川に消えた指輪、1600km先の玄関に戻る

届けたのは、ホビット姿の3人

11/7 17:04 / 発信国:アイルランド / 記者:ミヤムー

落とした結婚指輪、ホビット姿のイタリア人3人が1600km飛んで手渡した

アイルランドのパトリック・モーアさんが結婚指輪をなくしたのは、2026年7月の初め。イタリア・トスカーナ州バーニ・ディ・ルッカの、流れの速い川だった。子どもの手をつかんだときに、16年つけていた18金の指輪が外れた。もう戻らない、と本人も思ったらしい。

その指輪が、約3か月後、1600km離れた自宅の玄関に返ってきた。届けたのは、ホビットの仮装をしたイタリア人3人である。

その日、川にいたのは、モーアさん一家のほかに地元の3人だけだった。フィリッポ・パラージさん、ニコラ・マッロッジさん、エドアルド・ポッジさん。3人は、探すと決めた。最初はカヤックの上から探して、見つからない。次に水中メガネをつけ、体をロープで岩に固定して、速い流れに潜った。砂の中で光るものを見つけたのは、マッロッジさんだった。

なくして9日後、モーアさんの電話に、知らない番号から指輪の写真が届く。添えられていたのは、ひと言だけ。「Hi Sméagol, look what we found」。見つけたよ、という知らせだ。スメアゴル

郵送という手もあった

指輪は小さい。封筒に入れて送れば、それで終わりだ。

3人は、ライアンエアーの便に乗った。イタリアからアイルランドまで1000マイル超、約1600km。東京から那覇までが約1550kmだから、それより少し遠い。そして10月1日、モーアさんの家の玄関前に、フロド、メリー、サムが立った。映画の音楽を流しながら、指輪を本人の手に戻した。

指輪の値段は、約2,230ドル(約35万円)と報じられている。では、3人の航空券代はいくらだったのか。11月7日の時点で、それを書いた報道は見つからない。分かっているのは、モーアさんが渡したお礼が、お金ではなかったことだ。

指輪を受け取ったモーアさんは、アイリッシュシチューを作った。グレンダーロッホや、ギネスが飲める近所のパブにも3人を連れていった。別れぎわに贈ったのは、銀のブレスレット。実名と、それぞれのホビット名が刻まれている。

モーアさんは、助けを求めるのをためらう人は多いけれど、求めれば返ってくることもある、と話した。パラージさんによれば、それまで知らない相手だったのに、いまは自分たちにアイルランドの家族ができた。

指輪を落とした男の呼び名は、最初のメッセージでは「スメアゴル」だった。いまは「ガンダルフ」である。

この記事を書いた記者ミヤムー記者紹介と、ほかの記事を見る →
次の視点

のどかな場所なんだから、
もう勘弁してほしい

――ある住民が、週末の重低音に

ジャンルを変えて「社会・暮らし」から。いま読まれています GMO熊谷正寿代表に近隣住民が「もう勘弁してほしい」 ヘリの爆音と週末の重低音

まだ全然ない!
おい、高野豆腐!

――Xに投稿された、空になった棚の写真

ジャンルを変えて「買い物」から。いま読まれています 高野豆腐が品薄、なぜ? 公式発表と値段を調べて1枚いくらか計算してみた

港の32キロの砲弾を『ワインの瓶』と説明

在パプアニューギニア中国大使館の投稿

ジャンルを変えて「世界のニュース」から。いま読まれています 港の32キロの砲弾を中国大使館は「ワインの瓶」、X線は爆薬と信管を映した
出典

いま読まれている記事

  1. 1アクアの新型冷蔵庫が錆びて見えるのは、わざとだった
  2. 2くるり岸田繁の再婚、祝福一色のはずが?! 藤井セイラ氏の異論に反発
  3. 3Snow Man札幌公演に高校生マーチングバンド、ファン賛否?! Togetterに「ファンが喜ぶ演出かどうかが抜け落ちてる」
  4. 4銚子のサバ加工、約2割が倒産や廃業 国産に替える道はあるのか
  5. 5プーチン氏がJTのロシア4工場を「一時管理」に JTはいくら失うのか
← トップへ戻る