サプリの棚、
もう並べなくていんだよ
――ある親が、洗面台の前で
写真はイメージ Photo by Alex Saks on Unsplash
「2歳と7歳が同じ半杯」 米Kikaの全部入り粉末を日本の基準と比べてみた
アメリカのKika Nutritionが、2歳以上の子どもと大人が同じものを飲める栄養粉末「Kika」を、2026年10月22日に正式発売しました。1杯に植物性たんぱく質15g、20種類以上のビタミンとミネラル、プロバイオティクス、食物繊維、10種類以上の有機の果物と野菜が入っています。味がなく加熱しても使えるため、スムージーのほかパンケーキやマフィンにも混ぜられるのが売りです。
うたい文句は、サプリの棚をいっぱいにしなくていいという手軽さ。筆者が公式サイトとプレスリリースの数字を拾って計算すると、引っかかる点が2つ出てきました。1杯の値段と、年齢ごとの量です。
Kikaとはどんな粉末か
創業者は、元VogueとHarper’s Bazaarのアクセサリー編集者で、高級ハンドバッグのデザイナーだったKhirma Eliazovさん。発表によると、5年をかけて52回の試作を重ねたとのことです。
「親はすでにたくさんのことを抱えています。栄養が、もう一つのフルタイムの仕事のように感じられてはいけません」(訳)と創業者は述べています。開発に加わった自然療法医で機能性医学の実践者、Gabrielle Francis氏の言葉も添えられています。
たんぱく質は米とえんどう豆由来。プロバイオティクスは熱に強いバチルス・サブチリス。砂糖は加えておらず、ナッツ不使用、グルテンフリー、ヴィーガン対応です。重金属・微生物・残留農薬を第三者機関で検査し、FDA登録のcGMP準拠施設で製造しているとしています。
販売は公式サイトの直販と、施術者向けネットワークのFullscript(150人)から。2027年半ばまでにAmazonと独立系小売へ、2028年に全国展開を計画しています。
1杯の値段を計算してみた
28回分(2袋、約1か月分)で139.95ドル。定期便は15%引きです。単純に割ると1回あたり約5.00ドル。2026年10月23日の為替(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの仲値、1ドル156.51円)で換算すると、1杯およそ780円でした。
公式の飲み方は年齢別で、2〜7歳が半杯、8〜12歳が4分の3杯、13歳以上が1杯です。半杯なら1日およそ390円になります。
大人2人と2〜7歳の子ども2人の4人家族だと、1日に3杯。28回分は9日ほどで終わります。1か月で3セット強、約450ドル(約7万円)。定期便の15%引きでも約380ドル(約6万円)です。手軽さの値段としては、なかなかの額だと思いました。
「2歳と7歳が同じ半杯」を日本の基準と比べてみた
半杯なら、たんぱく質は7.5gです。
日本人の食事摂取基準(2025年版)のたんぱく質の推奨量は、1〜2歳が1日20g、3〜5歳が25g、6〜7歳が30g。並べてみると、同じ半杯が、2歳では1日の推奨量の約4割、7歳では約4分の1に当たります。
アメリカの数字で見ると差はもっと大きく、管理栄養士の記事がNIHの値として紹介しているのは1〜3歳で1日13g、4〜8歳で19g。2歳なら半杯で6割近くになります。
Kikaは食事の代わりではなく、ふだんの食事に足すものです。足した先がどうなるかは、その子が何を食べているかで変わります。同じ記事では、アメリカの子どもはほとんどがたんぱく質を十分にとっているとされています。腎臓が大量のたんぱく質を処理するときは水も多く必要になるため、水分が足りないと脱水や腎結石のリスクが上がるという指摘も紹介されています。
成分量は、商品ページでは数字で読めませんでした
商品ページには「ビタミンA、B12、D、亜鉛、鉄など20種類以上」と書かれています。ただ1食あたりの各成分の量は画像の成分表示に置かれており、筆者が開いたページの文字情報では数値を確認できませんでした。食物繊維のg数、プロバイオティクスのCFU、カロリーも、このページには書かれていません。
米国小児科学会(AAP)は、脂溶性ビタミンは体に溜まり、非常に高い量では子どもが病気になることがあるとしています。亜鉛や鉄などのミネラルも、長期間、高い量でとると悪影響が出ることがあるとしています。年齢で量を半分にする設計なら、何がどれだけ入っているかは、親がいちばん先に見たい数字だと思いました。
「1杯で穴を埋める」への慎重な見方
全部入りの手軽さを歓迎する見方は分かりやすく、販売計画もそこに賭けています。一方で、専門家側の原則は逆を向いています。
AAPは「健康な子どもが、通常のバランスのとれた食事をとっていれば、推奨量を超えるビタミンの補給は必要ない」(訳)としています。幼児については、基本の食品群から選んで出していればビタミンは足りる、必要なサプリと量は小児科医に相談するように、と書いています。例外として挙げているのはビタミンDです。
意見が割れるのはここだと思います。食事の穴を1杯で埋めるのは、親の時間を買う合理的な選択なのか、それとも順番が逆なのか。
まとめ
筆者が引っかかったのは2点。半杯で約390円という毎日の金額と、2歳と7歳に同じ半杯を勧める設計です。
忙しい家庭にとって、手軽さは本物の価値だと思います。ただ「足りない分を埋める」のか「足りているところに足す」のかは、その子の食卓を見ないと分かりません。買う前に確かめたいのは、まず成分表示の数字、次に自分の子の1日のたんぱく質量です。
出典
Kika Nutrition公式サイトの商品ページ、PR Newswireのプレスリリース、HealthyChildren.org(米国小児科学会)、日本人の食事摂取基準(2025年版)の年齢別一覧、Food Networkの管理栄養士記事、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの為替相場
うちのソース付けて食うわ
日本人は何も言えんやろ
――フランスから投稿した人が、日本人に
残ったのは、高い席ではなかった
Number_i札幌ドームの空席報道
何もない田舎の風景
それでも300人が見ている
――岩手・遠野、田んぼの神社の24時間配信
- Kika Nutrition Officially Launches, Introducing a New Approach to Everyday Nutrition for the Whole Family
- 28 Servings Kika Complete Nutrition Powder(Kika Nutrition公式)
- Where We Stand: Vitamin Supplements for Children(HealthyChildren.org/米国小児科学会)
- Dietary Supplements for Toddlers(HealthyChildren.org/米国小児科学会)
- Do Kids Really Need Protein Powder? Dietitians Weigh In(Food Network)
- 【2025年版】1歳〜2歳の食事摂取基準
- 【2025年版】3歳〜5歳の食事摂取基準
- 【2025年版】6歳〜7歳の食事摂取基準
- 外国為替相場(2026年10月23日・三菱UFJリサーチ&コンサルティング)