職員のパソコンは、
Windowsのままです
――ミュンヘン市のデジタル責任者が、二度目のオープンソース宣言で
ドイツ・ミュンヘン市がまた脱Microsoft 一度やめた街が、懲りずに二度目
ドイツのミュンヘン市が、また「脱Microsoft」を始めた。2026年10月9日、プラハで開かれたオープンソースの国際会議で、市のデジタル責任者ローラ・ドルンハイムが「Munich After LiMux: More Open Source Than Ever」と題した講演をした。LiMuxのあとのミュンヘンは、前よりオープンソースだ、という意味だ。
え、あの市がまた? ミュンヘン市は2004年から、Linuxを使った独自のOS「LiMux」を職員のパソコンに入れ、2017年にやめてWindowsに戻した街だ。その同じ市が、9年たってまたMicrosoft製品を外し始めている。
置き換えるのは、裏方のソフト
ただし、今回は職員の机の上には手を付けない。替えるのは、市の裏側で動いているソフトだ。
サーバーを仮想化するVMwareを、オープンソースソフトウェアのProxmoxに替える。2027年に終える予定で、年におよそ100万ユーロ(約1億8000万円)が浮くという。市は、仕事の進み具合を管理するJiraとConfluenceを、2025年にOpenProjectとXWikiへ乗り換えると決めた。年に50万ユーロ(約9000万円)以上の節約になるそうだ。データベースのOracleも、少しずつPostgreSQLに替えていく。
合わせて、年におよそ150万ユーロ(約2億7000万円)。市は2024年にOSPOという部署を作り、職員が仕事を離れてオープンソースの開発に加われる制度も用意した。2020年の連立の合意には、Public Money, Public Codeという言葉が入っている。
一方で、Linuxのデスクトップは戻ってこない。ZDNETは「今のところは」と書いた。「ついに」と歓迎する声が指しているのは、職員のパソコンの話ではない。
前回は、技術ではなく票で終わった
では、前回はなぜ終わったのか。
LiMuxは2006年から広がり、2012年の時点で市の約1万5500台のうち約1万2600台に入っていた。市は当時、1170万ユーロ(今のレートで約21億円)を節約したと発表していた。
転機は2016年ごろだ。Microsoftがドイツ本社をミュンヘンに移す案を示し、コンサルティング会社のAccentureが450ページの報告書を市に出した。報告書には、Windowsのパソコンを選ぶのがいいという話が入っていた。2017年11月、市議会は投票でWindows 10に戻すことを決めた。挙げた理由は、職員に受け入れられていないことと、Linuxで動く業務ソフトが足りないことだった。予算は最大1億ユーロ(約180億円)と伝えられた。
ドルンハイムは、公共機関のオープンソースが失敗するのは技術のせいではなく、政治の方向と合わないからだと話した。ただ、全員がそう見ているわけではない。LiMuxを批判してきた人たちは、使い勝手と、ほかのソフトとの相性の悪さを前から挙げている。どちらが本当だったのかは、決着していない。
ネットの評判
ZDNETの記事を共有したLemmyの投稿には、6件のコメントが付いた。最も票を集めたのは、こういう動きが広く知られること自体に意味があるという声だ。JiraやConfluenceの代わりになるソフトを知るきっかけになった、という声もあった。注文も出ている。市が使っているオープンソースの開発に、少しでもお金を出してほしいというものだ。政治家はLinuxに移すのに6年、戻すのにまた6年を使った、と前回の往復を数えるコメントもあった。オープンソースの情報サイトIt’s FOSSの掲示板では、今回のやり方は現実的で地に足がついていると評価する投稿が出ている。日本語では、ITmediaの記事にはてなブックマークが3件付いたが、11月4日の時点でコメントは書かれていない。
懐疑派の論点は、ドルンハイム自身の言葉とぴったり重なる。政治と合わなければ失敗するなら、政治が変われば今回も終わる。前回ミュンヘンの方針をひっくり返したのは、技術ではなく市議会の票だった。
うちのソース付けて食うわ
日本人は何も言えんやろ
――フランスから投稿した人が、日本人に
残ったのは、高い席ではなかった
Number_i札幌ドームの空席報道
何もない田舎の風景
それでも300人が見ている
――岩手・遠野、田んぼの神社の24時間配信
- ミュンヘン市はなぜ再びオープンソースソフトウェアへ回帰するのか? 脱Microsoftを巡る欧州の最新事情(ITmedia PC USER、1〜3ページ)
- Munich: Open Source is back(heise online 英語版)
- Munich Returns to Open Source, Starting With Its Infrastructure Rather Than Linux Desktops
- ドイツ・ミュンヘン市が再びオープンソースに移行--「Linux」デスクトップを含まず(ZDNET Japan/Yahoo!ニュース)
- LiMux(英語版ウィキペディア)
- Open Source Summit + Embedded Linux Conference Europe 2026 公式スケジュール(Laura Dornheim「Munich After LiMux: More Open Source Than Ever」)
- Munich dumps proprietary for open source (again) - but no Linux desktop(Lemmyの投稿とコメント)
- Here's a description of Munich Germany's current approach to open source(It's FOSS Community)
- はてなブックマーク(ITmedia該当記事のエントリー)
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