ポテチ人口が減ってるの
知ってる?

――値上げは2026年に入って4回目

11/7 16:03 / 発信国:日本 / 記者:ミヤムー

カルビーのポテチが売れない原因は白黒パッケージ? やめた人は他社にも行っていない

カルビーのポテトチップスを買わなくなった人のうち、86.8%は他社のポテチにも乗り換えていなかった。日経クロストレンドが11月6日に出した記事の数字だ。ポイントカード「Ponta」の会員約9万人規模のID-POSを、ロイヤリティマーケティングの協力で調べたという。見出しは「カルビー白黒化で87%が『ポテチ』離れ」。落ち込みは、高年層ほど目立ったとしている。

袋を白黒にしたせいだと思っていた人は、多いはずだ。でも、色が嫌で買わないなら、隣に並ぶ色つきの袋に手が伸びるんじゃないか?

話の出発点は、5月の袋だ。カルビーは5月12日、ポテトチップスやかっぱえびせん、フルグラなど主要14品の袋を、白と黒の2色刷りに変えると発表した。5月25日の週から、順に店頭に並んだ。中東情勢の緊迫でナフサが足りず、インクや溶剤をいつ買えるか読めなくなったためだ。会社は「当面の対応策」と説明し、中身は変えないとした。

その真っ白な余白に、絵を描く人が出てきた。おたくま経済新聞によると、6月17日、湖池屋とカルビーの袋を並べて、白黒のほうに南京錠を描いた投稿が15万を超える「いいね」を集めた。投稿した人の長女が、色の違う袋を見て「アンロックされていないアイテム」と言ったのが元らしい。

表だけ色が戻った7月

カルビーは7月9日、一部の袋でカラー印刷を再開すると発表した。ポテトチップスのうすしお味やコンソメパンチ、かっぱえびせんなど6品は表側だけ。フルグラの2品は全面だ。店頭では7月27日の週から順に切り替わった。広告の媒体アドタイの取材に、担当者は「やはりカラーのほうが皆様にも伝わる部分はもちろんある」「視認性がとても大きい」と話している。全面復旧は「現時点では未定」。

会社自身、色のほうが伝わると認めている。ただ、売り上げが落ちた原因まで色だったのかは、別の話だ。

数字を並べると、別の線が出てくる

4〜6月期のポテトチップスは、国内売上高が前年同期比2%増、数量も0.5%増だった。袋が全面白黒だったのは、ちょうどこの期間の終わりごろだ。会社全体では売上高が5.5%増の867億5900万円、経常利益が26.1%増の66億6400万円。中東情勢による国内への影響は想定を下回った、と会社は説明した。

スーパーのお菓子の棚
写真はイメージ Photo by Di Weng on Unsplash

ただ、値段はこの1年で何度も上がった。NHKによれば、10月から75品目を順に値上げすると発表したのは、2026年に入って4回目だった。2月納品分の10品は店頭で8〜15%ほど上がり、うすしお味の160gを150gにする実質値上げも同時にやっている。アゴラが引いた数字では、1975年の発売当初は90gで100円。いまのうすしお味55gは、想定価格が158円だ。

日経POSの数字では、うすしお味の1000人当たり販売金額は6月第4週に前週比45%増と跳ね、そのあと4週続けて落ちた。

ネットの評判

11月6日の記事が広まったあと、ネットでは「マーケティングの失敗」という見方が目立った。まとめサイトに並んだ書き込みには、「この騒動に乗じて白黒にしたら目立つという露骨さ」と、会社の判断そのものを疑う声もある。「便乗値上げが決め手になり、消費者に見捨てられた」と、色より値段を挙げる人もいた。「湖池屋だよな」と他社をすすめる人や、「身体に悪いので」とスナックそのものを控えると書く人もいる。

5月の発表直後は、受け取り方が割れていた。東洋経済オンラインの記事は、「斬新」「潔い決断」という評価も、「モノクロだと食品としての良さが伝わらない。気持ち悪い」「お葬式みたい」という拒否感も挙げている。絵師の間に広まった落書きには、「発想が天才」「感動した」という反応が並んだ。

肝心の答えは、まだ出ていない。日経クロストレンドは、カルビーが記事の執筆時点で売り上げへの影響を発表していないと書いている。上期(4〜9月)の決算も11月6日に出たが、本誌が11月7日に調べた範囲では、白黒の袋がどう響いたかを数字で示した発表は見つからなかった。色のせいという説も、値段のせいという説も、いまは仮説のままだ。

はっきりしているのは、やめた人の行き先だ。86.8%は、隣に並ぶ色つきの袋にも、手を伸ばしていない。

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