ビーズを数えている間は、
仕事のこと考えなくていい
――東京・大久保、220色以上のビーズが並ぶ店
写真はイメージ Photo by Compagnons on Unsplash
1時間1500円でビーズを数える アイロンビーズ専門店に30代が通う
10月22日、メ~テレの「グッド!モーニング」が、東京・大久保のアイロンビーズ専門店「ぴよちくらふと」を取材した。220色以上のビーズが並び、1時間1500円で作れる。店にいたのは子どもではなく、30代の客だった。
アイロンビーズは、好きな絵の形にビーズを並べて、アイロンの熱で溶かしてくっつける遊びだ。平成のころは子ども向けのおもちゃだった。それが今、大人が自分の財布から払って通う趣味になっている。
数えている間は、仕事が頭から消える
取材に答えた30代の客は、この日が初めての来店だった。「(ビーズを)数えることに今夢中になっているから、仕事のこととか全然考えてない」と話した。4回目の客は「小さいころやっていたので、子どもの時に。なんか懐かしいなと思って、1回やったら面白いなと」と言った。
入り口は懐かしさ。残っているのは「数える」ほうだ。
なぜ数えるだけで仕事を忘れられるのか。日本産業カウンセラー協会のブログは、手先を使う単純作業の間は意識が一時的に悩みから離れ、同じ動きをくり返すうちに頭がすっきりする、と説明している。
手仕事の効き方は研究でも調べられている。ナショナルジオグラフィック日本版の2025年10月の記事で、ハーバード・メディカルスクールの神経学教授、アルバロ・パスカル・レオーネさんは、編み物のような手仕事が脳のドーパミンの仕組みを刺激することで「集中力を高め、加齢に伴う認知機能の低下を遅らせる可能性がある」と話している。
ただし、アイロンビーズそのものを調べた研究は、探しても見つからなかった。編み物の話をそのまま当てはめられるとは限らない。
「1.2倍」は、アイロンビーズの数字ではない
テレビ朝日系の記事の見出しは「売り上げ2年前の1.2倍に」。記事を読むと、伸びたのは「量販店全体のビーズの売り上げ」だった。アイロンビーズだけの数字ではない。どの調査で、どの店を何軒数えたのかも、記事では説明されていない。
メーカー側で確かめられる数字はある。カワダは2025年7月24日の公式サイトのお知らせで、パーラービーズが発売30年になり、同年10月の新色6色で単色が全100色になると伝えた。「お子さまから大人の方まで、たくさんの方に遊んでいただき」とも書いていて、大人の客がいることは会社も見ている。
ハマビーズを売るボーネルンドの西山千夏さんは、2024年12月のウォーカープラスの記事で、人気が戻った理由を「新型コロナウイルスの流行で、大人も子どもも家で過ごす時間が増えました」と話した。同じ記事は、InstagramやXでアイデアが共有されながら、この遊びが広がったとも書いている。画面から離れるための趣味を、みんな画面で見つけているわけだ。
ネットの評判
Xには作品の写真が集まっている。寿司やラーメンをビーズで再現した投稿には「アイロンビーズでここまで再現できるのすごい!」「飯テロくらいました」「天才的」という声が付いた。LIMOによると、2026年4月28日の投稿で、いいねは5月6日の時点で5.6万件を超えた。めざましmediaは、ポケモンやどうぶつの森を再現した作品に「ほんっとうにすごいです!!圧巻!!」「飾ってほしいクオリティー!」という声が届いたと書いている。小さいころに遊んだのを思い出して「懐かしいな、また作ってみたい」と始めた人の話も出てくる。
目立つのは、出来のよさをほめる声と懐かしさの声だ。「1時間1500円を払う価値があるか」という話は、出典の中では見つからなかった。Yahoo!ニュースのページには、コメントが138件付いている。
発売30年のパーラービーズは単色100色。取材された専門店には220色以上が並ぶ。画面から離れるための趣味なのに、選ぶものの数はずいぶん多い。
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40年仕入れてるけど、
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――エドノフーズの江戸野誠一郎社長
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――止め方は、会社によって分かれた
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