最近、いらすとや
見かけなくない?
――ネットで、そう言われるようになった
いらすとやの訪問者が2割減 AIに「学習しないで」と言えるのは2027年から
最近、いらすとやのイラストを街で見かけなくなった気がしないだろうか。気のせいではないらしい。日本経済新聞は、フリー素材サイト「いらすとや」の9月のサイト利用者数が、前年の同じ月より2割減ったと伝えた。データ分析会社の推計だ。前の年に来ていた5人のうち1人が、来なくなった計算になる。押しているのは生成AIである。
いらすとやは、イラストレーターのみふねたかしさんが2012年1月に始めた。無料で使えて、権利関係がはっきりしている。街の貼り紙や店先で、よく見かけた絵だ。
ルールは2027年から、客が減ったのは9月
2割減の話が広く読まれたのと、ほぼ同じ時期に、別のニュースが出た。10月30日(米国時間)、OpenAI、Google、Microsoft、Anthropicの4社は、サイトの持ち主が「AIの学習に使わないで」と1行で伝えられる共通の仕組みに賛同した。
仕組みはこうだ。サイトに置くrobots.txtというファイルに、「User-Agent: __usage_ai-training」と書き、その下に「Disallow: /」と書く。それだけで、4社すべてに学習の拒否が伝わる。IETFの作業部会での議論をもとに、Anthropicの標準化担当者ケビン・ケリーさんが出した案だ。
では、いつから効くのか。Anthropicはすでに対応を始めた。OpenAIは「今後数カ月以内」。Microsoftは2027年2月1日から。Googleは2027年。
ここで引っかかる。いらすとやの絵がAIに学ばれたのは、もう何年も前の話だ。いらすとやと組んで作られたAIモデル「AIいらすとや」も、2025年8月にサービスを終えている。運営はAI Picassoだった。終了の告知は、ウェブサイトのバナーだけだった。
なぜ、学習を止められなかったのか。日本の著作権法第30条の4が、情報解析のための利用を原則として認めている。特定の絵柄に似たものを出させる狙いの学習などは例外になり得るが、そこは一件ずつの判断だ。断る窓口そのものが、これまでなかった。
ネットの評判
はてなブックマークでは、この日経の記事に259人がブックマークを付けた。多いのは、AIの絵への違和感を言う声だ。「AI作画には手抜き・コストカットしか感じない」「AIのイラストはうっすらとした嫌悪感があって」。そんな書き込みが並ぶ。
一方で、冷めた声もある。「2割減で踏みとどまってるだけすごいよ」と健闘を評価するもの。「AIが根っこを引き抜いた。今や絶滅危惧種」と、もう手遅れだという見方。「ネット応援は話半分以下で聞いた方がいい」と、応援の声が使用に結びついていない点を突く声だ。
共通ルールは間に合ったのか、それとも遅すぎたのか。意見はここで割れている。
街のいらすとやを、1400件数えた人がいる
いらすとやの側も止まっていない。2026年5月1日には「いらすとやメーカー」が公開された。顔や服のパーツを組み合わせて、いらすとや風のキャラクターを自分で作れる。商用利用もできる。
街の側を記録している人もいる。会社員の三浦靖雄さんは「いらすとや使用例マニア」として、街で見つけたいらすとやをGoogleマップに登録する「いらすとやマップ」を公開している。2019年1月からブログで紹介し、2024年6月の時点で1400件を超えた。休日に「今日はいらすとやを探す日」と決め、知らない街をしらみつぶしに歩くという。
「『いらすとや』には2万5000個以上の素材があるので、同じ素材を街で2回以上見かけることそのものがレアなんです」。三浦さんはそう話している。その1400件のうち、いちばん多く重なった絵は、防犯カメラのイラストだった。28件である。
うちのソース付けて食うわ
日本人は何も言えんやろ
――フランスから投稿した人が、日本人に
残ったのは、高い席ではなかった
Number_i札幌ドームの空席報道
何もない田舎の風景
それでも300人が見ている
――岩手・遠野、田んぼの神社の24時間配信
- いらすとや、ファンが生息域踏査 AIに押されサイト訪問者は減少(日本経済新聞/リード部分のみ閲覧可)
- フリー素材「いらすとや」、AI時代も生き残る? 利用減でも独自活用(日本経済新聞/リード部分のみ閲覧可)
- AI学習への利用拒否をrobots.txtで一括指定へ OpenAIやGoogleなどが対応表明(ITmedia NEWS)
- AI学習の可否をrobots.txtで指定 Google、MS、OpenAIらが共通仕様を27年導入(Impress Watch)
- AI学習だけ拒否、クロールは止めない――OpenAI・Googleなど4社がrobots.txtの共通ルールを支持(hashout)
- 「AIいらすとや」などのサービス終了を伝える記事(ITmedia AI+)
- 「いらすとやメーカー」登場 パーツを自在にカスタマイズで、“被り”も回避可能?(ITmedia NEWS)
- いらすとや使用例マニアが「いらすとやマップ」を作成 1400件調査して見えてきた注目傾向(おたくま経済新聞)
- いらすとやマッピング(前人未到温泉・三浦靖雄さんのブログ)
- はてなブックマーク(日経記事へのコメント欄)
- 連載コラム “AIと法務” 生成AIの開発・学習と法的問題①(北浜法律事務所)
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