Teamsに招待しておいたので、
見ておいてください
――脱退しても、ゲストアカウントは残る
写真はイメージ Photo by Workperch on Unsplash
「Teamsに招待しました」は親切か ゲスト招待と共有チャネルを比較
九州大学教授の荒川豊さんが10月15日に公開したnoteの記事が、はてなブックマークで162users、67件のコメントを集めています。
題は「『Teamsに招待させていただきました!』という無邪気なテロ行為について」。取引先や共同研究先から突然届く「弊社のTeamsにゲスト招待しました」を、悪意のない暴力だとした文章です。
荒川さんは記事の中で、Microsoft Teamsを現代のビジネスシーンにおける「デジタル産業廃棄物」と書いています。複数のテナントをまたいで働く人には、切り替えの負担が重すぎるという主張です。
招待する側は、たいてい親切でやっています。招待された側に、打てる手はあるのでしょうか。マイクロソフトの公式ドキュメントを開いて、ゲスト招待と共有チャネルを並べて比べてみました。
招待された側に、何が起きているのか
公式の説明では、Teamsにゲストを招待すると、その人のゲストアカウントがMicrosoft Entra IDに作られます。つまり、相手の会社の名簿に自分の行が1行増えます。
ゲストはTeamsの中から、いつでもチームを脱退できます。ただし公式文書には、チームから脱退してもゲストアカウントは組織のディレクトリから削除されない、消すにはEntraの管理者の作業が必要だと書かれています。
ゲストがチームに追加されてから、実際にアクセスできるようになるまでは「最長で 12 時間かかる」とも書かれています。招待された直後に開いても入れず、相手に聞き返す、というやり取りには理由があったわけです。
さらに、Microsoft 365グループへ直接追加された場合は招待メールが生成されないため、「チームの誰かがゲストに通知する必要がある」とされています。あの「招待させていただきました!」というメールは、しくみの穴を人が埋めている一言でもあります。
招待する側が選べた、もう一つの道
Teamsには、ゲストアカウントを作らない道もあります。共有チャネルです。公式文書は、ゲストは共有チャネルに追加できない一方、組織外の人をB2B直接接続で招待して参加させられる、と説明しています。共有チャネル自体はTeamsで既定で有効です。
ただし、別の公式文書によれば、既定では他の組織とのB2Bコラボレーション、つまりゲスト招待は有効で、B2B直接接続はブロックされています。
相手にアカウントを作らせる招待は何も設定しなくても飛ばせて、相手の負担が軽いほうは双方の管理者がテナント間アクセス設定を入れないと使えません。無邪気な招待が止まらないのは、人の無配慮だけでなく、既定値のせいでもある、と筆者は受け取りました。
招待された側が、今日からできること
断りにくい人向けに、公式の手順も確認しました。自分で抜けるなら、マイアカウントのページを開き、左の「組織」から「共同作業を行う他の組織」を探して「脱退」を選びます。職場または学校のアカウントなら、そのままサインインできます。
個人用アカウントやメールのワンタイムパスコードで参加した場合は、テナント名やテナントIDを付けたURLが必要です。プライベートブラウザーで開く必要がある場合もあると書かれています。
厄介なのはその先です。相手の会社の管理者が「外部ユーザーの脱退」を「いいえ」にしていると、脱退を押してもメッセージが出るだけです。管理者かプライバシー連絡先に削除を依頼することになります。しかもこの設定は、テナントにプライバシー情報を追加した場合にのみ構成できるとされています。
脱退したあとのアカウントは「論理的に削除」され、既定では30日間は完全には消えません。会社ぐるみで受けたくない場合は、Entra管理センターの送信アクセス設定のB2Bコラボレーションで「アクセスをブロック」を選ぶ手もあります。ただし公式文書は、既定をブロックにすると業務に必要なアクセスまで止まる恐れがあると注意しています。
ネットの評判
はてなブックマークでは162users、67件のコメントが付きました。多いのは賛同で、「Teamsのゲスト招待はまーじで鬼門。認証周りの挙動がおかしくて沼るよね。」「切り替え無理なのでダブルアカウント、ダブル端末で運用せざるを得ない」といった声が並びます。「招待メールを別アカウントのブラウザで開いちゃうとドツボで、招待元の管理者がユーザー削除→追加しないと復旧できないんだぜ」という書き込みもありました。
招待してきた側からの一言もあります。「いろんな組織のたくさんの方々を招待してきた」という人が、「ご迷惑おかけして本当に申し訳ございません。」と書いていました。
一方で、反対の見方も出ています。「今日のTeamsヘイト会場。テナント切り替えの手間はむしろ誤爆防止にいいんじゃないの?あと自分が他テナントに切り替えたくないから招待するんでしょ」「特にテナント移るときにエラーなんて見ませんが…。」。「で、slackで複数組織/チームに参加してるときは体験が好ましいかというと、必ずしもそうではない」と、乗り換え先に疑問を向ける声もありました。
まとめ
招待する側には一手間でも、される側には名簿の1行、最長12時間、抜けるときの申請が残ります。どちらが正しいかではなく、送る前に共有チャネルを思い出せるかどうかの差だと思いました。
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