テカったら、
ティッシュでいいって

――専門家の見方は分かれている

10/29 15:45 / 発信国:日本 / 記者:工藤

TikTokで314万回再生の「あぶらとり紙」、1枚の値段を4ブランドで比べてみた

ポーチにあぶらとり紙を入れている人は、多いと思います。その「あぶらとり紙」を取り上げた動画が、いまTikTokでいちばん再生された商品レビューになっていました。

Nolynが2026年10月25日に公開した週間レポートによると、同年10月18〜24日に投稿されたTikTok動画226本のうち、再生数1位は「話題のあぶらとり紙」のレビューで、314万9,111回。保存は1,073件、投稿日は10月21日でした。

ただ、このレポートには商品名もブランド名も書かれていません。そこで筆者は、別の角度から確かめることにしました。あぶらとり紙は、ブランドによって1枚あたりの値段がどれだけ違うのか。公式に出ている価格と枚数だけで、計算してみます。

「話題のあぶらとり紙」は、どの商品なのか

先に書いておくと、314万回再生の動画がどのブランドの商品だったかは、Nolynのレポートからは特定できませんでした。同レポートはテーマ別の集計で「コスメ」の枠にあぶらとり紙を入れていて、この枠の動画30本の再生合計は558万6,830回です。

つまり、売れている銘柄が分かるレポートではありません。分かるのは、あぶらとり紙というカテゴリーに、いま人の目が集まっているという事実だけです。

1枚あたりの値段を、4ブランドで計算してみた

ここからが本題です。税込価格を枚数で割っただけの、単純な計算です。

日本の硬貨
写真はイメージ Photo by Roman Manshin on Unsplash

無印良品の「あぶらとり紙」は100枚入りで150円。1枚1.5円です。70×100ミリで、素材はパルプ100%の和紙とされています。

マンダムの「ギャツビー あぶらとりフィルム」は75枚入りで418円。1枚あたり約5.6円。2024年2月26日の発売で、マンダムは「フィルム表面のミクロの穴が皮脂をしっかり吸収する」と説明しています。

オルビスの「あぶらとり紙(金箔打紙製法)」は、30枚×5冊の150枚で1,320円。1枚8.8円です。1枚95×95ミリの大判で、金箔を作るときの伝統製法を使っていると説明されています。

よーじやの「あぶらとり紙」は20枚入りで400円。1枚20円でした。9センチ×9.3センチで、素材は特殊和紙です。10冊組は3,900円なので、まとめて買っても1枚19.5円です。

いちばん安い無印良品と、いちばん高いよーじやで、1枚あたり13倍以上の差がつきました。同じ「紙で皮脂を取る」道具で、この開きです。

紙を使わないタイプも計算してみます。クチコミサイトLIPSに参考価格約1,600円として載っている「VALL 転がすあぶらとり紙」は、天然火山石を使ったセラミック加工のボールを転がして皮脂を取る商品です。ボール1個で約180回使えるとされ、詰め替え用のボールが1個付くので、約360回。1回あたり約4.4円という計算になります。

「肌によくない」という見方は本当か

値段より気になるのは、そもそも使うべきなのかという話です。ここは専門家の見方が分かれています。

ポーチと化粧品
写真はイメージ Photo by Zahrin Lukman on Unsplash

ファンケルの公式コラム(美容研究家の上田麻里さん監修)は、「皮脂を取り過ぎると、余計に皮脂の分泌を増やしてしまうこともあります」「その結果、ニキビや肌トラブルが増えてしまう可能性もあります」として、一度に何枚も使うのはよくないと書いています。

一方、海外の皮膚科医の見方を紹介した記事では、ラムヤ・コリパラ医師が「あぶらとり紙が吸収するのは、肌の表面にある皮脂のみ。そのため、正しい使い方をすれば、皮脂を取りすぎることはない」と述べています。同じ記事では、リタ・リンクナー医師が「もし、過剰に分泌された皮脂がニキビの原因になっているのであれば、あぶらとり紙では解決しない」としていて、紙では間に合わない場合があることにも触れています。

ネットの評判

LIPSにある無印良品のあぶらとり紙のクチコミ(75件・4.19点)では、「100円で100枚は超お得」「100枚入りなのにポーチの中でかさばらず持ち運びやすい」と、値段と携帯性をほめる声が目立ちます。一方で「脂性肌寄りの人には足りない」とサイズ不足を挙げる声や、「強引に使うと形が変になり取り出しづらくなる」という声もありました。

転がすタイプ(43件・3.88点)は、はっきり割れています。「油分をしっかりとってくれるし、転がすだけで簡単」「ゴミが出ず環境に優しい」という声がある一方で、「ボール表面がごろごろしており痛い」「洗浄の手入れが面倒」「従来のあぶらとり紙で十分」という声も出ています。

そして、あぶらとり紙そのものを使わない立場の声もあります。美容サロンのビズビズ梅田店は2017年のブログで、1日に何回も使う、強く押し当てる、ゴシゴシ拭き取る、といった使い方を挙げました。それを続けると「乾燥が原因の『偽のオイリー肌』に悪化してしまいます」と書いていました。そのうえで、ティッシュを肌に当てて吸わせるだけの「ティッシュオフ」なら「本当に不要な分だけ少しずつ取り除いていく」ことができる、としています。

ただし、先に引いた皮膚科医の記事では、ティッシュやハンカチで皮脂を抑えるより、あぶらとり紙のほうが乾燥しないと書かれています。ここも、言っていることが逆向きです。

まとめ

数字を並べてみて筆者が気になったのは、1枚1.5円と1枚20円のあいだに、肌への効き方の差がどれだけあるのかを、公式の説明では比べられないという点でした。製法や素材の説明はあっても、吸収量の数字は出ていません。

紙か、転がすタイプか、ティッシュで済ませるか。どれが正しいかは、専門家でも見方が分かれています。だとすれば、まずは枚数と値段という、自分で確かめられる数字から選ぶのが現実的だと思いました。

出典

マンダム ニュースリリース、オルビス商品情報(アットコスメショッピング)、よーじや公式オンラインショップおよび公式商品情報、ファンケル公式コラム、無印良品あぶらとり紙の商品情報(アスクル・LIPS)、LIPSのクチコミ、Nolyn週間レポート、FRONTROW、ビズビズ梅田店ブログ。

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