何もしていない親子グマ
なぜ○したの?
――ある市役所に電話をかけた人が、職員に
写真はイメージ Photo by Sebastian S on Unsplash
クマを殺すなと舞鶴市に519件 抗議した人たちは何を言っていたのか
京都府舞鶴市が9月3日の夜、民家の軒下に居座ったクマ2頭を麻酔銃で捕獲し、その日の午後11時1分に殺処分した。緊急銃猟としての対応で、2025年の制度開始から82例目、京都府では初めてだった。
そこから、市役所の電話が鳴りやまなくなった。読売新聞によると、10月14日までに届いた抗議や意見は519件。住所を答えた人の大半は、京都府の外に住む人だった。
「職員は死んだ方がいい」という電話
中身は、かなりひどい。「職員は死んだ方がいい」「頭が悪い」という電話があり、市の農林課長は「誹謗中傷のようなものもあった」と話した。市長の鴨田秋津さんは9月4日、自分のXに「動物愛護を否定しませんが、脅迫めいた問い合わせはやめて下さい」と書いた。数日後には、こうも書いている。「これまでの電話は全て録音してありますが、誹謗・中傷と思われるものに対しては、舞鶴市カスタマーハラスメントに対する基本方針に基づき、毅然とした対応をさせていただきます」。9月25日の記者会見では、警察への相談も含めて対応すると話している。
舞鶴だけの話ではない。総務省が2026年7月に公表した調査では、クマの被害対策に当たった40自治体のうち17自治体が「苦情で業務に支障が発生」と答えた。「威圧的な言動を含んだ1時間超の電話への対応」「来庁者が対応した職員を無断撮影してインターネットに投稿」という例も並ぶ。
ここまでなら、話は単純だ。抗議した側が悪い。
「何も被害をもたらしていない親子グマを」
では、抗議した人たちは何を言っていたのか。市に届いた声には「要は何も被害をもたらしていない親子グマをなぜ殺したんだ」というものがあった。2頭はまだ何もしていない、というのが言い分だ。
その後ろには、組織の主張もある。人とクマが棲み分けて暮らすことを目指す日本熊森協会は、クマが里に下りてくる理由を人間の側に見る。人が里山を使わなくなった。耕作放棄地が増えた。だから奥山の人工林を自然林に戻し、山奥まで通した道路を閉じ、大規模な開発をやめるべきだ、という筋立てだ。
会長の室谷悠子弁護士は2025年11月6日、環境大臣と農林水産大臣に緊急要請を出した。「捕殺だけでは問題が解決しないことは、これまでの状況から明らかです」。協会の秋田県支部長は、2023年の大量出没で推定生息数の半数が捕殺されたのに、状況は良くならず悪化していると報告している。殺しても、来年また出る。これが、反対側のいちばん太い論点だ。
一方で、抗議している人の顔は、ほとんど見えない。読売新聞が書いているのは、東京都八王子市の女性(57)が今春以降、SNSでクマの駆除反対のデモを呼びかけ、駆除をした自治体に電話でクマの保護を求めている、という一例だけだ。鳥取県猟友会にも「クマを殺さないように」との声が届くという。どこかの団体がまとめて電話をかけさせている、という話は、読売新聞の記事には出てこない。
ネットの評判
Yahoo!ニュースでは、この読売新聞の記事にコメントが集まり、コメントの多い記事の上位に入った。5ちゃんねるのまとめサイトを見ると、抗議した人を批判する声がほとんどを占める。「バカは無視、度が過ぎるなら告訴」「金も出さず何の解決策や行動もしない」。子グマでも危ないとの指摘も多く、「5キロの子グマでもデカい手と爪で顔の皮膚ごっそり持ってかれる」という書き込みもあった。「駆除以外の人道的な代替手段は考えられなかったのか」と問う声は、ごく少数だった。
殺された2頭の体重は、母親が25キロ、子が5キロだった。クマを研究する岩手大学准教授の山内貴義さんは「食べ物がなくて(住宅街に)出てきた可能性はある」と話す。25キロという数字を聞いたときの第一声は、「そんなに軽かったのか」だった。
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- クマ駆除の自治体に「殺すな」抗議続く、中には「威圧的言動で1時間電話」「職員を無断撮影し投稿」も(読売新聞オンライン/Yahoo!ニュース)
- 民家に居座るクマ2頭を殺処分、舞鶴市職員に「死んだほうが良い」 市長は毅然対応「電話は全て録音」(J-CASTニュース)
- 舞鶴市の住宅街にクマ親子が出没「エサの実り具合がよくない...人里に出没するケースが増える可能性」と専門家(J-CASTニュース)
- 殺さないクマ対応2 棲み分けの復活(日本熊森協会)
- 「捕殺だけでは解決しない」「子グマ殺すな」日本熊森協会が緊急要請、環境省に対策見直し求める(弁護士ドットコムニュース)
- 「このクマ殺し!」「人間が駆除されるべき」…止まらない抗議電話と"クマ大量出没"のヤバすぎる相関関係(PRESIDENT Online)
- 【“いまさら聞けない”ニュースワード】緊急銃猟(公明新聞デジタル)
- 9月から始まる新しい「緊急銃猟制度」(自由民主党)
- 「クマ殺すな」舞鶴市に酷い罵詈雑言の複数電話 捕獲中の妨げに(デイリースポーツ/Yahoo!ニュース)
- 【京都・舞鶴市】クマ駆除に277件の意見…5キロの小グマ「なぜ殺すのか?」自治体困惑「着地点が見出せない」(登山ちゃんねる)