オバマ氏が来ても、
正直、気持ちは動かない
――デトロイトの黒人有権者への聞き取りから
写真はイメージ Photo by Oxana Melis on Unsplash
オバマ氏「最後の最良の機会」 でもデトロイトの有権者は「正直、引いてしまう」
オバマ元大統領が10月24日、デトロイトのケース工科高校の体育館で演説した。11月の中間選挙を「この政権の愚かさに少しでも歯止めをかける、最後の最良の機会だ」と呼んだ(訳)。応援したのは、上院選のアブドゥル・エルサイード氏と、知事選のジョセリン・ベンソン氏。この日はミシガン州で、期日前投票の初日だった。
ブリッジ・ミシガンによると、体育館には4,300人を超える有権者が入った。オバマ氏は選挙を家の電気のブレーカーにたとえ、「あのブレーカーを落とす必要がある」と話した(訳)。アルジャジーラによると、「混乱と残酷さと腐敗と無能の2年間のあと、『もういい』と言う機会が手に入る」とも言っている(訳)。41歳でイスラム教徒のエルサイード氏への攻撃にも触れ、「君の名前や信仰を使って、君が危険だと思わせようとする人がいるかもしれない」「我々はそれには引っかからない」と話した(訳。ミシガン・パブリック)。
「正直、引いてしまう」
ただ、オバマ氏が来れば票が動く、とは限らない。FOXニュースのデジタル版は10月16日、デトロイトで黒人有権者12人に話を聞いた記事を出した。何人かは、オバマ氏の支持表明を「a turn-off」(気持ちが引く、という意味だ)と呼んだ。自分の判断には関係ないと答えた人もいる。マーセディーズと名乗る、まだ投票先を決めていない有権者はこう話した。「正直、引いてしまう。民主党の票を操るために彼を使う候補者を、あまりに多く見てきたから」(訳)
この冷たさには、理由がありそうだ。エルサイード氏は党内の予備選で、ヘイリー・スティーブンス氏に1ポイント未満の差で勝った。ブリッジ・ミシガンによると、デトロイト市内ではスティーブンス氏が6割超を取っている。デトロイトは人口の75%が黒人だ(NBCニュース)。つまりオバマ氏は、自党の候補がいちばん取れなかった街に入ったことになる。
エルサイード氏自身、2012年11月にオバマ氏を批判する論説を書いていた。「オバマは正しい選択ではなかった。ただ、間違った選択でもなかっただけだ」(訳)。10月11日のNBC「ミート・ザ・プレス」で問われると、「あの論説を書いたのは、若かった自分だ。状況に怒っていた」と答えている(訳)。
まだ分かっていないこと
オバマ氏の演説で黒人の票がどれだけ動いたかは、まだ分からない。NBCニュースが引いたユーガブの調査では、エルサイード氏が黒人有権者の84%、共和党のロジャーズ氏が11%。一方、9月下旬のFOXニュースの調査ではロジャーズ氏が22%だった。数字が揺れている。ネット上でどんな反応があったかも、出典からは確かめられなかった。
投票日は11月3日。気になるのは、デトロイトの投票率だ。4,300人が入った体育館の熱が街に広がったのか、それとも「正直、引いてしまう」のほうが多かったのかは、その数字に出る。
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