わざわざ買ってきた
意味、なくなった?

――韓国で発売のじゃがりこ、値段は日本の1.6倍

10/23 11:35 / 発信国:韓国 / 記者:工藤

じゃがりこが韓国で発売 サラダ味だけ、1袋2,900ウォン(約340円)

韓国のスーパーとコンビニに、じゃがりこが並んだ。売り出したのはヘテ製菓。10月20日に発表した。ただ、置いてあるのはサラダ味の1種類だけ。入れ物も、日本でおなじみの紙コップではなく、自分で立つ袋(スタンドパウチ)だ。

なぜサラダ味だけ? ヘテ製菓は、韓国の客に事前の調査をして、一番評価の高かった味に絞ったと話している。サラダ味は、じゃがりこの中でもともと一番人気の定番だ。

で、いくらするのか。カルビーの発表によると、60グラム入りで、想定店頭売価が1袋2,900ウォン(税込、約340円)。日本では57グラム入りのカップが、2026年9月から参考小売価格205円前後になっている(値上げの記録をまとめるサイト「Neage」の集計)。1グラムあたりにすると、日本が約3.6円、韓国が約5.7円。1.6倍ほどだ(1,000ウォン=約118円で計算)。

ここは、ちょっと意外かもしれない。高いのは、作っている場所が日本だからだ。カルビーは発表の中で「日本国内の工場で製造し」と書いている。韓国の棚に並ぶまでに、海を渡っている。

初上陸ではなく、ブランドの初上陸

ヘテ製菓とカルビーは2011年に合弁会社「ヘテカルビー」を作っていて、ポテトスナックのJagabeeは韓国で作って売っている(聯合ニュース)。だから、カルビーのお菓子が韓国に来るのは初めてではない。じゃがりこというブランドが、初めて韓国の棚に置かれたという話だ。

コンビニのお菓子の棚
写真はイメージ Photo by Matthew Zheng on Unsplash

ヘテ製菓は、韓国のポテトスティック市場が前の年より29%以上伸びたと話している。伸びている棚に、日本で一番売れているポテトスティックを持ち込んだ形になる。じゃがいもの割合は91%で、韓国の主なポテトスティックの中では最も高い水準だという。蒸したじゃがいもを熱風で乾かす「スチーム製法」で、生地にはにんじんとパセリを入れ、仕上げに塩をふる。

旅行の土産が、近所の棚に並ぶ

カルビーは、韓国を選んだ理由をはっきり書いている。韓国では日本のブランドへの関心が高く、「日本旅行を通じて『じゃがりこ』を認知・購入した経験を持つ方も一定数存在」する、と。狙うのは、日本の文化に関心のある10代後半から20代だという。

開いたスーツケースと荷物
写真はイメージ Photo by Arnel Hasanovic on Unsplash

韓国の報道も、おおむね歓迎の調子だ。世界日報は、見出しに「日本のコンビニに行くな」と書いた(韓国語の記事を訳したもの)。10月24日の昼から夕方には、ソウルの聖水洞(ソンスドン)で、じゃがりこのきりんのキャラクターや乗務員の格好をしたパフォーマンス隊が街を歩く。その写真をインスタグラムに載せた人に、抽選で景品が出る。

ただ、別の読み方もできる。旅行のたびに店を探して、スーツケースに詰めて持ち帰っていた人には、探す理由がなくなる。代わりに、近所のコンビニに1.6倍の値段で置かれる。土産だったものが、ただのお菓子になる瞬間だ、という見方もできる。

じゃがりこが日本で売り出されたのは、1995年10月23日。カルビーはこの日を「じゃがりこの日」にしている。31年後の10月23日、韓国の棚にあるのはサラダ味の1種類、2,900ウォンだ。

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