宗教の話より、
先に暮らしの話を
――NBAのカイル・カズマが、オバマ元大統領に
写真はイメージ Photo by William Duggan on Unsplash
オバマ氏の「宗教アピール」演説に、ミシガン出身のNBA優勝選手が待った
オバマ元大統領が10月24日、デトロイトのキャス工科高校であった民主党の集会で、こう呼びかけた。「イスラム教徒の男性と、ユダヤ教徒の女性が、合衆国上院であなたたちのために戦う」(訳)。上院候補のアブドゥル・エルサイード氏と、現職のエリッサ・スロトキン上院議員を「パワーデュオ」と呼んだくだりだ。中間選挙の投票日まで、あと10日ほどしかない。
この一節に、翌25日、Xで待ったをかけた人がいる。NBAバックスのカイル・カズマ。ミシガン州フリント出身で、2020年にレイカーズで優勝している。
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「4人に1人が貧困線の下なのに」
カズマが書いたのは、こういう内容だ。ミシガンでこの必死な「psyop」(心理作戦の略)を見ているのはつらい、もう聞いていられない。そのうえで数字を出した。ミシガンの黒人の4人に1人が貧困線より下にいるのに、話題は「イスラム教徒とユダヤ教徒のコンビ」なのか、と。ミシガンの人がいちばん気にしていないのは、どの宗教かという売り込みだ。この州のイスラム教徒もユダヤ教徒も、人口の1%ずつだ。カズマは、そうも書いた。
この「4人に1人」には裏付けがある。報道では、2024年のアメリカ・コミュニティ調査(国の大規模な世帯調査)で、州の黒人の貧困率は26.3%とされている。
なぜ、宗教の話だったのか
オバマ氏がわざわざ信仰に触れたのには、理由がある。エルサイード氏は名前と信仰をめぐる攻撃を受けていて、オバマ氏は集会で「この映画は前に見た。私が主演だった」(訳)と話した。自分が浴びた攻撃と重ねたわけだ。同じ演説では物価高と政権の金もうけも強く批判し、「これほど人の金でたかるのがうまい大統領は見たことがない」(訳)とも言った。オバマ氏の側から見れば、信仰の話は攻撃への反論だったのだろう。ただ、それを聞いた人には売り込みに聞こえた――カズマの投稿は、そう読める。
まだ分かっていないこと
カズマがどちらの党を支持しているのか、だれに投票してほしいのかは、投稿からは読み取れない。オバマ氏の陣営やエルサイード氏が、この批判に答えたかどうかも確かめられなかった。
ミシガンの上院選は接戦だ。エルサイード氏は共和党のマイク・ロジャーズ氏と争い、9月30日のFOXニュースの調査では1ポイント差。トランプ大統領も25日にミシガン州へ入り、応援演説をする予定だった。投票日は11月3日。デトロイトの票がどれだけ動くかが、次に出てくる数字になる。
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