沖縄の料理だと
思ってた

――大分の郷土料理、100年フードに認定

11/5 15:13 / 発信国:日本 / 記者:工藤

りゅうきゅうが100年フードに認定 大分の郷土料理なのに、名前の由来はまだ謎

大分の居酒屋で「りゅうきゅう」を頼んでも、沖縄料理は出てこない。アジやサバの刺身を、醤油・酒・みりん・ごまのタレで和えた小鉢が来る。この大分の郷土料理が、2026年2月27日、文化庁の100年フードに認定された。申請したのは杵築市。部門は「伝統の100年フード部門~江戸時代から続く郷土の料理~」だ。

11月5日の時点で、文化庁のサイトに載っている大分県の100年フードは5件。戸次のほうちょう、黄飯、頭料理、佐伯ごまだしに続いて、りゅうきゅうが5つ目になった。

漬けていたのは、冷蔵庫がなかったから

元は漁師のまかないで、保存食だった。魚をさばいたときの切れ端や、食べ残した刺身をタレに漬けたのが始まりとされる。日本経済新聞の記事によると、広まったのは明治以降。漁と冷蔵の技術が上がって、魚を運べるようになってからだ。長い間、大分の人だけが食べていたのは、魚が動かせなかったから、ということになる。

朝の漁港に停まる漁船
写真はイメージ Photo by Nick Fewings on Unsplash

いまは杵築市の会社が、漬けダレごと通販で売っている。店のほうは逆で、注文を受けてからタレをかけるところもあるらしい。保存のために漬けていたものが、鮮度を見せる一皿に変わった。

ネットの食べ歩き記事は、味を素直にほめる。ライターの白央篤司さんは2018年、メシ通に「もっとマネされてほしいうまさだった」と書いた。ただ、見出しはどれも先に名前をいじる。「琉球なのに大分名物」「大分なのにりゅうきゅう?」。

沖縄に、その料理がない

大分市のPRサイト「りゅうきゅうpr大作戦」には、大分大学の学生が調べた結果として、琉球王国から伝わった説が有力と書いてある。農林水産省のページにも、大分の漁師が琉球(沖縄)の漁師から作り方を教わったという説が載る。なら、本家は沖縄だ。

ところが、沖縄に魚をタレに漬ける郷土料理はない。日本経済新聞の記事で、民俗学者の段上達雄さんがそう指摘している。段上さんの見方は「遠い地方から鮮魚を持ってきたため、遠い地方の名称をつけたのでは」。沖縄から来たのは、料理ではなく名前の響きだけなのかもしれない。

もう1つの説は、利休和えがなまったというもの。「りきゅう」が「りゅうきゅう」になった、と。農水省も大分市も、この2つを並べて書く。どちらも定説ではない。数百年食べ続けてきて、分かっていないのは名前の出どころだけだ。

さて、この文化庁の味な企画「100年フード」
部門は3つある。江戸時代から続く「伝統」、明治・大正に生まれた「近代」、これから100年続けたい「未来」。認定されると、ロゴマークをウェブサイトやSNS、商品パッケージに使える。売り場に貼れる看板が1枚増える、ということだ。令和8年度の応募は、2026年10月20日に始まっていて、締め切りは11月20日(金)だ。

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