共働きなんだから
生活費も完全に折半ね
――最近よく聞く、という一言
写真はイメージ Photo by Jessica Lewis 🦋 thepaintedsquare on Unsplash
産んで働いて折半は「どんな罰ゲームだよ」 はてなで1位、折半の夫婦は何割?
2026年10月25日のお昼すぎ、はてな匿名ダイアリーに1本の投稿が上がった。題は「子供産んで家事して育児して働いて金折半ねって、女にとってどんな罰ゲームだよ」。はてなブックマークが182件付き、投稿は暮らしのランキングで1位になった。
言いたいことはこうだ。妊娠、出産、授乳は、だれにも代わってもらえない。産む性別も選べない。そのうえで仕事を続け、家事も育児も生活費も半分ずつ。それは重すぎないか。投稿は、全部半分ずつという言い方を「耳障りはもの凄く平等で、フェアで、進歩的に聞こえる」(原文ママ)と書き、こう続ける。それは「結婚」ではなく、単なる「共同経営のルームシェア、ただし労働条件がブラック」では、と。
時間で数えると、投稿の言うとおりだ
まず、投稿の側に立つ数字がある。総務省の社会生活基本調査(2021年)だ。6歳未満の子がいる世帯の1日あたりの家事関連時間は、女性が7時間28分、男性が1時間54分だった。
男性の時間は、1976年に調査が始まってからいちばん長い。5年前より31分増えた。それでも女性の4分の1ほどだ。差は1日5時間半。平日5日分を足すと、丸1日を超える。
お金で数えると、完全折半は3割だった
では、お金はどうか。
ソニー生命が2024年11月に、配偶者が働いている20〜39歳の有職者1,000人に聞いた調査がある。生活費をだれが負担しているか。いちばん多かったのは「主に夫」で55.3%。「夫婦平等に負担」は30.4%、「主に妻」は11.8%だった。
つまり、完全に折半している家は3割ほど。夫が多く出している家のほうが、その倍近く多い。「最近よく聞く」という感じ方は、たしかにそうなのだろう。ただ、いまのところ多数派ではない。
気になるのは、残りの11.8%だ。9組に1組ほどの家で、生活費を多く出しているのは妻のほうだ。この人たちは、折半すら求められていない。今回の騒ぎで、この人たちの声はほとんど表に出ていない。
ブックマークのコメント欄に、わずかに見つかる。子どもを持たない共働きで、夫の給料が少ないから自分が多めに出している、それでも家事の分担は足りない、愛情でごまかしている、という声。夫に稼ぎがなくても罰ゲームだとは思わない、自分で稼いで何人か養えるほうが独身よりいい、という声。
生活費を多めに出している夫たちも、折半を言い出しにくい。言えば角が立つ。Job総研が2025年8月に442人に聞いた調査では、家事や育児の分担を収入の多さで決めるのは「アリ」と答えた人が60.2%いた。男性は64.9%、女性は51.6%。女性の側でも、半分より少し多い人が「アリ」と答えている。
ネットの評判
はてなブックマークの182件のコメントは、投稿に厳しいものが目立った。夫婦のあいだに対立の構図を作る時点で結婚や育児に向いていない、罰だと思うなら結婚しないほうがいい、家族は損得で数えるものではない、という言い方だ。釣りだろう、と切り捨てる声もあった。相手を間違えただけで男全体の話にするな、という声もあった。
投稿に理があると見る声も並んだ。統計では妻の家事育児の負担がまだ大きい、という指摘。昔は男の一馬力でも足りたが、いまは手取りも時間も減った、という指摘。この不公平さは、結婚しない人が増えている理由だという見方も出ていた。主に育てる側に給料を払えばいい、という案もあった。
生活費を半分ずつにできた夫婦は30.4%。家事を半分ずつにできた夫婦は、25.0%だった。
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