国が滅びるって、
具体的にどうなるの?
――ある匿名の投稿が
写真はイメージ Photo by Tsuyoshi Kozu on Unsplash
「国のために戦う意味が分からない」がはてな1位 226件のコメントが答えた
「国家のために命を懸けて戦う意味がよくわからない」。10月31日の午前、はてな匿名ダイアリーにそういう題の文章が出た。その日のうちに、はてなブックマークの人気1位になった。ブックマークは275件、コメントは226件ついている。
投稿の中身は、ほとんどが質問だ。仮に日本が他国に侵略されて、負けたらどうなるのか。よく「国が滅びる」と言うが、それは具体的に何が起きることなのか。書いた人はこう言う。「別に日本という国家が消滅したからといって、日本人がいきなり消滅するわけでも、日本語や日本文化が消えてなくなるわけでもないでしょ」「単に統治する組織が変わるだけじゃないの?」
そのあとに、戦場の話が続く。ドローンで脚をやられたロシア兵が、戦友に自分の頭を指さして撃ってもらった。両脚を失った兵士が、痛みのあまり森に置いていってくれと頼んだ。どちらもウクライナの戦争で報じられた話だという。そして最後の一行が、これだ。「それほどの犠牲を払ってまで、国家を存続させる必要があるのだろうか。」
負けたら、何が起きるのか
コメントの多くは、この問いに答えようとしていた。
あるユーザーは「ウクライナやガザを見たら判るのでは?占領地で何が起こってるのか、ちょっと調べればわかるよね」と書いた。別のユーザーは「戦場は悲惨だから最初から降参した方が被害が少ないという考えはわかるけど、相手がある程度、人権を保証してくれるという根拠がわからない」。ブチャで起きた住民の殺害を挙げる人もいた。
言いたいことは一つだ。「統治する組織が変わるだけ」では済まない。土地と財産を取られ、働かされ、殺される例が、いまも目の前にある、と。
ただ、反論しながら投稿を否定しない人もいて、そこが少しねじれている。「敗戦したのに国民がさほどひどい目に遭っていない日本が特殊事例なんだよなぁ」。こういう疑問を持てること自体が、歴史の中ではかなり珍しい、という見方だ。
ネットの評判
はてなブックマークでは、投稿への反論が目立つ。占領された土地でいま何が起きているかを示す声が、いちばん多い。
一方で、投稿の感覚に賛成する声もある。国家は人をまとめるための共同の思い込みで、一人の人間としての理屈を大事にするのは当たり前だ、という書き込み。「国境から遠い田舎に住んでたら、多分それでOKです」という一言。国を出る、逃げ隠れて暮らす、という選択を挙げる人もいた。
「若者がそう思うのは当然だろうな」と書いた人もいる。だれが言うかで、受け取られ方が変わる話でもあるらしい。
お金は過去最高、戦う気は世界最低
では、世の中はどう答えているのか。
内閣府が2026年1月9日に出した「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」では、自衛隊の規模を「増強した方がよい」と答えた人が45.2%で、過去最高になった。日米安全保障条約が日本の平和に「役立っている」は92.0%。これも過去最高だ。調査は2025年11月6日から12月14日まで、18歳以上の3,000人に郵送で行い、1,534人が答えた。
お金も増えている。GDP比2%という目標は、高市早苗首相のもとで2年前倒しされた。2026年度の政府予算案では、防衛費が9兆353億円。初めて9兆円を超えた。2022年度と比べると、およそ7割増だ。2027年からは、所得税に1%を足す防衛増税も始まる。
守りを固めることには、賛成が増えた。払うほうにも、日付がついた。
ただ、もう一つ数字がある。世界価値観調査は、各国の人に「もし仮にそういう事態になったら、あなたは進んでわが国のために戦いますか」と聞いている。日本で「はい」と答えた人は13.2%。調べた79カ国の中で、いちばん低かった。
自衛隊を増やせという人は過去最高の45.2%。自分が戦うという人は、79カ国で最低の13.2%。負けたら具体的にどうなるのか、という匿名の質問が1位になったのは、たぶんこの差のせいだ。
うちのソース付けて食うわ
日本人は何も言えんやろ
――フランスから投稿した人が、日本人に
残ったのは、高い席ではなかった
Number_i札幌ドームの空席報道
何もない田舎の風景
それでも300人が見ている
――岩手・遠野、田んぼの神社の24時間配信