『別班』を暴いた記者が、シーズン2に覚えた違和感
日曜劇場「VIVANT」第2シーズンと、実在する陸自の秘密部隊
『別班』を暴いた記者が「VIVANT」に違和感?! 文春・毎日が報道
10月26日、スポニチアネックスは、25日に放送されたTBS系日曜劇場「VIVANT」第2シーズン第12話(通算第22話)の平均世帯視聴率が18.6%だったと伝えた。日本シリーズの中継で、開始は45分遅れていた。それでこの数字だ。
その熱狂の外で、同じドラマに首をかしげている人がいる。ドラマに出てくる自衛隊の秘密部隊別班の存在を、2013年にスクープした共同通信の石井暁記者だ。
文春オンライン(10月20日)は、石井記者の言葉として、シーズン2は「国粋主義的、国家主義的な要素が前面に出ているのではないか」と伝えた。シーズン1の敵国は架空の「バルカ共和国」。シーズン2では実在する「中国」が敵国になり、「『国を守る』といったセリフも増えてきた」という。毎日新聞も10月21日に、同じ問題意識の記事を出した。
本物の別班は「数十人」
では、本物はどんな組織なのか。JBpress(10月10日)のインタビューで、石井記者はこう話した。「別班の規模は国内外を合わせて数十人です」「会社経営者、商社マン、研究者、文化活動……。そんな表向きの身分を作り、現地で人と会って情報を得るという活動です」
2013年に報じた時点で配置されていたのは、ロシア、中国、韓国など。ドラマのような荒事はあるのか。ここがいちばん違う。「私が取材で把握した別班の活動は、国内外での情報収集です。暗殺や爆破など、ドラマで描かれるような破壊工作を実行したという話は聞いていません」
では、石井記者は何を心配しているのか。文民統制の話だ。「別班は陸上自衛隊の内部で動き、首相や防衛相は活動内容を把握していません。首相を頂点とする指揮命令系統に組み込まれていないのです」。そして政府は、2013年の報道のあと、存在そのものを否定した。石井記者は「しかし、関係者のなかで、その公式見解を真に受ける人はいないでしょう」と話している。
この話が10月に続いたのには、ドラマ以外の事情もある。2026年9月28日、高市早苗首相が「インテリジェンス機能の強化に関する有識者会議」の初会合を開いた。首相は「国民の皆様の安全や国益をしっかりと守り抜いていく、そのためには、我が国の情報力の強化が不可欠」と話した。会議では、海外で情報を集める対外情報庁の創設も議題になっている。
ネットの評判
はてなブックマークでは、文春オンラインの記事に36人が印を付けた。「所詮お話やぞ……リアルに寄せてどうする。」という声がある。一方、毎日新聞の記事には「エンタメとしての魅力とシビリアンコントロールを逸脱する危険性の違いの指摘はもっともだな」という声がある。ドラマと現実を切り離して読むか、重ねて読むか。そこで受け取り方が逆になる。
次に何があるか
第23話は11月1日、最終回は11月8日に放送の予定だ。
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別班が今どこに何人いるのかは、分かっていない。石井記者も「私は確認できていません」と話している。石井記者が13年追ってきた本物の別班は、政府の公式見解では、今も存在しない。
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