英単語ガチャ、
勉強になってるの?

――規約での説明は「娯楽用ブラウザゲーム」

10/22 16:57 / 発信国:日本 / 記者:工藤

「ドパ英単語ガチャ」の記録を計算してみた 新しい単語は4枚に1語

2026年10月、英単語のカードを引くだけのブラウザゲーム「ドパ英単語ガチャ」が、はてなブックマークの人気エントリーに入りました。10月22日の時点で232人がブックマークし、コメントは56件ついています。

ボタンを押すと英単語のカードが出てきて、引くほど演出が派手になります。基本はそれだけのサイトです。

筆者が気になったのは、コメント欄に並んでいた「これで単語が覚えられるのか」という疑いの声でした。そこで、公式の情報と、引いた人が公開した記録から、数字を確かめてみました。

「ドパ英単語ガチャ」とは

利用規約は、このサイトを「英単語の使用頻度に基づくレア度で英単語カードを集める、無料の娯楽用ブラウザゲーム」と説明しています。

ゲーム内通貨に金銭的な価値はなく、お金による購入要素もありません。運営は個人で、寄付は受け付けていますが、規約には「ご支援によってゲーム内の特典や優遇が得られることはありません」と書かれています。

カードのデータは、機械的に作られたものです。規約には出典が4つ並んでいます。Wiktionary(Kaikki.org / Wiktextract 経由)、wordfreq 3.1.1、Tatoeba、Open English WordNet 2025。カードデータ全体はCC BY-SA 4.0で共有されています。

プライバシーポリシーによると、進行状況はブラウザのlocalStorageにだけ保存されます。氏名やメールアドレスの入力は要りません。発音は端末の音声合成機能で読み上げられます。サイトにはGoogleアナリティクスと、i-mobileやZucks Ad Networkなどの広告が入っています。

レア度を決める頻度データを調べてみた

レア度のもとになっているのは、規約に挙げられていたwordfreqというデータです。

開かれた英語の辞典のページ
写真はイメージ Photo by Joshua Hoehne on Unsplash

配布元の説明では、単語の「Zipf頻度」は、その単語が10億語あたりに現れる回数の常用対数と定義されています。妥当な値は0から8の範囲です。

つまりZipfが1上がるごとに、出現回数は10倍になります。Zipf 6の単語は、Zipf 3の単語より1,000倍多く使われているということです。この差が、そのままレア度の差になります。

もとになっているのはExquisite Corpusというプロジェクトで、Wikipedia、字幕、ニュース、書籍、ウェブのテキスト、Twitter、Redditなど8つの領域をまとめたものです。

ここにずれがあると筆者は感じました。レア度が映しているのは「英語圏のネットと本と字幕での使われ方」で、教科書や試験での重要度ではありません。

引いた人の記録を計算してみた

はてなブックマークのコメント欄には、結果を共有した人の記録が残っていました。3人分を並べて計算してみます。

2,250枚引いた人は、新しい単語が1,252語。1.8枚に1語です。2万3,450枚引いた人は5,985語で、3.9枚に1語。2万4,300枚引いた人は6,120語で、4.0枚に1語。

引けば引くほど、新しい単語に当たる割合は落ちます。同じ単語が何度も出るからです。

新しく出た単語のうち、最高レアのLRが占める割合も出してみました。2,250枚の人は0.7%、2万3,450枚の人は2.0%、2万4,300枚の人は2.1%。SSRは5.4%、11.7%、12.9%と上がっています。

よく使う単語を先に集め終わると、残るのは珍しい単語ばかりになります。だから後半ほどレアが増えます。使用頻度でレア度を決めた設計の、素直な結果という印象です。

最高レアの例として挙がっていたのは「homosociality」と「captivation」でした。ほかに「paleobotany」の例や、最初に出たURが「lifelike」だったという書き込みもありました。

ただし、これらは引いた人の自己申告です。公式の排出率ではありません。収録語数も、規約や問い合わせのページには書かれていませんでした。

ネットの評判

はてなブックマークの56件のコメントで多かったのは、笑ったという反応でした。「おもろい」「何が起きたのか分からないけど演出過剰な感じは好き」「クッキークリッカーみがあるw」といった声が並びます。

暗い部屋で光るスマートフォンの画面
写真はイメージ Photo by Akshar Dave🌻 on Unsplash

演出そのものへの批判も目立ちます。いちばん上に来ているコメントは「とにかく演出盛ればドーパミン出るという安直なバイブコーディング、いい加減くどい」。「エフェクトが大げさなだけでテキストが多いしテンポも悪い」「演出に飽き飽きしてくる」という声もありました。

学習として見た人の疑いは、もっと具体的です。「単語覚えさす気ないぐらいの演出が続いてワロタ」。あるユーザーは「最初の10連を押したら、すごい勢いで連鎖して最終的に1000単語くらいになったんだけど。最初からこんなに沢山単語を覚えらんないからやる気にならないんだけど」と書いていました。

一方で、その見方に反論する声もあります。「これじゃあ勉強にならないみたいなこと言ってる人がいるけど、どうみてもそういうもんじゃないだろ」。「こういう発想が出来ること自体を評価したいかな。ここから機能が追加される可能性もあるんだし」という受け止めもありました。

まとめ

数字を並べてみて、筆者がいちばん引っかかったのは、評判の割れ方そのものでした。勉強になるかどうかを争っている横で、運営自身は規約に「娯楽用」と書いています。

2万4,300枚引いて、新しい単語は6,120語。後半はレアばかりが残る。その手触りを楽しむ遊びとしては、計算の上でも筋が通っていると思いました。

単語帳の代わりに使うつもりなら、進行状況がブラウザの中だけに残る点と、排出率が公表されていない点は、先に知っておきたいところです。

出典

ドパ英単語ガチャ 利用規約 https://wordgacha.com/terms/
ドパ英単語ガチャ プライバシーポリシー https://wordgacha.com/privacy/
ドパ英単語ガチャ お問い合わせ https://wordgacha.com/contact/
wordfreq(PyPI) https://pypi.org/project/wordfreq/
はてなブックマーク ドパ英単語ガチャ https://b.hatena.ne.jp/entry/s/wordgacha.com/

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