発芽穀物だから
体にいいんでしょ
――グルテンフリーの商品ではありません
写真はイメージ Photo by Claudio Schwarz on Unsplash
アメリカの「発芽穀物ベーグル」を検証 原材料3番目は「小麦グルテン」
アメリカで、発芽させた穀物と豆だけでつくる「エゼキエル4:9」のパンのシリーズに、ベーグルが加わりました。2026年10月20日の発表です。
健康志向の売り場でおなじみのシリーズですから、「普通のベーグルより体にいいのだろう」と受け取る方は多いと思います。
ただ、公式サイトの原材料表示を開くと、3番目に「有機小麦グルテン」と書かれています。グルテンフリーの対極にある材料です。
今回は、この新商品とアメリカの定番ベーグルの表示を並べて、どこがどう違うのかを数えてみました。
「エゼキエル4:9 発芽ベーグル」とは
つくっているのはFood For Life Baking Co.。味はOriginalとEverythingの2種類で、4個入り、売り場は冷凍ケースです。アメリカの自然食品店やスーパーで扱われます。
使うのは、発芽させた小麦、大麦、豆、レンズ豆、キビ、スペルトの6種類。メーカーは、9種類の必須アミノ酸を含み、アミノ酸は合わせて18種類になるとしています。
有機認証、非遺伝子組み換え、コーシャ、ヴィーガン対応で、人工の保存料・油・ショートニングは使わないとのこと。
同社のGary Torres氏(company principal)は「毎年、熱心なファンからいちばん多く『つくってほしい』と言われてきた商品がベーグルでした」と述べています(英文の発表を訳しました)。
発芽させる意味については、栄養が高まり、ミネラルの吸収を助け、pHのバランスが整い、消化しやすくなり、でんぷんが分解されてGI値が下がる、と説明しています。ただし、その根拠になる試験データは、発表にも公式サイトにも示されていませんでした。
原材料を並べて数えてみました
Originalの原材料は12品目。有機発芽小麦、水、有機小麦グルテン、有機発芽大麦、有機発芽キビ、有機発芽レンズ豆、有機発芽大豆、有機発芽スペルト、有機モルト大麦、海塩、イースト、有機酵素です。
Everythingは、これに有機ニンニク、有機タマネギ、有機ゴマ、有機ケシの実が加わって16品目になります。発表にあった「豆」は、表示を見ると大豆でした。
比べる相手は、アメリカの定番であるThomas’のプレーンベーグルにしました。原材料は15品目。先頭の「強化小麦粉」の中身(小麦粉、麦芽大麦粉、鉄、ナイアシンなど)まで数えると21になります。
内訳には、砂糖、小麦グルテン、コーンミール、保存料のプロピオン酸カルシウムとソルビン酸、モノグリセリド、クエン酸、グアーガム、植物油(大豆)、大豆レシチン、ゴマが並びます。
砂糖も油も保存料も入らないエゼキエル側とは、ここではっきり差がつきました。品目の数ではなく、何が入っていないかの差だと筆者は受け取りました。
「グルテンフリー」ではなく、グルテンを足しています
ここが今回いちばん意外だった点です。
アメリカの食品表示は、原材料を重量の多い順に並べる決まりです(連邦規則21 CFR 101.4(a)(1)。FDAはパン・菓子類向けの指針でも同じ条文を引いています)。
その並びで、新しいベーグルは3番目が「有機小麦グルテン」。小麦と水のすぐ後ろです。
一方、同じシリーズの定番である24オンスの食パンでは、原材料は11品目で、有機小麦グルテンは9番目でした。
同じブランドで、ほぼ同じ穀物の組み合わせでも、ベーグルのほうがグルテンの配合量は多いと読める並びです。ベーグルらしい噛みごたえを出すためだろうと筆者は見ています。
アレルゲン表示も「小麦、大豆、ごまを含む」。木の実を扱う工場でつくっているとの注記もあります。グルテンを避けたい方の選択肢ではありません。同社には別に「Sprouted for Life」というグルテンフリーの製品群があり、ベーグルはそちらではない、という整理です。
もう一点。1個あたりのカロリーやたんぱく質、食物繊維の数値は、公式サイトでは画像の栄養表示にしか載っておらず、文字では公表されていません。発表にも数字はなく、価格も出ていません。
比べる相手のThomas’では、1個(95g)で270kcal、たんぱく質10g、食物繊維2g、糖類6g、食塩相当量1.13gが公開されています。片方の数字が出ていないので、「どちらが栄養で上か」は、いまの時点では言えません。
ネットの評判
新しいベーグルそのものの感想は、出典で確かめられるものを見つけられませんでした。発売から数日なので、これからだと思います。

発表にある「毎年いちばん要望が多かった」という話は、裏を返せば長く待たれていたということです。
同じブランドの発芽パンについては、英語圏のレビュー記事とそのコメント欄に、分かれた声が残っています。「このパンが大好き」という書き込みがある一方で、「トーストすれば食べられる、という程度。冷凍焼けしたような後味でがっかり」という厳しい声もありました(いずれも英語の書き込みを訳しました)。
「冷蔵庫に入れて、必ずトーストする」という使い方を書いている人もいます。冷凍で売られる理由も、こうした食べ方にありそうです。
まとめ
発芽させた穀物と豆が6種類で、砂糖も油も保存料も使わない。ここは定番ベーグルとはっきり違いました。
一方で、グルテンフリーではなく、原材料の3番目にグルテンが入っています。1個あたりの数値と価格も、まだ公表されていません。
値段と食べやすさで選びたい方なら、数字がそろってから考えても遅くない商品だと筆者は思います。
出典
Food For Life Baking Co.公式サイト(Original・Everythingの製品ページ、エゼキエル食パンの製品ページ)/PR Newswire「Food For Life Baking Co. Launches Ezekiel 4:9 Organic Sprouted Bagels」/FDA CPG Sec. 505.100(原材料の表示順)/Open Food Facts(Thomas’ Plain Bagelsのラベル情報)/Snack Girl「Ezekiel Bread Review」
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- Food For Life Baking Co. Launches Ezekiel 4:9 Organic Sprouted Bagels(PR Newswire)
- Organic Ezekiel 4:9 Sprouted Original Bagels(公式製品ページ)
- Organic Ezekiel 4:9 Sprouted Everything Bagels(公式製品ページ)
- Ezekiel 4:9 Sprouted Whole Grain Bread(公式製品ページ)
- Bagels(Food For Life 公式・ベーグル一覧)
- All Products(Food For Life 公式・Sprouted for Lifeのグルテンフリー製品群)
- CPG Sec 505.100 Bakery Products, Candy(FDA・原材料の表示順)
- Plain Bagels, THOMAS'(Open Food Facts・ラベル情報)
- Food For Life Expands Ezekiel 4:9 Range with Organic Sprouted Bagels(World Bakers)
- Ezekiel Bread Review(Snack Girl・発芽パンの感想とコメント欄)