そのメガネ、
いま撮ってないよね?

――10回試して、8回は撮れた

写真はイメージ Photo by ZEELOOL Glasses on Unsplash

10/30 13:48 / 発信国:オランダ / 記者:工藤

Metaのカメラ付きメガネ、オランダの3団体が販売停止を求めて裁判に

メガネのふちで小さく光るランプ。あれが「いま撮っています」の合図だ。そこに市販のシールを貼ったら、周りに何も知らせないまま写真と動画が撮れた。オランダの消費者団体Consumentenbondが9月10日に出した検証の結果だ。

シール1枚で? 10月15日、この団体とOfflimits、The Firewallの2財団が、Metaのカメラ付きメガネをオランダで売るのをやめさせる仮処分を申し立てた。審理は11月26日、アムステルダムの裁判所で開かれる。

ランプを隠して10回試したら、8回は撮れた

Metaは、ランプが隠されたり壊されたりしたのをメガネが見つけると、カメラは自動で止まると説明している。本当にそうなるのか。ベルギーの公共放送VRT NWSが、ネットで売っているカバーを買って試した。10回のうち8回、メガネは写真や動画を撮った。

使われたシールは、正面の光は通さないが、横からはわずかに光が入る。だからメガネ側は隠されたと気づかない。Metaが9月2日に配ったアップデートのあとでも、同じ手が通った。

Metaでウェアラブルを率いるAlex Himelは、それでも売るのをやめないと話した。「このメガネには、人から遠ざけたくない良いところがある」。音で知らせる方法も試したが、スピーカーは掛けている人の耳元にあって周りには聞こえない。「光なら分かる。とくに点滅しているときは」

買いたい人は5%、心配な人は72%

広告業界誌Adformatieが調査会社MSI-ACIと組み、オランダの消費者500人に聞いた結果が10月1日に出た。このメガネを買いたいと答えたのは5%。プライバシーが心配だと答えた人は72%。禁止すべきだという人は46%だった。

人が行き交う商店街
写真はイメージ Photo by Anton on Unsplash

新しいガジェットの話は、たいてい着けた人の感想で語られる。でも数で多いのは買わない側だ、と本誌は見る。

VRT NWSは、アントワープの大通りで、会ったこともない通行人の名前をこのメガネで言い当てた。メガネに顔を見分ける機能はないが、倫理ハッカーが作ったアプリに映像を送ると、ネット上の顔写真と照合できた。顔で人を見分けるのは生体データを扱うことになり、EUの法律では原則として禁止されている。

メガネチェーンのHans Andersは10月2日、オランダとベルギーで販売を止めた。ただベルギーでは、bolやPearleで今も買える。

ネットの評判

オランダのセキュリティ情報サイトSecurity.NLの書き込み欄では、意見が割れた。「スマホでも撮れる。メガネだけ止めても意味がない。やるなら法律で」という声と、「スマホは向けられたら分かる。メガネはランプを隠せるから、こっそり撮るのはずっと簡単だ」という声だ。

動画の削除も話題になった。上の動画がそれだ。風刺動画を作るRoel Maalderinkが、デジタル権利団体Bits of Freedomと組み、このメガネでMetaのアムステルダム事務所の社員を撮った。顔はぼかしてある。MetaはこれをInstagramから「いじめと嫌がらせ」にあたるとして消した。

3団体は、全部を止めろとは言っていない。目が見えない人や見えにくい人には例外を認める案を付けた。このメガネには、ボランティアが映像越しに手助けするBe My Eyesが入っている。

周りに知らせる方法として、音は使えなかった。残ったのは、シールで隠せる小さなランプだ。

次の視点

うちのソース付けて食うわ
日本人は何も言えんやろ

――フランスから投稿した人が、日本人に

ジャンルを変えて「グルメ」から。いま読まれています 「寿司にアルジェリアソース」で煽られた日本側、自作の材料費を計算してみた

残ったのは、高い席ではなかった

Number_i札幌ドームの空席報道

ジャンルを変えて「アイドル・推し活」から。いま読まれています Number_i札幌ドームの空席報道 一律1万1000円のSnow Manと比べていい?!

何もない田舎の風景
それでも300人が見ている

――岩手・遠野、田んぼの神社の24時間配信

ジャンルを変えて「ネット文化」から。いま読まれています 岩手・遠野の田んぼの神社を24時間映す配信に人が集まる理由は、音だった
出典

いま読まれている記事

  1. 1個人PCにメモリを積むのは「かなりひどい」? アルトマン発言に自作PC勢が反発
  2. 2『VIVANT』は反中プロパガンダ?! 批評家の答えは「バカドラマ」
  3. 3東日本唯一のコールドストーンが3か月で閉店 店員「昨日聞きました」
  4. 43秒で声を複製できる無料のVoiceStudio 同意の確認は使う人任せ
  5. 5高市首相のG7欠席、他の国は怒っているのか 公に言ったのはフランスだけ
← トップへ戻る