刈っても刈っても
増えてしまう
――ある米農家が、流れ着いた水草を前に
印旛沼から流れ出た水草、抜かずに写真で通報を
9月22日、台風25号の大雨で、千葉県の印旛沼の堤防が決壊した。その水と一緒に沼から流れ出たのが、南米原産の水草ナガエツルノゲイトウだ。沼から約1キロ離れた水田にも茎が流れ着き、すでに根を出し始めている。東洋大学の廣津直樹教授が国の許可を得てやった実験では、茎の節から新しい根が伸びた。2週間で8センチだ(TBS NEWS DIG)。
テニスコート半分くらいの大きさのかたまりが流れ着いた場所もある。貸しボート店の人は日テレNEWSに「ちぎれたら、ちぎれたところから生えてくる。エイリアンみたいな感じですね」と話した。エコロジー研究所の丸井英幹氏の言い方は、もっと直接的だ。「99%駆除できても、残り1%から再び100%に戻る」。
なぜ、そこまで増えるのか。種で増えるのではない。外来水草対策委員会によると、日本にあるこの草は6倍体で、種ができない。増える元は、茎の切れ端だ。茎は節のところで折れやすく、折れた先からまた生える。群生地を歩くだけで広がることがある、とも書かれている。
なぜ、水害の話になるのか
8月の豪雨のときは、別の顔を見せた。印旛沼の水位が上がり、水を外へ送り出す排水施設に、この草が大量に押し寄せた。ごみの流入を防ぐ柵に次々と絡みつき、ポンプ1台が止まった。廣津教授は、ポンプが使えなくなれば沼の水位が上がり、また決壊するリスクが高まると話している。
つまり、稲の栄養を奪う農業の話と、水を外へ出せなくする防災の話が、1つの草で同時に起きる。成田市の米農家は「刈っても刈っても増えてしまう。米農家にとってはかなり困る」と話した。
ネットの評判
ニュースのコメントを集めたまとめサイトでは、読売新聞の記事をもとにした書き込みが並んだ。目立つのは「印旛沼を全て埋め立てろ」のような、思い切った手を求める声。「バイオ燃料にならんかね?」と使い道を探る人もいる。「外来種が来ると日本固有種は絶滅の危機」と、ほかの生き物を心配する書き込みもあった。
近所の用水路で見かけたら
では、自分の町の用水路で、白い小さな花をつけた水草を見かけたら、どうするか。いちばんまずいのは、よかれと思って抜き取り、袋に入れて運ぶことだ。千葉県は、刈り払いや抜き取りに気をつけるよう呼びかけている。茎や葉、根の断片が飛び散ったり流れ出たりすると、そこから再生して広がるからだ。根が残れば、冬を越して翌年また生える。
ここが、ややこしい。この草は特定外来生物だ。東京都も静岡県焼津市も、生きたままの運搬や栽培は原則禁止だと注意している。抜くことより、生きたまま持ち運ぶところで引っかかる。千葉県は、袋に入れて飛び散らないようにし、枯らしてから地域のごみのルールで捨てるよう書いている。完全に枯れたものを捨てる分には、手続きは要らない。
できることは、手を出さずにスマホを出すことだ。千葉県は6月1日から11月30日まで、「みんなでつくろう!ちば外来水生植物マップ2026」という調査をしている。無料アプリ「Biome」で写真を撮って投稿すると、AIが種類を判定する。県は、集まった情報を分布の把握と防除に使うとしている。アプリを使わないなら、県の生物多様性センター(043-265-3601)に知らせる手もある。
千葉だけの話でもない。東京都は、都内の荒川沿いでも生息が確認されていると公表している。千葉県が住民に頼んでいるのは、草むしりではなく、写真の投稿だ。
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- 同記事の後半(TBS NEWS DIG/dメニューニュース)
- 駆除しても“ゾンビのように再生” 千葉・印旛沼で“危険な外来植物”拡散 周辺住民から不安の声(日テレNEWS NNN)
- 【堤防決壊の印旛沼周辺】駆除しても“ゾンビのように再生” “危険な外来植物”拡散 周辺住民から不安の声(日テレNEWS/YouTube)
- ナガエツルノゲイトウの防除/千葉県
- スマートフォンアプリを使用した県民参加型の分布調査「みんなでつくろう!ちば外来水生植物マップ2026」を始めます/千葉県
- ナガエツルノゲイトウ対策について|東京都環境局
- 特定外来生物 ナガエツルノゲイトウとは|外来水草対策委員会
- 特定外来生物「ナガエツルノゲイトウ」にご注意ください|静岡県焼津市
- 【速報】千葉県、印旛沼に『地球最悪の侵略的生物』が大量漂着(凹凸ちゃんねる、2026年9月30日)