給与は、経験に応じて。
で、結局いくら?
――イギリスが求人広告の給与明示を義務化へ
給与の明示義務化、日本にはすでに法律 なぜ求人の幅は広いまま?
イギリスのアンディ・バーナム首相が、2026年11月6日、求人広告に給与を書くことを法律で義務づけると表明した。イギリスの人事の専門家団体CIPDの調査では、給与の幅を必ず載せている会社は41%で、具体的な額まで出している会社は20%しかない。残りは「経験に応じて」で済ませている。
バーナム首相の言葉はこうだ。「若い人であれ、家族を支えようとしている親であれ、応募に時間と労力をかける前に、その仕事がいくら払うのかを知っておくべきだ」。だから、すべての雇い主に「say what you pay(払う額を言え)」を法的な義務にする、と話した。政府が夏から進めていた意見募集は10月27日に締め切られ、回答した人の94%、企業の93%が、給与をもっと見えるようにすることに賛成していた。
会社が見られたくない相手は、求職者ではない
反対の声は、賛成の多さのわりに具体的だった。製造業の団体Make UKの法務ディレクター、ジェイ・バヤニ氏は、法的な義務にするのは「雇用法まわりで、また一つ厄介な事務の山になりかねない」と話した。さらに、新しく採る人の給与を公開すると、市場の相場が今いる社員の給与を追い越しているところでは、ぎすぎすすると続けた。
CIPDも、給与は一律にはできない、候補者の経歴や資格に応じて会社が決められる余地を残すべきだ、という立場をとっている。
会社側がいちばん気にしているのは、応募してくる人の目ではないらしい。すでに社内にいる人の目だ。
求職者の側は、はっきりしている。求人サイトAdzunaの集計では、2026年9月の時点で給与情報が載っていた求人は51%で、割合は下がってきている。労働組合の全国組織TUCのポール・ノワク書記長は、「competitive salary(相応の給与)」のような書き方への不満を挙げて、今回の方針を歓迎した。
日本はもう義務。ただし「幅」は自由
ここで、日本の話。求人に賃金を書くことは、日本ではすでに法律の義務だ。職業安定法により、労働者を募集する広告には、会社の名前、住所、連絡先、仕事の内容、就業場所、賃金の6項目を表示しなければならない。2024年4月1日からは、仕事の内容や就業場所が変わりうる範囲まで示すことが加わった。
では、日本の求人はイギリスより親切なのか。そうは言えない。
幅のある書き方そのものは、認められている。国の指針は、賃金などの条件をできるかぎり狭く、具体的に示すよう「配慮」を求めているだけだ。実際より高い額が必ず払われるかのように見せれば、誤解を生じさせる表示になる。ただ、「月給○万円〜○万円」と広く取ること自体は、違反ではない。義務はあって、幅は自由。これが日本の形だ。
書いたものが守られるかは、また別の話になる。厚生労働省の集計では、ハローワークの求人票と実際の労働条件が違う、という求職者からの申出などが、令和6年度に3,297件あった。10年ほど前の平成27年度は10,937件で、そのうち「賃金に関すること」が2,654件、全体の24%を占めていた。数は大きく減ったが、相談の中身でいちばん多いのは、いつも給与の話だ。ハローワーク求人ホットラインが、その受け皿になっている。
ネットの評判
海外の技術系掲示板Slashdotでは、賛否が分かれた。賛成側が挙げるのは、給与を知らずに応募して時間を捨てることがなくなる、新しく入った人がいくらもらっているかが見えるようになる、という点だ。アメリカのワシントン州やカリフォルニア州ではもう義務になっていて「とても役に立っている」という書き込みもあった。
懐疑的な声も目立つ。幅を極端に広く書いて意味をなくすだろう、職種名を細かく分けて抜け道を作るだろう、という予測だ。高く買いたい候補者に出せる額が縛られる、という指摘もあった。
11月7日の時点で、イギリスは法案をいつ出すかも、違反したときの罰則も決めていない。基準や罰則を含む詳しい指針は、追って出すとしている。日本の職業安定法は、1947年から求人への賃金の表示を義務にしてきた。イギリスがこれから作る法律が、給与の幅をどこまで狭めるのかは、まだ決まっていない。
この記事を書いた記者ミヤムー記者紹介と、ほかの記事を見る →のどかな場所なんだから、
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まだ全然ない!
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港の32キロの砲弾を『ワインの瓶』と説明
在パプアニューギニア中国大使館の投稿
- 'Say what you pay': Burnham pledges mandatory salaries in job adverts (HRreview)
- Publishing salaries to become legal requirement (Personnel Today)
- Employers to face mandatory salary disclosure in job advertisements (Employee Benefits)
- Britain's Andy Burnham tells employers they must include pay in job ads (UPI)
- Britain to Make Salary Disclosure In Job Ads Mandatory(コメント欄を含む) (Slashdot)
- 職業安定法に基づく周知|労働者の募集広告の表示について(厚生労働省)
- ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数(厚生労働省)
- 職業紹介事業者等が適切に対処するための指針(平成11年労働省告示第141号・厚生労働省)
- 募集時の労働条件の明示(人事担当者のための労働法)
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