数字も出ています。バーゼル大学の発表では、45リットルのシャワーを40℃から15℃に下げると、1回で1.3kWhのエネルギーが節約できます。1人あたり12週間で二酸化炭素15kg、車で約100km走る分に相当します。参加者全体では、合計8.8トンでした。
日本の家庭の目安で計算してみます。公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電力料金の目安単価は31円/kWh(税込)。1.3kWh分なら1回で約40円です。毎日12週間(84回)続けたとすると、約3,400円。ただし日本ではガス給湯が多いので、これは電気で沸かした場合の目安になります。
11月5日午後の時点で、この研究を載せた査読付きの学術誌の論文は見つかりません。公開されているのは、バーゼル大学のリポジトリにある博士論文です。
ネットの評判
GIGAZINEの記事には、はてなブックマークが14件付いています(11月5日時点)。
目立つのは慎重な見方です。あるユーザーは「冷水シャワーを浴び続けられる人は元々身体が丈夫なのでは?」と書いていました。別のユーザーは「今回の研究結果はまだ査読を受けておらず、分析されたデータは被験者の自己申告に基づいているという点にも注意が必要」と、記事の注意書きを引いています。「ヒートショックで死なないでね」という声もありました。
実践している側の声もあります。あるユーザーは「浴槽に浸かったあとは冷水シャワーで全身の熱を抑えるようにしてるな」と書いていました。
まとめ
数字を並べてみると、「病欠が減る」はスイスとオランダの両方で出た、再現性のありそうな結果でした。一方で「病気そのものが減る」は、査読済みの研究のほうでは確かめられていません。筆者が一番引っかかったのは、続かなかった人の数が、どちらの研究にもはっきり残っていたことです。
源泉所得税が納付できないんだけど、どうすれば
――納期限は11月10日、期限延長の案内はまだない
給与明細、見えるところに
置いてあった
――ある妻が、家の中で
全国大会に20回以上出た高校生、ドームで賛否?!
Snow Man札幌公演の演出をめぐるファンの声
- Breaking the habit: psychological strategies to promote health and sustainability(Lena Glaser 博士論文・バーゼル大学 edoc)
- The Effect of Cold Showering on Health and Work: A Randomized Controlled Trial(PLOS ONE, 2016)
- Cold showers benefit the environment and your health(バーゼル大学プレスリリース・EurekAlert)
- よくある質問 Q&A(公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会)
- 「冷水のシャワー」を浴びる人は病欠が少なくなるとの研究結果(GIGAZINE)
- People Started to Take Cold Showers in an Experiment, And a Strange Thing Happened(ScienceAlert)
- Cold shower routine may reduce sick days while cutting carbon emissions(Medical Xpress)
- はてなブックマーク(GIGAZINE該当記事のコメント)