体にいいのは知ってる
でも、あの味が無理
――健康食品会社の調査で、3人に1人が
写真はイメージ Photo by Towfiqu barbhuiya on Unsplash
「味が苦手」と言われるリンゴ酢を炭酸缶に 米で1缶2.49ドル、瓶と比べた
「体にいいのは知っている。でも、あの味がどうしても無理」
リンゴ酢について、そう感じている人は少なくないようです。アメリカの健康食品会社が2025年に行った調査では、成人の35.0%が、定期的に飲まない理由に「味」を挙げていました。
その会社が、答えを缶に詰めてきました。
Bragg Live Foods(ブラグ・ライブ・フーズ)は10月15日、有機リンゴ酢を大さじ1杯だけ入れた12オンス(約355ミリリットル)の炭酸飲料「Bragg Tropical Zing」を発表しました。味はストロベリーウォーターメロン、マンゴーパイナップル、シトラスジンジャー、ドラゴンフルーツベリーの4種類です。
1缶40キロカロリー、添加糖はゼロ。甘みは果汁だけで、ステビアもモンクフルーツも使っていません。希望小売価格は1缶2.49ドル、4本入り8.99ドル。10月下旬からネット通販で売られます。業界メディアのF&B Departmentは、店頭への広がりが2027年の前半になるとみています。
リンダ・ボードマン最高経営責任者(CEO)は発表資料で「健康法は、単純で、楽しく、毎日の習慣に収まるときにいちばんうまくいく」と述べています。
今回比べるのは「缶」と「瓶」
リンゴ酢を続けたい人が本当に迷うのは、この缶を箱で買うか、これまでどおり瓶から量って飲むか、だと思います。同じ「大さじ1杯」をいくらで飲めるのか、数字で並べてみました。
1杯あたりを計算してみた
缶に入っているリンゴ酢は大さじ1杯、およそ15ミリリットルです。
一方、同社の有機リンゴ酢の定番は16オンス(473ミリリットル)の瓶。473を15で割ると、約31杯分になります。
筆者が開いて確かめられた販売ページの一つ(シアトルの食料品店の通販)では、この瓶が8.99ドルでした。31で割ると、1杯あたり約29セントです。
缶は4本8.99ドルなら1本約2.25ドル。同じ大さじ1杯のリンゴ酢に、およそ8倍を払う計算になります。
瓶の値段は小売店によってかなり違い、もっと安く売っている店もあります。つまり、差が8倍より開くこともあります。
では、残りの約2ドルは何の代金か。炭酸水と果汁、アルミ缶、そして「顔をしかめずに飲めること」への代金、ということになります。そこに2ドルの価値を見るかどうかが、この商品の分かれ目だと思います。
35.0%という数字の中身
味が壁だという35.0%は、調査会社Big Village Researchが2025年2月28日から3月6日にかけて、アメリカの成人2,010人に聞いたものです。
もう一つ、Bragg Live Foodsが引いている調査もあります。調査会社Talker Researchが2026年8月27日から31日に、アメリカの成人1,000人に聞いたもので、57%が「もっと単純な健康法がほしい」、47%が「健康管理に圧倒されている」と答えています。
どちらも、調査を頼んだのは商品を売る側です。設問の文言や、回答者をどう集めたかは、発表資料には書かれていません。数字は出ていますが、読むときはそこを差し引く必要があります。
「効果」の方は、言われているほどか
ここが、いちばん意見の割れるところです。
2025年9月に公表された系統的レビュー・メタ分析(10件のランダム化比較試験、計789人)では、リンゴ酢を毎日とった人の体重、BMI、腹囲がいずれも減っていました。1日30ミリリットルの群で、効果がより大きかったとされています。
ただ、著者自身が限界を並べています。試験の期間が4〜12週と短いこと、研究ごとのばらつきが大きいこと、そして出版バイアスの可能性があることです。
さらに2025年9月、医学誌BMJ Nutrition, Prevention & Healthが、2024年3月に載せたリンゴ酢の臨床試験を撤回しました。統計の値が「ありえない」、解析をやり直しても再現できない、試験の事前登録がない――といった理由です。著者側は「正直な間違い」と認め、撤回に同意したと報じられています。
歯の話もあります。米国歯科医師会(ADA)のニュースによると、リンゴ酢を日常的に飲むとエナメル質が削れ、痛みや虫歯、高額な治療につながると専門家が警告しています。勧められているのは、水で薄める、ストローで飲む、飲んだあと水で口をゆすぐ、1時間は歯をみがかない。英バーミンガム大学のヨゼフィーネ・ヒルシュフェルト准教授(修復歯科学)も、食事と一緒に飲み、歯をみがくのは30分ほど待つよう勧めています。
缶は炭酸水と果汁で薄まっているので、ストレートで飲むよりは酸がやわらぎます。ここは缶の利点です。ただ、入っている酢の量は大さじ1杯で同じで、酢酸の濃度は缶のラベルに書かれていないという指摘もあります。
計算に戻ります。研究で効果が大きかった1日30ミリリットルは、この缶2本分です。4本入りの値段で毎日続けると、1か月で約135ドルになります。
試した人の声
発売前に試した人の記録が、1本見つかりました。
料理サイトAllrecipesの上級編集者Courtney Kasselさんは、コンブチャのような癖のある酸味を予想していたけれど、果実味とよく釣り合っていて、この商品に合う味だったと書いています。ステビアもモンクフルーツも入っていないので、「体にいい系」の炭酸にありがちな後味がない点を特に評価していました。4種類のうちではマンゴーパイナップルとドラゴンフルーツベリーが良く、「外れはなかった」としています。
一方、発売直後のため、買った人のまとまった口コミや、賛否の分かれ方は、筆者が開いて確かめられた出典では見つかりませんでした。
まとめ
缶にすれば、味の壁は下がります。それは、試した人の記録からも読めます。
ただ、同じ大さじ1杯のリンゴ酢は、瓶から量れば約29セント、缶なら約2.25ドル。研究が効果を見ていた1日30ミリリットルを缶で続けると、1か月で約135ドルです。
続けやすさに2ドル払うか、瓶で29セントのまま我慢するか。選ぶ材料は、この2つの数字でひとまず足りると思います。歯のことだけは、どちらを選んでも、飲んだあとに水で口をゆすいでおくのが無難なようです。
出典
Bragg Live Foodsの発表資料(10月15日)、2025年9月の系統的レビュー・メタ分析、米国歯科医師会のニュース、The Conversationに載った歯科医の解説、リンゴ酢の瓶を売る小売店の商品ページ、F&B Departmentの記事、Bevlabの商品解説、Allrecipes編集者の試飲記(Yahoo Lifestyle掲載)、撤回を伝えたHealioの記事。URLは出典欄にまとめています。
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- Bragg Brings Its Iconic Apple Cider Vinegar to the Functional Beverage Aisle with New Bragg Tropical Zing Sparkling Beverage(Bragg Live Foods発表資料)
- Effect of Apple Cider Vinegar Intake on Body Composition in Humans with Type 2 Diabetes and/or Overweight: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
- Experts provide latest science on apple cider vinegar(米国歯科医師会 ADA News)
- Apple cider vinegar: is drinking this popular home remedy bad for your teeth? A dentist explains(The Conversation)
- Bragg's Apple Cider Vinegar, 16oz(DeLAURENTI 商品ページ)
- Bragg moves ACV into functional RTD aisle with Tropical Zing(F&B Department)
- Bragg Tropical Zing: A Tablespoon of ACV You Don't Have to Wince At(Bevlab)
- A New Soda Alternative Made With an Unexpected Ingredient Is Coming to Shelves—and We Tried It First(Allrecipes/Yahoo Lifestyle掲載)
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