推しって、自分で
見つけるものでしょ
――無料、12問で約2分
写真はイメージ Photo by Chris Lawton on Unsplash
「推し哲学者診断」が話題 16人の哲学者を「攻略」する仕掛けを調べてみた
「推し」という言葉を、アイドルや声優ではなく、哲学者に向けて使うサイトが話題になっています。
その名は「推し哲学者診断」。12の質問に答えると、ソクラテスやニーチェ、孔子ら16人の中から、あなたの「推し哲学者」が1人決まる無料の診断サイトです。
はてなブックマークでは「学び」カテゴリーの人気2位に入り、2026年10月27日の時点で121人がブックマークしていました。
Xでこの投稿を見る
作ったのは「uiu」と名乗る個人です。Xでは「高校の倫理の授業で思いついて作りたかったサイトが、AIの力を借りてやっと完成しました」と投稿しています。
12問で、16人の中から1人
公式サイトの説明では、設問は全12問、所要時間は約2分です。トップページには、ソクラテス、ニーチェ、孔子、カント、マルクスのイラストが並びます。
結果に出てくる哲学者は、この5人を含む16人。ソクラテス、プラトン、アリストテレス、デカルト、カント、スピノザ、マキャヴェッリ、マルクス、パスカル、エピクロス、老子、ニーチェ、ヒューム、孔子、ルソー、サルトルです。
結果の画面には、哲学者の名前と「理想を描く人」のような一言の肩書き、それに名言が1つ付きます。そのままXへ共有でき、「私の推し哲学者は『プラトン』(理想を描く人)でした!」という形の投稿が流れています。
診断が終わってから「攻略」が始まる
この診断がほかの性格テストと違うのは、結果が出たあとです。画面には「好感度」の数値があり、「好感度 30」と表示されます。
利用者のコメントによると、結果が出たあとに「攻略する」という仕掛けが用意されていて、その哲学者の考えに沿った答えを選んでいく形式だといいます。はてなブックマークには「結果出た後の『攻略する』がすごく面白い。各哲学者の人生ポイント押さえつつ、考えに沿った答えを選ぶ」という声が付いていました。
推しの思想が分かっていないと、好感度が上がらないということです。「攻略できなかったから推すのをやめます」と書いた人もいました。アイドルの推し活でいえば、曲と経歴を覚えていないと振り向いてもらえない、という作りに近いです。
ネットの評判
はてなブックマークでは、評価がはっきり分かれていました。
好意的な側では「デザイン凝ってて面白い、哲学者ごとのエピソードやおすすめ書籍までまとまってて出来が良い」という声。「なんとなくやったらプラトンと恋愛シミュレーションゲームみたいなことになって笑った」と、想定外の遊び方を面白がる声もあります。
一方で、いちばん冷たい反応は診断そのものではなく、「推し」という言葉に向いていました。「推しって自分の中から出るもので診断してもらうもんじゃないだろ」。設問への不満も複数あり、「選択肢がどれも的外れでめっちゃイライラした。そもそもウィトゲンシュタインがないではないか」「でもぴったりこない設問も多かった」「ひと月後にやったら結果が変わってそうな質問だった」と並びます。
付けられたタグは「哲学」「人生」「webサービス」「ネタ」。学びの道具として見る人と、ネタとして見る人が、同じページに並んでいる状態です。
16人を数えてみました
筆者が一覧を数えたところ、16人のうち東洋の思想家は老子と孔子の2人だけで、残る14人は西洋の哲学者でした。女性の名前は1人もありません。
時代の幅は、紀元前のソクラテスから20世紀のサルトルまで。その一方で、コメントで名前が挙がったウィトゲンシュタインは入っておらず、ヘーゲルや西田幾多郎の名前もありません。
16人は、選ぶ側には多く見えますが、哲学の歴史の全体から見ればかなり絞られた顔ぶれです。この偏りが、「ぴったりこない」という感想の一因になっているように筆者には思えました。
まとめ
推しは自分の中から出てくるものだという意見と、割り当てられるのも面白いという意見で、この診断の評価は割れています。
ただ、好感度30から始めて相手の考えを当てにいく作りは、名前だけ知っている哲学者を「読む相手」に変える入口にはなりそうです。料金はかからず、所要時間は約2分と案内されています。
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