発売日朝の価格と昼の価格
買取金額に10万円の差?

――発売日の朝、買い取り店の前で

写真はイメージ Photo by Mika Baumeister on Unsplash

11/7 17:12 / 発信国:香港 / 記者:ミヤムー

「iPhone Duo」香港の転売はいくらもうかる?朝12万円、昼2万円

10月23日、香港でアップルの折りたたみスマホ「iPhone Duo」が発売された。香港の正規価格は256GBで1万7499香港ドル(約35万1700円)。その日の午前9時20分、香港の携帯の街先達廣場にある買い取り店が512GBに付けた値は、2万5400香港ドル。正規価格より6101香港ドル、日本円で約12万2600円も高かった。買って、店まで歩いて、売る。それだけで12万円だ。

発売日の先達の様子は、香港のガジェット系チャンネルが丸ごと撮っている。

3時間で、もうけが6分の1になった

ところが、昼には景色が変わっていた。ITmedia Mobileが伝えた正午の買い取り価格は、512GBの白が2万300香港ドル。正規価格との差は1001香港ドル、約2万120円まで縮んだ。朝の12万円が、3時間で2万円だ。

香港のam730によると、午前11時には先達の列が建物の外まで伸び、半周するほどになった。警察が出て、人の流れを整えた。午後1時には水位が1000香港ドル台まで落ち、買い取りを止める店も出た。

午後4時には、もっと落ちた。香港のhk01は、白の256GBと512GBで、箱を開けて起動まで済ませた開封機のもうけが1香港ドル、日本円で約20円になったと伝えている。

同じ列に、勝った人と負けた人がいた

朝に売り抜けた人はいる。香港のBastille Postは、深圳から来た張さんが「正規価格より4000〜5000香港ドル高く売れた」と話したと伝えた。約8万〜10万円だ。

香港・旺角の街並み
写真はイメージ Photo by Darren Budiman on Unsplash

負けた側もいる。unwire.hkによると、河南省・鄭州の業者は、予約で50台、99万9950人民元(約2360万円)ぶんを押さえた。1台2000人民元(約4万7000円)、50台で約236万円のもうけを見込んでいた。ところが買い取り側が値を下げ、全部で2万5000人民元(約59万円)の赤字が出そうになった。

普通に使いたかった人はどうか。11月1日に先達の中古店を回った日本のブロガーの記録では、開封済みの新品256GBが1万8200香港ドル(約36万5500円)。正規価格より700香港ドル(約1万4000円)高いだけだった。同じころ、日本のメルカリでは41万7300円から50万円で出ていたという。

昼に落ちた理由を、専門家はこう見た

香港資訊科技商會の名誉会長の方保僑さんは、理由を3つ挙げた。物理のSIMカードを差す口がなくeSIMだけであること。折りたたみの造りのせいで、カメラが普通のiPhoneに届かないこと。そして値段が高いこと。実際の使い手が、市場の読みより少なかったという見方だ。

eSIMの話には、もう少し細かい事情がある。unwire.hkによると、香港版(型番A3720)では中国本土の通信会社のeSIMが使えない。本土版(A3721)だけが本土のeSIMに対応する。本土の番号で使いたい買い手にとって、香港版を高く買う理由は薄い。

ネットの評判

発売前から、買うのを止めるように言う声は出ていた。unwire.hkは、中国のSNSで発信するブロガー「科技新一」が「不要急於購買炒家手上的現貨」(転売の人が持っている在庫を、急いで買うな)と呼びかけたと伝えている。発売日に誰も高値で買わなければ、翌日には値が落ちるという理屈だ。

もう一つ。中国の澎湃新聞によると、10月22日の分解の生配信で、内側の画面に貼られたマットな膜をはがすと、折り目がはっきり見えると分かった。アップルが折り目を消す技術を作ったのだと思っていた人が多かったという。

一方、現場で売った人たちは淡々としていた。Bastille Postの取材に、売り手は「ふつうの需要と供給だ」と答えている。

澎湃新聞によると、10月28日には256GBの転売価格が正規価格より50人民元(約1200円)高いだけになり、正規価格を下回る出物まで現れた。この記事を書いた11月7日の時点で、先達の相場が発売日の朝に戻ったという報道は見つかっていない。

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